みかんの白い部分は取るべき?白い筋の正体と栄養・健康効果を2026年最新解説
みかんの皮をむいたとき、房の表面に残る白い筋。食べると口に残るため、一本ずつ丁寧に取り除いている人も少なくないでしょう。一方で、「白い筋には栄養がある」「取らずに食べたほうが健康によい」という話を聞いたことがある人もいるはずです。実際、農林水産省の説明によると、房についている白い筋は水分や養分を運ぶ維管束で、皮の内側にある白いスポンジ状の部分はアルベドと呼ばれます。見た目は似ていますが、それぞれ異なる組織です。
2026年現在、農林水産省の公開資料や文部科学省の日本食品標準成分表を確認すると、白い部分には食物繊維やヘスペリジンが関係していることが分かります。では、すべて食べたほうがよいのでしょうか。白い筋を取る必要性から、栄養面のメリット、健康効果の研究状況、食べやすくする方法まで、科学的な情報をもとに整理します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 白い筋の正体: 房の表面に広がる白い筋は、植物の水分や養分を運ぶ維管束。
- 食べても大丈夫?: 白い筋や房を包む薄皮は食べられる。無理に取り除く必要はない。
- 注目の栄養成分: 食物繊維やポリフェノールの一種であるヘスペリジンが含まれている。
- アルベドとの違い: 皮の内側にある白いスポンジ状の組織がアルベドで、房の白い筋とは厳密には別の部分。
- おすすめの食べ方: 食感が気にならなければ、そのまま房ごと食べるのが手軽。
【正体を解明】みかんの白い筋は維管束、白いワタはアルベド
みかんの白い部分を理解するには、まず果実の構造を知る必要があります。
温州みかんの果実は、外側から内側に向かって複数の組織で構成されています。それぞれに名称があり、普段何気なく食べている部分にも植物としての役割があります。
房についている白い筋の正体は「維管束」
みかんの房を取り出すと、表面に細い白い糸のような筋が網目状についています。
これは維管束(いかんそく)と呼ばれる組織です。
農林水産省が2021年12月発行の「消費者の部屋通信」で紹介した相談回答では、房の表面にある白い筋を維管束と説明しています。
維管束は、植物の内部で水分や養分を運ぶための通路です。
みかんは木に実る果実なので、葉や根から取り込まれた水分や養分が枝を通って果実へと届けられます。その供給を支えているのが維管束です。
さらに興味深いのは、維管束が単に房の表面を覆っているだけではないことです。
農林水産省の説明によると、維管束は房の中にある果肉の小さな粒、つまり砂じょうの一つひとつにつながっています。
果実の中心側と房の周囲から水分や養分を補給できる構造になっているのです。
つまり、白い筋は果実が成長するために必要な、いわば栄養供給の通路です。
アルベドとは?皮の内側にある白いスポンジ状の部分
一方、アルベドはみかんの外皮をむいたとき、皮の裏側に残る白い部分を指します。
正式には中果皮と呼ばれる組織です。
みかんの皮は大きく分けて次の2層で構成されています。
- フラベド:外側のオレンジ色の部分。外果皮にあたり、色素や香り成分を含む。
- アルベド:内側の白い部分。中果皮にあたり、海綿状の組織になっている。
オレンジ色の皮をむいたときに見える白いワタのような部分がアルベドです。
柑橘類の種類によって発達の程度が異なり、グレープフルーツや文旦では比較的厚く見られます。
温州みかんでは、白い部分が細い筋のように見えることもあるため、維管束と混同されがちです。
しかし、房の表面にある網目状の筋と、外皮の内側にある白い組織は、植物学的には区別して考える必要があります。
じょうのう膜と砂じょうも知っておきたい
みかんの房にも、それぞれ正式な名称があります。
果肉を包んでいる薄い袋状の部分が「じょうのう」、その内部にある果汁を含んだ小さな粒が「砂じょう」です。
普段食べているみかんは、このじょうのうと砂じょうを組み合わせた構造になっています。
【構造を比較】維管束・アルベド・じょうのう膜の違い
ここまで説明した3つの組織は、位置も役割も異なります。
違いを整理すると、次のようになります。
| 部位・名称 | 位置・見た目 | 主な役割・特徴 | 食べられる? |
|---|---|---|---|
| 維管束 | 房の表面にある白い筋 | 水分や養分を運ぶ | 食べられる |
| アルベド | 外皮の内側にある白いワタ | 果皮を構成する中果皮 | 食べられる |
| じょうのう膜 | 一房を包む薄い袋 | 果肉を包む組織 | 食べられる |
| 砂じょう | 袋の内部にある小さな粒 | 果汁を蓄える果肉 | 食べられる |
| フラベド | 外側のオレンジ色の皮 | 外果皮。香りや色素を含む | 食用利用される |
