「マタニティマーク嫌がらせ事件」の真相は?2026年の実態・調査・対策を徹底解説
「マタニティマークを付けて電車に乗ったら舌打ちされた」「席を譲ってもらおうとしたら暴言を浴びせられた」――。妊娠中であることを周囲に知らせるためのマークが、なぜ嫌がらせやトラブルのきっかけになってしまうのか。こうした体験談は、2014年ごろから報道や妊婦アンケートを通じて社会に知られるようになった。
「マタニティマーク嫌がらせ事件」という言葉で検索される問題は、実際には一つの事件だけを指すものではない。電車内での暴言や座席の横取り、妊婦への身体的な暴力、さらには職場でのマタニティハラスメント(マタハラ)など、複数の出来事や社会問題が重なっている。2020年には札幌市で妊娠中の女性が腹部を蹴られ、男性が逮捕された事件も報じられたが、この事件についてはマタニティマークが直接の原因だったという事実は確認できない。
2026年現在、マタニティマークは誕生20周年を迎え、こども家庭庁による普及啓発も続いている。一方、過去の調査では、嫌がらせへの不安からマークを外したり、最初から使用しなかったりする妊婦の存在も明らかになっている。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 事件の正体:「マタニティマーク嫌がらせ事件」は単一の事件名ではなく、電車内の嫌がらせや妊婦への暴力など複数の問題を指す検索上の呼称。
- 調査結果:2015年のカラダノート調査では、回答した妊婦の4%が実際に嫌がらせを受けた経験を報告している。
- マークを外す理由:嫌がらせへの恐怖だけでなく、周囲への遠慮や妊娠を知られたくない事情もある。
- 2026年の状況:マタニティマークはこども家庭庁の関連事業として普及啓発が続き、2026年3月に誕生20周年を迎えた。
- 相談先:職場のマタハラは都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)、公共交通機関での暴力や危険行為は駅員や警察に相談できる。
【事件の真相】マタニティマーク嫌がらせ事件とは何を指すのか?
まず整理しておきたいのは、「マタニティマーク嫌がらせ事件」という名称で、特定の一件が公式に認定されているわけではないという点だ。
この言葉は、マタニティマークを身につけた妊婦が受けた暴言、座席をめぐるトラブル、身体的な嫌がらせなどをまとめて検索する際に使われている。報道された個別事案と、アンケートに寄せられた体験談、SNS上の投稿は、それぞれ証拠の性質が異なる。
2014年から表面化した妊婦への嫌がらせ問題
2014年3月、株式会社プラスアールが運営するカラダノートの妊婦向け調査で、マタニティマークを付けていて困った経験がある人の割合は9.3%と公表された。
自由回答には、電車内で睨まれた、舌打ちされた、わざとタバコの煙を向けられた、身体をぶつけられたといった体験が寄せられている。
同調査では、マタニティマークを外すことがあると答えた人も33.1%に達した。妊娠を知らせるためのマークを、嫌がらせへの不安から自ら外すという矛盾した状況が浮かび上がった。
2020年には札幌市で妊婦の腹部を蹴った暴行事件も発生
妊婦への身体的な暴力が報じられた事例として、2020年の札幌市中央区の事件がある。
2020年4月、札幌市中央区の歩道で、当時妊娠7か月だった20代女性が、男性から腹部を蹴られた。女性は子ども2人と歩いており、男性から道をふさいでいるとして声をかけられた後、暴行を受けたと報じられている。
男性は同年6月23日、暴行の疑いで逮捕された。報道によると、女性にけがはなく、胎児にも影響は確認されていなかった。
ただし、この事件は妊婦に対する暴行事件であり、マタニティマークを着用していたことが犯行の原因だったと確認されたものではない。マークへの嫌がらせと、妊婦を狙った暴力という二つの問題を混同してはならない。
つまり、検索される「事件の真相」は、単一の事件を探すよりも、複数の報道や調査を時系列で整理することで理解できる。

【電車内の実態】暴言・舌打ち・優先席をめぐる嫌がらせ
マタニティマークに関する嫌がらせの体験談で目立つのが、電車やバスなどの公共交通機関で発生するトラブルだ。
特に問題になるのは、妊娠初期の体調不良が外見から分かりにくいことと、座席を譲る行為をめぐって周囲との摩擦が生まれることだ。
