中国人の生活保護は何人?2026年最新統計と受給条件、5年間で2倍説の真相を徹底解説
「中国人の生活保護受給者が5年間で2倍になった」という情報は本当なのか。中国籍の人は日本の生活保護を受けられるのか。こうした疑問を解くには、厚生労働省が公表する被保護者調査と、外国人への生活保護に関する法律・行政上の取り扱いを分けて確認する必要がある。
2026年11月現在、厚生労働省の公表資料では、2025年7月末時点の中国籍世帯主による被保護世帯は6,338世帯(速報値)。また、中国籍世帯主の世帯に属する被保護人員数について、厚労省は2018年度の9,059人に対し、2023年度は9,471人だったと説明している。5年間で2倍という情報とは大きく異なる。外国人への保護は生活保護法上の受給権ではなく、一定の在留資格を持つ人に対する行政措置として行われている点も見逃せない。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 中国籍世帯の最新統計:2025年7月末の中国籍世帯主による被保護世帯数は6,338世帯(速報値)。
- 5年間で2倍説の真相:厚労省公表の人員数は2018年度9,059人、2023年度9,471人で、2倍にはなっていない。
- 受給できる条件:永住者・定住者など一定の在留資格が必要で、生活困窮や資産・収入などの審査も行われる。
【2026年最新統計】中国人の生活保護受給者は何人?公表数字の実態
中国人の生活保護受給者数を調べる際、最初に注意したいのが「中国籍の受給者数」と「中国籍の世帯主がいる被保護世帯の人員数」は同じ意味ではないという点だ。
厚生労働省の被保護者調査では、世帯主の国籍別に被保護世帯を集計している。したがって、中国籍の世帯主がいる世帯に日本人の配偶者や子どもが含まれている場合、その日本人も世帯人員に算入される。
2025年7月末時点の中国籍世帯は6,338世帯
政府統計の総合窓口e-Statに掲載された令和7年度被保護者調査の年次調査速報値によると、2025年7月末時点で、世帯主が中国籍の被保護世帯は6,338世帯だった。
比較できる過去の公表値を見ると、2024年7月末の確定値は6,269世帯、2023年7月末は6,188世帯、2018年7月末は5,405世帯となっている。
2018年から2025年にかけて増加していること自体は事実だが、世帯数が2倍になったわけではない。なお、2025年の数字は速報値であり、2024年以前の確定値とは集計上の確定状況が異なる。
中国籍世帯に属する人員数はどうなっているのか
人数については、厚生労働省が公表した「外国人の生活保護に関するよくあるご意見・ご質問」が重要な資料となる。
同資料では、世帯主が中国籍の被保護世帯に属する人員数について、2018年度は9,059人、2023年度は9,471人と公表している。
差は412人で、増加率に換算すると約4.5%となる。少なくとも、この公表値から5年間で2倍に急増したとは判断できない。
また、2026年11月時点で確認できる最新の中国籍世帯主別の速報値は2025年7月末の世帯数であり、これをそのまま中国籍の個人受給者数として扱うことはできない。
外国人全体の生活保護受給状況との比較
中国籍だけでなく、外国籍の世帯主を含む世帯全体を見ると、令和6年度の月平均は47,332世帯だった。その世帯に属する被保護人員数は64,993人である。
同じ年度の生活保護受給世帯総数は1,650,674世帯、被保護実人員数は2,008,061人だった。
厚生労働省が示す割合は、外国籍世帯主の被保護世帯が約2.9%、その世帯に属する人員が約3.2%となっている。
つまり、「生活保護受給世帯の3分の1が外国人」という情報も、厚生労働省の公表資料とは一致しない。

【5年間で2倍の真相】中国人の生活保護受給者が激増したという情報を検証
「中国人の生活保護受給者が5年間で2倍」という話が広がる背景には、統計の種類や対象者の定義が十分に区別されていない問題がある。
厚生労働省は、この疑問を直接取り上げたQ&Aを公表している。そこでは、中国籍世帯主の世帯に属する人員数を2018年度と2023年度で比較し、2倍になった事実はないと説明している。
数字を比較すると何が分かるのか
公表されている数字を整理すると、次のようになる。
- 2018年度:中国籍世帯主の世帯に属する人員数は9,059人。
- 2023年度:同じ集計区分では9,471人。
- 増加数:412人。
- 増加率:約4.5%。
この比較で重要なのは、単に人数が増えたかどうかではなく、どの国籍を対象に、どの時点で、何を数えているのかという点だ。
外国人全体の数字を中国人だけの数字に置き換えてはいけない
例えば、外国籍の世帯主がいる世帯に属する人員数は、2024年度の月平均で64,993人となっている。