この関係を知っておくと、みかんの白い部分についての情報を正しく理解できます。
特に重要なのは、維管束とアルベドを同じものとして扱わないことです。
どちらも白く見えますが、房に付着している筋は維管束、皮の内側にある白い組織はアルベドです。
農林水産省の「消費者の部屋通信」や、同省が公開する果物の食育資料でも、果実の各部位と維管束の働きが解説されています。
また、維管束が房の中の果肉の粒とつながっていることからも、白い筋が果実の成長に欠かせない組織であることが分かります。
【食べても大丈夫?】みかんの白い筋を取る必要性と安全性
結論からいえば、みかんの白い筋は食べても問題なく、健康な果実であれば無理に取り除く必要はありません。
白い筋は果実自身が持っている自然な組織であり、食べることを前提にした通常の食用部分に付着しています。
白い筋を取らずに食べるメリット
白い筋を残すメリットは、主に栄養面にあります。
農林水産省によると、維管束には食物繊維やヘスペリジンが含まれています。
そのため、白い筋を丁寧に取り除いてしまうと、それらを含む部分も一緒に捨てることになります。
特に、みかんを日常的に食べる人にとっては、房の薄皮や白い筋も含めて食べることで、果肉だけを食べる場合とは異なる栄養成分を取り入れられます。
もちろん、白い筋を食べなければ健康を損なうという意味ではありません。
あくまでも、食べられる部分を必要以上に捨てなくてもよいということです。
白い筋を取ったほうがよい場合もある?
一方、白い筋の食感が苦手な人が無理に食べる必要はありません。
次のような場合は、好みに合わせて取り除いても問題ありません。
- 白い筋が口の中に残る感覚が苦手な人
- 小さな子どもなど、食べやすさを優先したい場合
- 料理やデザートの見た目を整えたい場合
- 房の薄皮が厚く、食べにくい品種を食べる場合
特に、八朔や文旦などは温州みかんと比べてじょうのう膜が厚い傾向があります。
こうした柑橘類では、房の袋を取り除いて果肉だけを食べる方法も一般的です。
農林水産省の食べ方の紹介でも、袋が厚い柑橘類は薄皮を取り除いて食べる方法が案内されています。
白い筋とカビを間違えないための注意点
白い部分なら何でも食べてよいというわけではありません。
通常の白い筋は、果実に沿って規則的に付着している繊維状の組織です。
一方、カビは果実の表面などに不規則に発生し、綿毛のように広がることがあります。
異臭がする、果実が柔らかく崩れている、カビが確認できるといった場合は、白い筋とは別の品質上の問題です。
傷んだ果実は食べないようにしましょう。
【栄養を徹底解説】みかんの白い筋と食物繊維・ヘスペリジンの関係
みかんの白い部分が注目される理由は、見た目や植物としての役割だけではありません。
食物繊維やヘスペリジンなど、栄養面で関係する成分が含まれていることも理由の一つです。
白い筋に含まれる食物繊維
食物繊維は、健康的な食生活を支える栄養成分です。
みかんの白い筋やじょうのう膜には食物繊維が含まれています。
農林水産省も、維管束には食物繊維が豊富に含まれていると説明しています。
そのため、房の薄皮や筋をすべて取り除かずに食べることには、栄養面での意味があります。
ここで参考になるのが、文部科学省の「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」です。
温州みかんの普通品種について、可食部100g当たりの食物繊維を比較すると、次のようになります。
- じょうのう(薄皮を含む房):食物繊維総量1.0g
- 砂じょう(薄皮を取り除いた果肉):食物繊維総量0.4g
つまり、じょうのうごと食べる場合は、果肉だけを食べる場合より食物繊維の量が多くなっています。
ただし、この数値は房全体と果肉だけの比較です。白い筋だけを取り出して測定した数値ではありません。
白い筋だけで食物繊維をどれだけ摂取できるかを、この数値から直接計算することはできません。
ヘスペリジンとは?みかんの白い部分に含まれるポリフェノール
もう一つ注目したい成分が、ヘスペリジンです。
ヘスペリジンは柑橘類に含まれるフラボノイドの一種で、ポリフェノールに分類されます。
農林水産省の説明では、果肉部分よりも皮や筋、袋に多く含まれる成分として紹介されています。
つまり、白い筋を取り除かずに食べることは、ヘスペリジンを含む部分を一緒に摂取することにつながります。
ヘスペリジンは、かつて「ビタミンP」と呼ばれた成分でもあります。
ただし、日本ビタミン学会のQ&Aによれば、ビタミンPは現在の分類ではフラボノイドに相当し、ビタミンの定義には当てはまりません。
名前にビタミンと付いているからといって、ビタミンCやビタミンB群と同じ栄養素だと考えるのは正確ではありません。
白い筋を食べると栄養を効率よく摂れる?
