【音楽活動】ジョセフ・アルフ・ポルカとシンゴで見せる二つの顔
ジョセフ・アルフ・ポルカは大学時代から続くバンド
てんしんくんの音楽活動を語るうえで欠かせないのが、ジョセフ・アルフ・ポルカです。
2007年に愛知県立芸術大学で結成されたこのバンドは、本人の2022年のnoteによると、当初は5人編成。てんしんくんはボーカルとキーボードを担当し、木曽浩太、西村友輝、原宏美、亀谷希恵と活動していました。
2012年に1stアルバム、2013年に1st EPを発表。その後、メンバーそれぞれの作家活動などもあり、ライブ活動が少なくなった時期もありました。
2022年の本人の記述では、活動を立て直すために編成や楽曲アレンジを見直し、サポートメンバーを加えたライブにも取り組んでいました。単に長く所属しているというだけでなく、大学時代から続く音楽的な基盤の一つです。
シンゴは2026年にアルバム『カラザ』をリリース
2026年の音楽活動で特に注目したいのが、バンド「シンゴ」の2ndアルバム『カラザ(Chalaza)』です。
シンゴは、愛知在住のてんしんくん、東京在住のタンゴ、しわしわによる3人組。2025年にしわしわが加入して3人体制となり、2026年4月20日に新体制で初となるアルバムをリリースしました。
Bandcampの公式作品情報によると、てんしんくんはボーカル、キーボード、サンプラー、録音、ミックスを担当しています。タンゴはラップ、シンセサイザー、ドラムマシン、しわしわはボーカル、キーボード、録音を担当。それぞれのアイデアを持ち寄って楽曲を構築しています。
アルバムには全8曲を収録。主な収録曲は次のとおりです。
- 『川へ』
- 『錆び』
- 『交わらない』
- 『てかる』
- 『ふきだし』
- 『ないってことはあるんじゃない?』
- 『202ナニ?』
- 『シンク』
公式の作品紹介では、隙間の多い、不穏で不思議な楽曲集と説明されています。カセットテープとデジタル音源の両方で展開されている点も特徴です。
また、2026年9月23日には東京・三鷹のSCOOLで、2ndアルバムのリリースパーティー「おーいおん」が予定され、シンゴのほかRUOH、くまちゃんシールが出演する企画が告知されました。アルバム制作だけでなく、ライブを通じた発信にもつながっています。
絵と音楽が別々の活動ではない理由
てんしんくんの活動を理解する際、イラストレーターとミュージシャンを別々の肩書きとして切り離すと、全体像を見失いがちです。
音楽イベントのフライヤーやジャケットを制作する仕事では、演奏する側の感覚や現場の空気を知っていることが表現に生きます。一方、音楽制作では、サンプラーや録音、ミックスなど、音を組み立てる作業にも携わっています。
例えば『カラザ』では、歌やキーボードだけでなく、サンプラー、録音、ミックスまで担当。ビジュアル制作の領域でも、ジャケットやイベント告知物など、音楽作品を届けるためのデザインに関わっています。
このように、音楽を視覚化する仕事と、自分自身が音楽を作る活動が同じ人物の中でつながっていることが、大きな個性になっています。
【2026年11月の現在】似顔絵活動の再開と今後の展望
似顔絵屋としての活動も再び動き出す
2026年11月現在の新しい動きとして注目したいのが、似顔絵制作の再開です。
てんしんくんは以前からイベントなどで似顔絵を描く活動を行っていました。2018年のLIVERARYの記事でも、個展の在廊時に無料で似顔絵を描くサービスが紹介されています。
一方、2026年秋の本人のSNS投稿では、しばらく似顔絵屋としての出店を休止していたことを説明しています。その理由として挙げたのは、現在の画風と似顔絵用の画風に乖離があったことです。
その後、画風や画材を調整して再び出店する意向を発信。練習作品として、あいみょん、ヨネダ2000、嵐、犬や猫などを描いたことも紹介しています。
似顔絵という仕事を単に以前の形で再開するのではなく、自身の現在の表現とどう両立させるかを考えている点が興味深いところです。
11月15日には名古屋のイベントに参加予定
本人のSNSで案内されている2026年11月15日のイベント「RESULTS 成果 推介會」では、名古屋の燦庫を会場に、てんしんくんが似顔絵屋として参加する予定です。
このほか、本人はイベントでの似顔絵出店について、通常の人物だけでなく、ペットや好きな芸能人なども描く考えを発信しています。カードサイズでの制作を予定していることも案内されています。
また、2026年秋には音楽イベント「ツキノポリタン」関連のフライヤー制作も担当。出演者をイメージした動物たちを描いたビジュアルが紹介されました。
展示会だけでなく、音楽イベントのデザイン、似顔絵、個人制作と、活動の接点が再び広がっている様子がうかがえます。なお、11月15日の企画は記事執筆時点での開催予定であり、開催済みの実績とは区別する必要があります。
「潜伏する生活」は本当に潜伏しているという意味?