しかし、この64,993人は中国人だけではない。韓国・朝鮮、フィリピン、ベトナム、ブラジルなど、複数の国籍の世帯主がいる世帯の人員を合わせた数字だ。
さらに、日本人の配偶者や子どもが外国籍世帯主の世帯に属していれば、その人たちも含まれる。
反対に、日本人が世帯主で、外国籍の配偶者や子どもが同じ世帯にいる場合、その外国籍の家族は外国籍世帯主の統計には計上されない。
統計上の増加と制度の利用拡大は別問題
仮に中国籍世帯主の被保護世帯数が増加したとしても、それだけで外国人への生活保護制度が優遇された、審査が緩くなった、あるいは不正受給が増えたと結論づけることはできない。
受給世帯の増減には、世帯構成、年齢、病気や障害、雇用環境、所得、居住状況など、複数の要因が関係する。
厚生労働省は外国人を優先して保護しているという指摘についても否定しており、資産や能力などを最低限度の生活の維持に活用するという基本的な取り扱いは、日本人と外国人で変わらないとしている。
【中国人の生活保護受給条件】永住者・定住者なら認められるのか
中国籍の人が日本で生活保護に準じた保護を受けられるかどうかは、国籍だけでは決まらない。大きな判断要素となるのが、現在の在留資格と実際の生活状況である。
対象となる主な在留資格
厚生労働省の「生活保護における外国人の取扱いについて」では、適法に日本に滞在し、国内での活動に制限を受けない永住・定住等の在留資格を持つ外国人について、人道上の観点から行政措置として保護を行うとしている。
主な対象は次のとおりだ。
- 永住者:日本での在留期間に制限がなく、活動にも制限がない在留資格。
- 定住者:法務大臣が個別の事情を考慮して認める在留資格。
- 日本人の配偶者等:日本人の配偶者や日本人の子として出生した者など。
- 永住者の配偶者等:永住者などの配偶者や一定の子ども。
- 特別永住者:特別永住者制度に基づく在留資格を持つ者。
- 認定難民:入管法上の認定を受けた難民。
このほか、特定活動の在留資格を持つ人でも、国内での活動に制限を受けないなどの事情によって対象となるケースがある。
留学生や一般的な就労ビザは対象になるのか
すべての外国人が生活保護に準じた保護を受けられるわけではない。
厚生労働省の2026年3月の主管課長会議資料では、対象となる外国人を、活動制限を受けない永住者・定住者等として整理している。
具体的には、次のような在留資格について、原則として生活保護法に準じた取り扱いの対象とならないことが示されている。
- 留学
- 技能実習
- 特定技能
- 技術・人文知識・国際業務
- 経営・管理
- 介護
- 技能
- 家族滞在
- 芸術
在留資格によって活動できる範囲が制限されている場合、日本人と同様に稼働能力を活用するという生活保護の基本原則との関係で、行政措置による保護の対象外と整理されるためだ。
ただし、特定活動などには個別の例外的な取り扱いもあるため、在留資格の名称だけで判断できない場合は福祉事務所への確認が必要になる。
在留資格以外に必要な生活保護の条件
対象となる在留資格を持っていても、それだけで生活保護が認められるわけではない。
生活保護制度の基本原則に沿って、本人と世帯の生活状況について調査が行われる。
- 資産の活用:預貯金や生活に利用していない資産など、活用できるものが確認される。
- 能力の活用:働くことが可能な場合には、その能力に応じて就労することが求められる。
- 他制度の活用:年金や各種社会保障制度など、利用できる給付が確認される。
- 収入の確認:世帯の収入と最低生活費を比較し、必要な保護の程度を判断する。
- 世帯状況の確認:家族構成、住居、健康状態、扶養関係などを調査する。
生活保護は、最低生活費に対して世帯の収入が不足する場合に、その不足分を補う仕組みである。したがって、収入があることだけで一律に対象外になるわけではなく、収入額や必要な生活費などを踏まえて判断される。
中国籍であることを理由に特別に審査が免除されることも、日本人より優先して保護されることもない。
【生活保護法第1条と外国人】昭和29年通知・2014年最高裁判決の関係
外国人の生活保護を理解するうえで、最も重要なのが生活保護法第1条と昭和29年の厚生省通知、そして2014年7月18日の最高裁判決である。
この3つは、それぞれ異なる役割を持っている。法律上の受給権と、行政上の措置として実施される保護を混同すると、制度の理解を誤ることになる。
生活保護法第1条は日本国民を対象としている
生活保護法第1条は、日本国憲法第25条の理念に基づき、生活に困窮する国民に必要な保護を行い、最低限度の生活を保障することを目的としている。
ここでいう「国民」は日本国民を意味する。このため、外国籍の人は生活保護法に基づく法的な受給権を持つ対象には含まれない。
ただし、外国人への生活保護に準じた保護が全面的に禁止されているという意味ではない。行政措置という別の仕組みが存在している。