カラダノート調査に寄せられた具体的な体験談
2015年12月8日に公表された「マタニティマークに関する調査2015」では、855人の妊婦が回答した。
実際に嫌がらせを受けた経験があると答えた人は4%。その自由回答には、次のような内容が含まれていた。
「マタニティマークをちら見されて舌打ちされた」
「マタニティマークを付けているからって席を譲ってもらえると思うなよ!」
「妊娠は病気ではない、退きなさい」と言われた。
これらは調査回答者から寄せられた体験談であり、個別の発言について第三者による確認が行われたという意味ではない。しかし、妊婦がどのような場面で心理的な負担を感じているかを示す資料にはなる。
2020年に報じられた座席の横取りと暴言
2020年1月、Business Insider Japanでは、キャリアプロデューサーの境野今日子氏による電車内での体験が掲載された。
記事によると、混雑した電車内で、座っていた女性がマタニティマークに気づき、境野氏に席を譲ろうとした。ところが、二人が席を交代しようとした瞬間、別の男性が割り込んで座り、境野氏に対して威圧的な言葉を投げかけたという。
「なんか文句あんのかよ」
境野氏は当時、つわりによる吐き気や貧血に悩まされていた。記事では、席を譲ろうとした女性まで謝罪する状況になったことへのつらさも記されている。
この事例が示すのは、単に座席を譲らなかったという問題ではない。妊婦に席を譲ろうとする人の善意まで、威圧的な態度によって妨げられてしまうという構造だ。
優先席は妊婦だけの座席なのか?
優先席は、妊娠中の人だけでなく、高齢者、障害のある人、けがをしている人、乳幼児を連れた人など、座席を必要とする人が利用するためのものだ。
JR東日本などの鉄道事業者も、妊娠中の人を優先席の対象として案内している。
ここで注意したいのは、マタニティマークが「席を譲るよう他人に命令するための道具」ではないことだ。周囲が妊婦の存在に気づき、必要な配慮をしやすくするための表示である。
妊婦が優先席を利用することを、外見や個人的な価値観だけで否定するのは適切ではない。妊娠初期には、つわりや立ちくらみなど、外からは分からない体調不良が起こることもある。
【調査で検証】2015年カラダノート調査と千葉県妊産婦実態調査
マタニティマークへの嫌がらせを考えるうえで重要なのが、妊婦を対象とした過去のアンケートだ。
特に注目したいのは、2014年・2015年のカラダノート調査と、2020年度に千葉県が実施した「健やか親子21実態調査」である。調査主体も対象者も異なるため、単純に数字を並べて全国の増減を判断することはできないが、妊婦が抱える不安の背景を理解する材料になる。
主な調査結果の比較
| 調査・時期 | 主な結果 | 読み取れること |
|---|---|---|
| カラダノート2014年 | 1,452人が回答。困った経験9.3%、マークを外すことがある人33.1% | 嫌がらせへの不安や使用への抵抗感が表面化 |
| カラダノート2015年 | 855人が回答。実際の嫌がらせ経験4%、公共交通機関で席を譲られなかった人68% | マークを着用しても十分な配慮を受けられない状況 |
| 千葉県・令和2年度 | 1,228人が回答。マークの認知率99.5% | マーク自体の認知は非常に高い |
| 千葉県・令和2年度 | 未使用者158人のうち、32.3%が嫌がらせのうわさへの恐怖を理由に回答 | 実際の被害だけでなく、うわさも使用を妨げる要因 |
| 2026年 | マタニティマーク誕生20周年 | 普及啓発と妊産婦への配慮を継続する段階 |
カラダノート2015年調査で分かった4%という数字
2015年の調査は、2015年10月28日から11月11日までインターネットで実施され、カラダノートの妊娠・育児関連アプリ利用者855人が回答した。
主な結果は次のとおりだ。
- マタニティマークを付けて良かった経験がある人:34%
- 電車やバスで席を譲ってもらった経験がない人:68%
- マークを特定の場所または常に外した経験がある人:約3割
- 実際に嫌がらせを受けた経験がある人:4%
さらに、マークを外した経験がある人のうち、40%に当たる112人が電車内、34%に当たる95人が職場で外したと回答した。
電車内で外す理由には、嫌がらせを受けた妊婦がいるという話を聞いたことが挙げられた。一方、職場では、まだ妊娠を報告していないことや、周囲に気を使わせたくないという事情が見られた。
