【一目でわかる】きのこの山とたけのこの里の違いを徹底比較
最も大きな違いは、チョコレートを支える焼き菓子の種類と形状にある。きのこの山はクラッカー、たけのこの里はクッキーを採用しており、同じチョコレート菓子でも食べたときの印象が変わる。

きのこの山はクラッカーの香ばしさが特徴
きのこの山は、傘の部分にチョコレート、軸の部分にクラッカーを組み合わせたキノコ型のチョコスナックだ。
明治の商品紹介では、カカオが香るチョコレートと、サクサクとした香ばしいクラッカーのバランスが特徴として紹介されている。チョコレート部分とクラッカー部分を別々に味わえる形状も、商品の個性につながっている。
特に、チョコレートだけでなく焼き菓子の歯応えも楽しみたい人には魅力的な構造だ。軸を持って食べられるため、手がチョコレートで汚れにくいという実用的な利点もある。
たけのこの里はクッキーの口どけが特徴
一方、たけのこの里は、たけのこのような丸みのある形状にチョコレートとクッキーを組み合わせている。
明治の商品説明によると、サクサクとしたクッキーと、カカオの香りが引き立つチョコレート、まろやかなチョコレートの組み合わせが特徴だ。
クッキーとチョコレートが一体となった形状のため、ひと口ごとに複数の素材がまとまって感じられる。クッキーの口どけやチョコレートとの一体感を重視する人に向いている。
なお、どちらが硬い、どちらが甘いという単純な優劣はつけられない。焼き菓子の配合やチョコレートとのバランス、食べるときの温度によっても印象は変わる。
両商品の違いを一覧で整理
この比較から分かるのは、両商品の違いが単なる形の違いではないということだ。明治は、異なる焼き菓子を使うことで、それぞれに独立した食感と味わいを持たせている。
【誕生から50年以上】1975年と1979年に始まったブランドの歴史
きのこの山とたけのこの里は、最初から同時に開発された商品ではない。先に誕生したのはきのこの山であり、その4年後にたけのこの里が続いた。
きのこの山は1970年の試作から始まった
明治の公式ブランドヒストリーによると、きのこの山のアイデアが生まれたのは1970年。大阪工場で生産していたアポロチョコレートの設備を有効活用する方法を検討する中で、チョコレートと焼き菓子を組み合わせる発想が生まれた。
当初の試作品は、現在のように親しまれる形とは違い、社内でも評価が分かれたという。当時は板チョコレートやチョコバーが主流で、キノコのような形をしたチョコスナックは珍しい存在だった。
そこから試作を重ね、最終的にクラッカーを軸に採用。発売まで約5年をかけ、1975年にきのこの山が誕生した。
1979年、たけのこの里が登場
きのこの山の発売から4年後、1979年にたけのこの里が発売された。
開発のポイントはクッキー生地の焼き方。きのこの山とは異なる焼き菓子を使うことで、もう一つの食感を持つチョコスナックとして商品化された。
この時点で、両商品は単なる色違いや形違いではなく、食感そのものが異なる姉妹ブランドとなった。消費者が好みを比較しやすい構造が、後の論争につながる土台になった。
1980年代から広がった「きのこ・たけのこ論争」
きのこ派とたけのこ派の対立は、明治が最初から仕掛けた宣伝企画ではなかった。
ITmediaが明治の担当者に取材した記事では、1986年に両商品を詰め合わせたアソートタイプが登場した頃、消費者の間で「どちらが好きか」という風潮が次第に広がったと説明されている。
明治のブランドヒストリーでも、1980年頃から論争が始まったと紹介されている。つまり、商品への愛着から自然発生的に広がった消費者文化が、後に公式キャンペーンへ発展したのである。
【きのこたけのこ論争の歴史】総選挙からAI判定までの転換点