昭和29年5月8日の外国人生活保護通知とは
1954年(昭和29年)5月8日、厚生省社会局長は各都道府県知事に対し、「生活に困窮する外国人に対する生活保護の措置について」という通知を出した。
これは社発第382号として知られる通知である。
通知では、外国人は生活保護法の適用対象ではないと整理したうえで、当分の間、生活に困窮する外国人に対して、日本人への生活保護の決定・実施に準じた取り扱いで、必要と認める保護を行うよう定めている。
つまり、外国人への保護は生活保護法そのものの適用ではなく、行政機関が通知に基づいて実施する行政措置という位置づけになっている。
2014年7月18日の最高裁判決で何が決まったのか
2014年7月18日、最高裁判所第二小法廷は、外国人に生活保護法に基づく受給権が認められるかを争った訴訟について判決を出した。
事件番号は平成24年(行ヒ)第45号で、永住者の在留資格を持つ外国人が生活保護申請の却下処分の取り消しなどを求めていた事案である。
最高裁は、生活保護法第1条と第2条の「国民」は日本国民を意味すると判断し、外国人は同法に基づく保護の対象には含まれないとの結論を示した。
ここで重要なのは、最高裁判決が外国人への行政措置そのものを否定したわけではないという点だ。
判決によって否定されたのは、外国人が生活保護法に基づく法的な受給権を持つという解釈である。昭和29年通知に基づく行政措置によって、一定の外国人に対して事実上の保護を実施する仕組みとは区別される。
【制度・統計の関係を一覧比較】中国人生活保護をめぐる重要な事実
中国籍の生活保護については、法律、行政通知、最高裁判決、厚生労働省の統計を時系列で整理すると、制度の全体像が見えやすくなる。
| 時期・資料 | 確認できる内容 | 制度上・統計上の意味 |
|---|---|---|
| 1950年 | 生活保護法制定 | 第1条で保護の対象を国民と規定 |
| 1954年5月8日 | 社発第382号通知 | 一定の外国人に行政措置として保護を実施 |
| 2014年7月18日 | 最高裁第二小法廷判決 | 外国人には生活保護法上の受給権がないと判断 |
| 2018年度 | 中国籍世帯主の世帯に属する人員数9,059人 | 5年間比較の基準となる公表値 |
| 2023年度 | 同人員数9,471人 | 2018年度から412人増。2倍説を否定 |
| 2024年度 | 外国籍世帯主の被保護世帯47,332世帯、人員64,993人 | 外国籍世帯主全体の月平均。中国籍だけの数字ではない |
| 2025年7月末 | 中国籍世帯主の被保護世帯6,338世帯 | 令和7年度年次調査の速報値 |
| 2026年8月 | 全国の被保護実人員1,965,132人 | 国籍を問わない全国の月次概数 |
| 2027年6月予定 | マイナンバーによる情報連携の活用 | 国籍・在留資格別の人数把握を可能にするための制度整備 |
この表から分かるのは、外国人への生活保護が法律上の受給権として認められているわけではない一方、行政措置による保護は長年実施されているということだ。
また、中国籍世帯の数字と外国籍世帯全体の数字、全国の受給者総数は、それぞれ集計対象も調査時点も異なる。これらを単純に合算したり、同じ意味の数字として比較したりすることは適切ではない。

【2026年最新の実態】外国人生活保護の総数と統計把握の課題
2026年11月現在、生活保護全体の最新動向については、厚生労働省が11月4日に公表した令和8年8月分の被保護者調査概数が確認できる。
同調査によると、2026年8月の被保護実人員数は1,965,132人、被保護実世帯数は1,641,451世帯だった。前年同月と比較すると、人員数は20,588人減少し、世帯数は3,672世帯減少している。
ただし、この数字は日本人と外国人を合わせた全国総数であり、中国籍の受給状況を直接示すものではない。
なぜ外国籍の受給者数を正確に把握しにくいのか
現在の被保護者調査には、国籍別の集計と月次の受給状況を把握する統計があるものの、外国人個人だけを完全に切り出した受給者数や在留資格別の人数には把握上の制約がある。
特に、外国籍世帯主の世帯に日本人の家族が含まれる場合と、日本人世帯主の世帯に外国人の家族が含まれる場合の両方が存在する。
そのため、世帯主の国籍を基準とする現在の統計だけでは、実際に生活保護に準じた保護を受けている外国籍の個人を完全には把握できない。
2027年6月から国籍・在留資格の把握を進める計画
2026年8月5日に開催された生活保護システム等標準化検討会の事務局資料では、在留資格別の外国籍人数の把握に向けた制度整備が示された。
具体的には、2027年6月から福祉事務所でマイナンバーによる情報連携を活用し、国籍や在留資格などの情報を取得できるよう、システムの標準仕様を改定する予定となっている。
