徳留一樹はなぜファイトマネーを受け取れなかったのか
もう一つ、報酬事情を考えるうえで重要なのが徳留一樹の事例だ。
徳留は2024年6月のRIZIN.47参戦時、八王子市役所に勤務する公務員ファイターだった。
2021年3月以来の試合復帰に向けて準備していたが、公務員としての立場からファイトマネーやスポンサー料を受け取ることができなかった。
デイリースポーツの取材では、本人が次のように説明している。
「正直なところ、もらえればベストだったが、100パーセントできないことなので。試合をやると決めた時から分かっていたこと」
この事例は、RIZINの報酬が一律ゼロになるケースではない。選手本人の職業上の事情によって、金銭を受け取れない特殊なケースだ。
徳留は収入が得られないことを理解したうえで試合に臨み、職場の仲間約40人が応援に駆けつけることも明かしていた。
競技を続ける理由は収入だけではない。こうした選手の存在も、RIZINという舞台の多様性を示している。
【プロの結論】RIZINのファイトマネーは集客力と契約交渉力で決まる
ここまでの事例を整理すると、RIZINの報酬構造には大きく3つの特徴がある。
1. 強さだけでは報酬は決まらない
格闘技では勝敗やランキングが注目されるが、興行の経済構造では知名度や集客力も重要だ。
朝倉未来が象徴的な存在である。
彼は試合での実績だけでなく、YouTubeやBreakingDownを通じた発信力も持っている。企業にとって広告効果が期待でき、興行主にとっても大会を盛り上げる存在になっている。
そのため、競技成績が近い選手同士でも、契約金額が異なる可能性がある。
2. ファイトマネーだけで選手の収入を判断しない
格闘家の収入は、次のような複数の要素で構成される。
- 大会への出場報酬
- トーナメントや大会の賞金
- 主催者からの特別ボーナス
- パンツスポンサーなどの広告収入
- YouTubeやSNSなどの事業収入
- その他の出演・イベント収入
朝倉未来の2026年の発言が注目されたのは、ファイトマネーとスポンサー収入が別々に大きな金額になっていることが明らかになったからだ。
ファイトマネーだけで比較すると、選手の経済的な実態を見誤る可能性がある。
3. PPV時代は選手の商業価値がさらに重要になる
榊原CEOが2022年のメイウェザー戦を通じて説明したように、PPVは格闘技興行の収益構造を考えるうえで重要な要素だ。
視聴者が大会を購入する理由を作れる選手は、興行に対する貢献度が高くなる。
今後も、競技能力に加えて、SNSでの発信力、海外での知名度、企業とのタイアップ、ファンを動かすストーリー性などが契約交渉に影響すると考えられる。
読者がファイトマネー情報を見極める際の判断基準は、次の3点だ。
- 本人が具体的な金額を発言しているか。
- 主催者や大手報道機関による裏付けがあるか。
- ファイトマネー、賞金、スポンサー収入のどれを指しているか。
この3つを確認すれば、ネット上の推定年収や高額報酬の噂に振り回されにくくなる。
RIZINのファイトマネーに関するよくある質問(FAQ)
Q1:RIZINのファイトマネーの平均はいくらですか?
公開された全選手の契約データがないため、信頼できる平均額は算出できない。朝倉未来の億円超え発言やジョリーの1,000万円という自己申告は個別事例であり、一般選手の平均として扱うことはできない。
Q2:朝倉未来のファイトマネーは本当に1億円以上ですか?
2026年6月のヒカルのYouTubeチャンネルで、過去最高額が1億円を超えるという質問に本人が肯定している。ただし、具体的な金額は公開されていない。パンツスポンサー収入については別途約1億円と説明している。
Q3:メイウェザーの那須川天心戦のファイトマネーはいくらですか?
2018年の那須川天心戦では、メイウェザーがSNSで900万ドルを示唆したと報道された。当時の為替では約10億円に相当する。ただし、正式な契約金額の公表ではない。
Q4:RIZINでは負けてもファイトマネーをもらえますか?
選手ごとの契約条件による。出場に対する基本報酬と勝利時の追加報酬を分ける契約などが考えられるが、RIZIN全選手に共通する支払いルールは公開されていない。
Q5:RIZINのファイトマネーとスポンサー収入は別ですか?
別の収入だ。ファイトマネーは大会出場に対する報酬であり、スポンサー収入は企業との広告契約に基づくもの。朝倉未来も2026年の対談で両者を分けて説明している。
Q6:RIZINには勝利ボーナスや賞金制度がありますか?
ある。2021年のバンタム級JAPAN GPでは優勝賞金1,000万円や各種賞金が設定された。また2026年には伊藤裕樹への社長室ボーナスも報道されている。ただし、すべての大会に共通する固定ボーナス制度とは異なる。
まとめ:RIZINのファイトマネーは選手の価値と契約条件で大きく変わる
2026年のRIZINファイトマネー事情を振り返ると、選手全員に適用される一律の相場はなく、知名度、競技実績、集客力、スポンサー価値などによって報酬が大きく変わることが分かる。
特に注目すべきなのは、2026年6月の朝倉未来の発言だ。過去最高のファイトマネーが1億円を超えることを認め、パンツスポンサー収入も別枠で約1億円と説明した。
また、メイウェザーの那須川天心戦や朝倉未来戦では、通常の国内大会とは桁の異なる報酬が報道され、榊原CEOもPPV収益を含む大型興行のビジネスモデルを説明している。
一方、徳留一樹のように公務員としての事情から報酬を受け取らずに戦う選手もいる。賞金や社長室ボーナスなど、基本報酬以外の仕組みも存在する。
RIZINのファイトマネーを正しく理解するには、単純な金額ランキングではなく、ファイトマネー・スポンサー収入・賞金・ボーナスを分けて考えることが大切だ。
今後、PPV市場の拡大や海外選手との大型契約が進めば、選手の報酬体系にも変化が生まれる可能性がある。2026年以降は、単に誰が強いかだけでなく、誰が興行を動かし、どれだけの価値を生み出すのかという視点からも、RIZINの選手たちに注目したい。 (出典: rizin ファイト マネー(Yahoo!ニュース))