この論争が全国的な話題になった大きな理由は、明治自身が選挙や調査を通じて、消費者が参加できる企画へと発展させたことにある。
単なる人気投票ではなく、党やマニフェスト、党首まで登場させたことで、商品選びそのものがエンターテインメントになった。
2001年から2019年までの国民総選挙
最初の公式総選挙は2001年。きのこ党とたけのこ党が対決し、たけのこ党が勝利した。翌2002年には、きのこ党の復活を目指す100万人党員募集キャンペーンも実施されている。
大きな盛り上がりを見せたのが2018年の国民総選挙だ。きのこ党、たけのこ党に加え、両方を支持する「どっちも党」も参加。約38年間続く論争に決着をつける企画として展開された。
最終結果は、たけのこ党が693万1220票を獲得し、きのこ党に16万9447票差で勝利。たけのこ党は公約として掲げた企画を実現した。
ところが、翌2019年には再選挙が開催される。新きのこ党の党首には松本潤さん、新たけのこ党の党首には美輪明宏さんが就任。最終的に新きのこ党が602万1986票、新たけのこ党が456万5799票を獲得し、きのこ派が初めて勝利した。
この結果を受けて両党は健闘をたたえ、ノーサイド協定を締結した。
2020年の国民大調査では違う結果に
2020年には、従来の勝ち負けを決める方式から、愛着の深さを調べる「国民大調査」へと企画が変化した。
明治の発表では、47都道府県すべてで、たけのこの里への愛の量がきのこの山を上回ったという中間結果が紹介された。
ここで注目したいのは、2019年の総選挙ではきのこの山が勝利したにもかかわらず、2020年の調査ではたけのこの里が全都道府県で上回ったことだ。調査方法や参加条件が異なれば、結果も変わる。どちらか一方が常に優勢というわけではない。
主要な出来事を時系列で整理
この歴史から読み取れるのは、明治が論争を単に終わらせるのではなく、消費者参加型の企画として継続的に活用してきたことだ。対立を楽しむ文化が、ブランドの認知度や話題性を支えてきた。
【約50万人のAI調査】きのこ派52.4%・たけのこ派43.1%の真相
2026年の論争を語るうえで外せないのが、AI判定サービス「KINOTAKE MOTHER」だ。
きのこの山発売50周年を迎えた2025年、明治は「どっち派は、変わる。」というコンセプトを掲げ、従来の投票とは異なるAIによる判定企画を開始した。
KINOTAKE MOTHERとは何か
KINOTAKE MOTHERは、顔写真を使って、きのこの山派かたけのこの里派かという潜在的な嗜好を判定するAIサービスだ。
明治の発表によると、開発には社員数百人規模の調査や嗜好データを活用。約167万パターン以上の「どっち派データ」を構築し、2025年8月にサービスを公開した。
従来の総選挙が本人の投票によって好みを表明する仕組みだったのに対し、こちらは顔写真を入力して判定を楽しむ仕組みである。参加者にとっては、自分がどちらの派閥に分類されるのかを楽しむ新しいブランド体験となった。
約50万人の判定結果は?
きのこ派
たけのこ派
どっちも派
結果は、きのこ派52.4%、たけのこ派43.1%、どっちも派4.4%だった。
きのこ派が約9.3ポイント上回ったものの、たけのこ派も4割以上を占めている。両者の支持が大きく分かれ、どちらか一方が圧倒的に優勢という結果ではなかった。
ただし、この数字は全国民を対象とした無作為抽出の世論調査や、実際の購入者比率ではない。AIサービスに参加して判定された約50万人の結果であり、AIによる分類結果と実際の消費者全体の好みは区別する必要がある。
それでも、参加者が約50万人に達したことは、両ブランドの話題性と参加型企画への関心を示す数字だ。
たけのこの里のほうが売れているという説は本当?