これは、外国人の受給状況をより正確に把握するための取り組みであり、それ自体が外国人の受給資格を拡大したり、生活保護法第1条を改正したりするものではない。
今後は、国籍別の世帯数だけでなく、在留資格別の状況をどこまで把握できるようになるかが、制度の透明性を考えるうえで重要なポイントになる。
【プロの結論】中国人の生活保護問題で本当に確認すべき3つの判断基準
中国人の生活保護をめぐる議論では、数字の大きさだけが先行し、法律上の位置づけや統計の定義が十分に理解されないことがある。
公表資料から読み取れる重要な判断基準は、次の3点だ。
1.中国籍という理由だけで受給資格は決まらない
中国籍の人であっても、永住者や定住者など、行政措置の対象となる在留資格を持ち、生活困窮などの要件を満たす場合には、生活保護に準じた保護を受けられる可能性がある。
一方、留学生や一般的な就労資格を持つ外国人が、外国籍という理由だけで同じ取り扱いを受けられるわけではない。
2.受給者数を比較するときは統計の定義を確認する
「中国人の受給者数」という表現が、個人の国籍を直接集計した数字なのか、中国籍世帯主の世帯に属する人員数なのかを確認することが欠かせない。
2018年度と2023年度の比較で2倍説が成立しないことは、厚生労働省のQ&Aから明確に読み取れる。
3.最高裁判決と行政措置を混同しない
外国人には生活保護法上の受給権がないという最高裁の判断と、一定の外国人に行政措置として保護を実施している現在の運用は、両立する。
この違いを理解すれば、「外国人は全員生活保護を受けられる」「外国人は一切保護されない」という両極端な説明が、どちらも制度の実態を正確に表していないことが分かる。
生活保護制度への信頼を保つために必要なのは、国籍による感情的な比較ではなく、適用範囲、審査基準、支給実績、統計の透明性をそれぞれ検証することだ。
中国人の生活保護に関するよくある質問(FAQ)
Q1:中国人は日本で生活保護を受けられますか?
A1:一定の条件を満たせば、行政措置として生活保護法に準じた保護を受けられる場合がある。主な対象は永住者、定住者、日本人の配偶者等、永住者の配偶者等、特別永住者、認定難民など。中国籍であることだけでは受給資格は決まらない。
Q2:中国人の生活保護受給者は5年間で2倍になったのですか?
A2:厚生労働省の公表資料によると、2018年度の9,059人に対し、2023年度は9,471人だった。増加は412人であり、2倍になったという事実は確認されていない。
Q3:2026年現在、中国籍の生活保護世帯は何世帯ですか?
A3:2026年11月時点で確認できる最新の国籍別速報値は、2025年7月末の6,338世帯。これは中国籍の世帯主がいる被保護世帯数であり、中国籍の個人受給者数そのものではない。
Q4:外国人の生活保護は日本人より優遇されているのですか?
A4:厚生労働省は外国人を優先しているという事実を否定している。資産、能力、収入などを確認し、最低生活費に対する不足を判断する基本的な取り扱いは日本人と同様である。
Q5:2014年の最高裁判決で外国人の生活保護は禁止されたのですか?
A5:禁止されたわけではない。最高裁が判断したのは外国人に生活保護法上の受給権があるかどうかであり、行政措置として一定の外国人に保護を行う仕組みそのものを否定したわけではない。
Q6:留学生や技能実習生も生活保護を受けられますか?
A6:原則として、留学や技能実習などの在留資格は生活保護法に準じた行政措置の対象とされていない。対象となるかどうかは在留資格や個別の事情によって確認する必要がある。
まとめ:中国人の生活保護は数字と制度を分けて理解することが重要
2026年11月現在、中国籍世帯主の被保護世帯数について確認できる最新の速報値は、2025年7月末の6,338世帯である。また、厚生労働省が示した中国籍世帯主の世帯に属する人員数は、2018年度9,059人、2023年度9,471人であり、「5年間で2倍」という情報は事実と異なる。
制度面では、生活保護法第1条が日本国民を対象としている一方、1954年の社発第382号通知に基づき、永住者や定住者など一定の外国人には行政措置として保護が実施されている。2014年7月18日の最高裁判決も、法律上の受給権と行政措置による保護を区別している。
さらに、2027年6月からは国籍・在留資格別の人数把握に向けた情報連携の整備が予定されている。今後の議論では、個人の国籍、世帯主の国籍、世帯人員、在留資格を明確に区別した統計が求められる。
中国人の生活保護問題を正しく理解するには、センセーショナルな数字だけで判断せず、厚生労働省の被保護者調査、生活保護法、昭和29年通知、最高裁判決という4つの公的資料を照らし合わせることが大切だ。
主な公的資料・確認先
(出典: 中国 人 生活 保護(Yahoo!ニュース))