白い筋には食物繊維やヘスペリジンが含まれているため、果肉だけを食べるよりも、みかんの栄養を幅広く取り入れられます。
ただし、白い筋を食べるだけで特定の栄養不足が解消されるわけではありません。
みかんにはビタミンCなどの栄養成分も含まれており、果肉にも十分な食べる価値があります。
大切なのは、白い筋だけを特別視するのではなく、果実全体の栄養バランスを考えることです。
【健康効果の真相】ヘスペリジンを食べると体にどんなメリットがある?
ヘスペリジンは、健康研究の対象にもなっている成分です。
特に、血管や脂質代謝、炎症に関係する研究が行われています。
ヘスペリジンと血管の健康
ヘスペリジンは、柑橘類に含まれる植物由来のフラボノイドです。
基礎研究では、抗酸化作用などの生理活性が調べられており、血管に関係する健康研究でも取り上げられています。
2024年に『Current Developments in Nutrition』に掲載されたメタ解析では、ヘスペリジンの抽出物や精製成分を用いた12件のランダム化比較試験、合計589人のデータが分析されました。
その結果、LDLコレステロールや総コレステロールなど、一部の心血管リスク指標に改善が認められたと報告されています。
ただし、これはヘスペリジンの抽出物や精製成分を用いた研究です。
通常の食事でみかんを食べることによって、同じ効果が得られると証明されたわけではありません。
また、研究によって結果に違いがあるため、健康効果を過度に期待するのは適切ではありません。
みかんの白い筋は生活習慣病の予防になる?
ヘスペリジンの研究結果から、みかんの白い筋を食べることで生活習慣病を予防できると断定することはできません。
栄養成分の研究と、実際に食品を食べた人の健康状態に関する研究は区別する必要があります。
特に、抽出成分を一定量摂取する臨床試験と、一般的な食事としてみかんを食べることでは、摂取量や体内での利用のされ方が異なります。
みかんはビタミンCや食物繊維なども含む果物です。
白い筋を食べることは、栄養を無駄にしない食習慣として合理的ですが、薬や治療の代わりになるものではありません。
白い筋の健康効果を考えるときの判断基準
情報を見極める際は、次の3点を意識するとよいでしょう。
1. 成分が含まれていることと病気を予防できることは別。 ヘスペリジンの存在だけで健康効果を断定しない。
2. サプリメントの研究結果を食品にそのまま当てはめない。 摂取量や成分の形が異なる。
3. 日々の食事全体で考える。 みかんだけに健康維持を期待せず、さまざまな食品を組み合わせる。
白い筋を食べる価値はありますが、特別な健康食品のように考える必要はありません。
【プロの結論】みかんの白い部分を無理なく食べるおすすめの方法
みかんの白い筋は、栄養を含む自然な組織です。
そのため、基本的には取り除かずに食べることをおすすめします。
とはいえ、食感が気になる人にとって、毎回すべての筋を食べることがストレスになってしまっては本末転倒です。
大切なのは、栄養と食べやすさのバランスです。
白い筋を残したまま食べる
最も簡単なのは、皮をむいて房をそのまま食べる方法です。
白い筋を一本ずつ取り除く必要がないため、手間もかかりません。
じょうのう膜も一緒に食べることで、果肉だけでは摂取できない食物繊維なども取り入れられます。
白い筋が苦手なら一部だけ取り除く
白い筋の食感が苦手な人は、目立つ部分だけを取り除く方法もあります。
すべてを完璧に取り除こうとする必要はありません。
食べやすさを優先しながら、残せる部分は残すという考え方で十分です。
ヨーグルトやサラダと組み合わせる
みかんの房をヨーグルトに加えると、白い筋の食感が気になりにくくなる場合があります。
サラダに加えれば、酸味と甘味を料理に取り入れることもできます。
白い筋を取り除かずに食べる習慣を作りたい人は、こうした食べ方もおすすめです。
どんな人におすすめ?無理に食べなくてもよい人は?