過去の購買データを見ると、興味深い結果もある。
ITmediaが2023年に紹介した購買商品ランキングでは、Tポイント提携先の購買データを使ったチョコレート商品のランキングで、たけのこの里が6位、きのこの山が18位だった。調査対象は15~69歳で、購買データの対象期間は2021年11月から2022年10月までとなっている。
また、2020年の国民大調査でも、47都道府県すべてでたけのこの里への愛の量が上回ったと明治が発表している。
一方、2019年の公式総選挙ではきのこの山が勝利し、2026年のAI判定でもきのこ派が上回った。これらは調査対象や判定方法が違うため、単純に一つの順位に統合できない。
つまり、たけのこの里が購買ランキングで優位だった時期がある一方、きのこの山にも根強い支持がある。人気の実態を正しく理解するには、投票数、購買データ、AI判定を別々に見る必要がある。
【2026年最新】きたきたのこのこの山里とみんなのブラックが登場
2026年の大きな動きは、AI判定を商品開発につなげたことだ。明治は、きのこ派とたけのこ派のどちらかを選ぶのではなく、両方を一つにまとめる商品を発売した。
4月14日発売「きたきたのこのこの山里」
2026年4月7日の明治の公式発表で明らかになったのが、「AI発案 合体しちゃった!きたきたのこのこの山里」だ。
発売日は2026年4月14日。全国のコンビニエンスストアと駅売店で販売され、内容量は48g、価格はオープンプライスとなっている。
開発のきっかけは、KINOTAKE MOTHERの判定結果で約4%存在すると分かった「どっちも派」だった。どちらかを選ぶことを前提にしてきた論争に対し、両方の味を楽しみたい人に向けた商品を開発するという発想が生まれた。
商品は、きのこの山のカリッとしたクラッカーと、たけのこの里のサクッとしたクッキーを砕き、ミルク風味のチョコレートと小麦パフを加えてバー状に成型。最後にビターチョコレートでコーティングしている。
つまり、二つの商品をそのまま隣り合わせにしたアソートではなく、両方の焼き菓子を一つのチョコスナックに融合させたものだ。ザクザクとした食感と、ミルク風味・ビターの2種類のチョコレートが特徴となっている。
パッケージもAIが考案した未来のきのこの山とたけのこの里の世界をテーマにデザインされた。
10月13日発売「きのこの山とたけのこの里みんなのブラック」
2026年10月には、もう一つの注目商品が登場した。
明治が10月6日に発表した「きのこの山とたけのこの里みんなのブラック」は、10月13日発売の新商品。8袋入り92gで、価格はオープンプライス。コンビニエンスストアと駅売店を除く全国で販売されている。
最大の特徴は、甘すぎず苦すぎない味わいを目指したことだ。ビターチョコレートの需要が広がる市場環境を受け、従来のミルクチョコレートやいちごフレーバーに加え、ブラック味を新たな選択肢として投入した。
さらに注目したいのが、きのこの山とたけのこの里で異なるカカオをブレンドしている点だ。
- きのこの山:ガーナ産カカオをベースに、フルーティーなドミニカ産カカオをブレンド。
- たけのこの里:ガーナ産カカオをベースに、ナッティーなベネズエラ産カカオをブレンド。
同じブラックというテーマでも、それぞれに異なる風味を持たせている。両商品を同じ袋で楽しみながら、カカオの違いまで比較できる設計だ。
明治の発表では、2025年のビターチョコレート市場のシェアは2013年と比べて約2.4倍に拡大したという。この市場変化も、新商品投入の背景にある。
2026年の商品展開から見える明治の商品開発戦略
今回の2商品には、異なる開発アプローチが見られる。
「きたきたのこのこの山里」は、消費者の嗜好をAIで分析し、従来のブランドの境界を取り払う発想から生まれた。一方、「みんなのブラック」は、ビターチョコレート市場の成長を背景に、既存ブランドの味の選択肢を増やす商品だ。
両方に共通するのは、きのこの山とたけのこの里を別々のブランドとして守るだけでなく、一つのシリーズとして楽しめる可能性を広げていることだ。
実際、2025年の発売50周年施策について食品新聞が報じた内容では、両ブランド合算の出荷金額が前年を大きく上回ったとされる。明治の担当者は、チョコスナック市場の伸長や50周年施策による話題化を好調の背景として説明している。
これは、長寿ブランドが単に昔からのファンに支えられているだけではなく、周年企画や新しい体験を通じて購買機会を広げていることを示す動きだ。
【プロの結論】きのこ派とたけのこ派、選ぶならどっち?