「潜伏する生活」というタイトルから、本人が表舞台から姿を消した、あるいは人目を避けて暮らしているといった印象を持つ人もいるかもしれません。
しかし、このタイトルは個展のコンセプトに由来します。
会場のモノコトにある、長い年月を経た品々や生活の痕跡。その空間の中に作品をそっと置き、展示作品と日常の品々が自然に共存する状態を表現したものです。
また、コロナ禍に自室で制作を続けた経験から、場所や他者との距離について考えるようになったことも背景にあります。本人が説明しているのは、あくまで制作上の問題意識です。
したがって、タイトルを私生活の告白や活動休止の宣言として解釈するのは適切ではありません。展示の意図と本人の生活状況は分けて理解する必要があります。
てんしんくんの作品を知るための判断基準
作品や活動を初めて知った人は、次の3つの視点から見ていくと、表現の変化や魅力を理解しやすくなります。
1. 動物の描き方だけでなく、周囲の空間を見る。
犬や猫、ペンギンといったモチーフだけでなく、動物がどこにいて、何と距離を取っているのかに注目すると、作品のテーマが見えてきます。
2. イラストと音楽の両方を確認する。
ジャケットやフライヤーなどのビジュアル作品と、シンゴの『カラザ』などの音源を合わせて知ることで、本人の表現の幅をより深く理解できます。
3. 過去作品と2026年の新作を比較する。
2018年の個展で紹介されたペン画やアクリル画、2025年の「あいまいな窓」、2026年の2つの個展を順番に見ると、ユーモアや動物表現から場所や生活の問題へと広がる制作の流れを追えます。
特に、イラストレーターとしてのかわいらしい表現だけを期待する人よりも、作品に込められた物語や余白、音楽とのつながりまで楽しみたい人に向いている作家です。
【よくある質問】てんしんくんに関するFAQ
Q1:てんしんくんは何者ですか?
A1:愛知県・名古屋を拠点に活動するイラストレーター、デザイナー、ミュージシャンです。愛知県立芸術大学の油画専攻を卒業し、イラスト制作や音楽関連のデザイン、バンド活動などを行っています。
Q2:てんしんくんの出身大学はどこですか?
A2:愛知県立芸術大学です。美術分野の油画専攻で学び、絵画表現を背景にイラストレーターとして活動しています。
Q3:てんしんくんの代表的な作品の特徴は?
A3:犬、猫、ペンギンなどの動物をモチーフにした作品や、日常の中にある不思議さ、ユーモア、ナンセンスな表現が特徴です。近年は生活する場所や他者との距離、動物同士の共存などをテーマにしています。
Q4:2026年の個展はいつ開催されましたか?
A4:「静かな居なおり」は6月20日から7月18日まで東京・初台のOpen Roomで、「潜伏する生活」は8月8日から23日まで名古屋・大須のモノコトで開催されました。いずれも2026年11月現在は終了しています。
Q5:「ジョセフ・アルフ・ポルカ」と「シンゴ」は別のバンドですか?
A5:はい。ジョセフ・アルフ・ポルカは2007年に愛知県立芸術大学で結成されたバンドです。一方、シンゴはてんしんくん、タンゴ、しわしわによる3人組で、2026年4月にアルバム『カラザ』をリリースしています。
Q6:てんしんくんは似顔絵も描いていますか?
A6:はい。以前からイベントなどで似顔絵を描いており、2026年秋には出店再開に向けた練習や画風・画材の調整について発信しています。11月15日の名古屋のイベントにも似顔絵屋として参加予定と告知されています。
Q7:てんしんくんの作品や音楽はどこで確認できますか?
A7:本人のSNS、note、オンラインショップ「shop 天」、音楽配信サービスBandcampなどで活動情報や作品を確認できます。個展の情報はOpen RoomやLIVERARY、サカエ経済新聞などのイベント記事も参考になります。
まとめ:てんしんくんの魅力は絵・音楽・生活を横断する表現にある
てんしんくんは、愛知県立芸術大学で油画を学んだ経歴を持ち、名古屋を拠点にイラストレーション、デザイン、音楽の3分野で活動するアーティストです。
2007年に結成したジョセフ・アルフ・ポルカを活動の原点の一つとしながら、個展や音楽関連のビジュアル制作、ZINEなど、個人の表現も積み重ねてきました。
2026年の「静かな居なおり」と「潜伏する生活」は、場所や生活、他者との距離という共通テーマを、異なる展示空間で展開した重要な活動です。犬や猫を通じて、同じ場所に存在する異なるもの同士の関係を描いた点も印象的でした。
音楽面では、シンゴのアルバム『カラザ』をリリースし、ライブ活動も展開。さらに2026年秋には似顔絵屋の再開やイベントフライヤーの制作など、新しい動きも見られます。
てんしんくんを理解する最大のポイントは、イラストだけで人物像を判断しないことです。絵と音楽、そして日常生活の中で見つけた場所や風景。それらを横断して見ることで、作品に通底する独自の感覚がより鮮明になります。
今後も名古屋を拠点とした展示活動や音楽作品、イベントでのビジュアル制作など、複数の表現領域を行き来する活動に注目したいところです。
主な参考資料
- Open Room「てんしんくん 個展『静かな居なおり』」開催告知
- LIVERARY「個展『潜伏する生活』」開催情報・作家紹介
- サカエ経済新聞「大須でてんしんくん個展『潜伏する生活』」
- てんしんくん本人のnote「出演者紹介その4〜ジョセフ・アルフ・ポルカ〜」
- Bandcamp「シンゴ/カラザ」
- てんしんくん本人のオンラインショップ「shop 天」
- LIVERARY「ジョセフ・アルフ・ポルカのボーカル兼イラストレーター・てんしんくんが名古屋で個展」 (出典: てんし ん くん(Yahoo!ニュース))