白い筋を残して食べる方法は、次のような人に向いています。
- 食物繊維を含む食品を日々の食事に取り入れたい人
- みかんの食べられる部分を無駄にしたくない人
- 房の薄皮を含めて食べることに抵抗がない人
- 皮むきの手間を少なくしたい人
一方、口当たりを重視する人や、房の薄皮が苦手な人は、無理に残す必要はありません。
食べる人の好みや体調に合わせて調整しましょう。
最も大切なのは、白い筋を食べるかどうかよりも、みかんをおいしく継続して食べられることです。
【よくある質問】みかんの白い部分に関するFAQ
Q1:みかんの白い筋は食べても大丈夫ですか?
A1:はい。白い筋は水分や養分を運ぶ維管束という自然な組織で、食べられます。食物繊維やヘスペリジンも含まれているため、特別な理由がなければ取り除かずに食べても問題ありません。
Q2:みかんの白い筋を取ると栄養がなくなりますか?
A2:果肉にもビタミンCなどの栄養成分が含まれているため、白い筋を取っても栄養がなくなるわけではありません。ただし、維管束やじょうのう膜に含まれる食物繊維やヘスペリジンなどを一部取り除くことになります。
Q3:アルベドと維管束は同じものですか?
A3:厳密には異なります。アルベドは外皮の内側にある白い中果皮で、維管束は房の表面に網目状に広がる白い筋です。どちらも白く見えるため混同されやすいですが、別の組織です。
Q4:みかんの白い筋にはヘスペリジンが含まれていますか?
A4:はい。農林水産省の説明では、白い筋にヘスペリジンが含まれており、果肉よりも皮や筋、袋に多く含まれるとされています。ヘスペリジンは柑橘類に含まれるフラボノイドの一種です。
Q5:みかんの薄皮も食べたほうがよいですか?
A5:食べられるので、問題がなければ薄皮ごと食べても構いません。薄皮を含む房は、果肉だけを食べる場合より食物繊維の量が多くなります。食感が苦手な場合は取り除いても問題ありません。
Q6:みかんの白い部分には便通を整える働きがありますか?
A6:白い筋やじょうのう膜には食物繊維が含まれています。食物繊維は健康的な腸内環境や排便を支える栄養成分ですが、みかんの白い筋だけで便秘が解消すると保証されるわけではありません。
まとめ:みかんの白い部分は無理に取らず、おいしく食べよう
みかんの白い部分には、維管束・アルベド・じょうのう膜など、異なる組織が含まれています。
特に房の表面についている白い筋は、果実に水分や養分を届ける維管束です。植物が成長するために欠かせない通路であり、食物繊維やヘスペリジンも含まれています。
一方、皮の内側にある白いスポンジ状の部分はアルベドと呼ばれる中果皮です。両者は同じものではありません。
2026年現在、農林水産省の公開情報や文部科学省の食品成分データからも、白い部分を含めて食べることには栄養面での意味があると分かります。
ただし、白い筋を食べれば病気を予防できるというわけではなく、健康効果を過大評価しないことも大切です。
みかんの白い筋は、基本的に取らなくても大丈夫。
食感が気にならなければ房ごと食べ、苦手なら無理のない範囲で取り除く。そんな自然な食べ方が、みかんを長く楽しむための一番よい方法です。
主な根拠資料
- 農林水産省「みかんの皮をむくと白い筋があるが、これは何ですか。」(2026年度更新)
- 農林水産省「消費者の部屋通信」2021年12月号
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
- 日本ビタミン学会「ビタミンQ&A」
- Huangらによるヘスペリジンのランダム化比較試験のメタ解析(2024年公開) (出典: みかん の 白い 部分(Yahoo!ニュース))