両商品の違いを理解したうえで、どちらを選ぶかは、焼き菓子の食感とチョコレートの組み合わせに対する好みで判断するのが分かりやすい。
きのこの山がおすすめの人
きのこの山が向いているのは、次のような好みを持つ人だ。
- クラッカーの香ばしさを楽しみたい。
- チョコレートと焼き菓子を別々の感覚で味わいたい。
- カリッとした歯応えが好き。
- 軸を持って少しずつ食べたい。
チョコレートの濃厚さだけでなく、クラッカーの存在感を重視する人には、きのこの山が選びやすい。
たけのこの里がおすすめの人
たけのこの里は、次のような好みに合いやすい。
- クッキーのサクサクした食感が好き。
- チョコレートと焼き菓子の一体感を楽しみたい。
- 口どけのよい焼き菓子を好む。
- ひと口でまとまった味わいを楽しみたい。
クッキーの風味やチョコレートとの組み合わせを重視するなら、たけのこの里が候補になる。
どちらかを選べない人にはアソートもおすすめ
実際には、きのこの山とたけのこの里を常にどちらか一方だけ購入する必要はない。明治には両方を詰め合わせた商品もあり、2026年のラインアップにも8袋入りや宇治抹茶・西尾抹茶を組み合わせた商品などが掲載されている。
さらに、2026年には合体商品も登場した。従来の派閥論争を楽しみつつ、両方の味を選ぶという楽しみ方も定着しつつある。
特に初めて食べ比べる場合は、同じタイミングで両方を食べ、クラッカーとクッキーの違いを比較するのがおすすめだ。
【よくある質問】きのこの山とたけのこの里に関するFAQ
Q1:きのこの山とたけのこの里はどちらが先に発売された?
A1:きのこの山が1975年、たけのこの里が1979年。きのこの山が4年先に発売された。
Q2:きのこの山とたけのこの里の一番大きな違いは?
A2:焼き菓子の種類だ。きのこの山はクラッカー、たけのこの里はクッキーを使用しており、食感やチョコレートとの一体感が異なる。
Q3:きのこ派とたけのこ派はどちらが多い?
A3:2026年3月時点のKINOTAKE MOTHERの約50万人の判定では、きのこ派が52.4%、たけのこ派が43.1%、どっちも派が4.4%だった。ただし、全国民を対象にした無作為抽出の世論調査ではない。
Q4:きたきたのこのこの山里はいつ発売された?
A4:2026年4月14日。きのこの山のクラッカーとたけのこの里のクッキーを砕き、チョコレートや小麦パフと組み合わせた合体商品だ。
Q5:きのこの山とたけのこの里みんなのブラックはどこで買える?
A5:2026年10月13日から、コンビニエンスストアと駅売店を除く全国で発売されている。8袋入り92gで、価格はオープンプライスだ。
Q6:きのこの山とたけのこの里の論争はいつ始まった?
A6:明治の公式ブランド情報では1980年頃から始まったとされる。消費者の間で広がった好みの対立が、2001年の公式総選挙などを通じて全国的な話題になった。
まとめ:きのこの山とたけのこの里は違いを楽しむ時代へ
きのこの山とたけのこの里は、1975年と1979年に誕生した明治のロングセラーブランドだ。クラッカーを使ったきのこの山と、クッキーを使ったたけのこの里という基本的な違いが、それぞれのファンを生み出してきた。
2001年から続く公式総選挙や2020年の国民大調査、2025年に登場したKINOTAKE MOTHERなど、明治は長年にわたって消費者が参加できる企画を展開している。
そして2026年は、AI判定から生まれた「きたきたのこのこの山里」と、新しいカカオの組み合わせを楽しめる「みんなのブラック」が登場した。どちらが勝つかを競うだけでなく、両方の魅力を一緒に楽しむ方向へブランドの可能性が広がっている。
約半世紀にわたって愛されてきた両商品は、単なるチョコレート菓子ではなく、世代を超えて会話を生み出す存在でもある。クラッカーの香ばしさを選ぶか、クッキーの口どけを選ぶか。あるいは両方を楽しむか。自分の好みに合わせて選ぶことこそ、この論争の一番楽しいところだ。 (出典: きのこ の 里 たけのこ の 山(Yahoo!ニュース))