ここで重要なのは、4%という数字が2015年の特定の調査対象者における割合だということだ。日本全国の妊婦の4%だけが被害に遭っている、あるいは残り96%には問題がないという意味ではない。
千葉県の公式調査が示した意外な結果
千葉県は2020年9月1日から10月31日まで、「令和2年度健やか親子21実態調査」を実施した。
対象は、県内43市町村に住み、1歳6か月児または3歳児の健康診査を受診する子どもの母親3,631人。実際の回答者は1,228人で、回答率は33.8%だった。
調査結果では、マタニティマークを知っている人は99.5%。認知度そのものは非常に高い。
一方、マークを知っている人のうち使用経験がないと回答した人に理由を尋ねたところ、次のような結果になった。
- 32.3%:嫌がらせを受けるなどのうわさを聞いて怖かった。
- 31.0%:「席を譲ってください」と訴えているようで抵抗があった。
- 20.3%:公共交通機関を利用しなかった。
- 3.8%:マークを持っていなかった。
この設問の対象者は、マタニティマークを使用したことがない158人である。32.3%という数字は、妊婦全体の割合ではない。
また、マークを使用した経験がある人のうち、効果を感じた人は72.6%だった。
つまり、マタニティマークは周囲の配慮につながる一方、嫌がらせへの不安や「妊婦だから優遇を求めていると思われるのではないか」という心理的な抵抗も生んでいる。
認知度が高いことと、妊婦が安心してマークを使用できることは、必ずしも同じではない。この点が調査から見えてくる大きな課題だ。

【着けない理由】マタニティマークを外す妊婦がいるのはなぜ?
マタニティマークを付けない妊婦に対して、「必要なのだから付けるべきだ」と考える人もいるかもしれない。しかし、実際には着用しないことにも複数の理由がある。
理由1:嫌がらせを受けるのが怖い
最も深刻なのは、マークを見た他人から暴言や身体的な嫌がらせを受けるのではないかという恐怖だ。
2014年の調査では、嫌がらせを受けたという話を聞いたことが理由で、公共交通機関を利用するときにマークを外すという回答も寄せられた。
実際に自分が被害を受けていなくても、他人の体験談や報道を見聞きすることで、着用そのものに不安を感じることがある。
理由2:妊娠を周囲に知られたくない
妊娠初期は、家族や職場にもまだ報告していない場合がある。
流産などの可能性も含め、妊娠について公表する時期を慎重に考える人は少なくない。職場の同僚や知人にマークを見られたくないという事情もある。
2015年のカラダノート調査でも、職場でマークを外す理由として、妊娠を報告していないことが挙げられている。
理由3:周囲に気を使わせたくない
千葉県の調査で、マークを使用しなかった理由の31.0%を占めたのが、席を譲ってほしいと主張しているようで抵抗があるという回答だった。
妊婦自身が周囲の人に負担をかけたくないと考え、マークを付けることに遠慮してしまうケースがある。
こども家庭庁の「妊婦さんの10の気持ち」でも、座席を譲らなければならないと思わせてしまうことへの申し訳なさや、妊娠をアピールしているように受け取られることへの不安が紹介されている。
マークを付けないことは間違いなのか
マタニティマークは、妊婦が安心して外出するための支援ツールであり、着用を強制するものではない。
付けることで周囲に妊娠を知らせやすくなり、緊急時にも役立つ。一方、着用によって心理的な負担や危険を感じるなら、本人の判断で使用方法を調整することも尊重されるべきだ。
マークを付けている人も、付けていない人も、妊娠中の体調や事情は外見だけでは判断できない。周囲の人が決めつけないことが大切になる。
【マタハラ問題】電車内だけではない職場での妊婦への嫌がらせ
マタニティマークへの嫌がらせと関連して考えたいのが、職場におけるマタニティハラスメント、いわゆるマタハラだ。
公共交通機関でのトラブルが見知らぬ人との間で起きるのに対し、マタハラは上司や同僚など、仕事上の関係者による言動が問題になる。
妊娠報告後の退職強要や嫌がらせ
厚生労働省は、妊娠・出産などを理由とした不利益な取り扱いを禁止している。
具体的には、妊娠や出産、産前産後休業、妊娠中の時差出勤や母性保護措置などを理由とする解雇、減給、降格といった取り扱いが法律上禁止されている。
また、上司や同僚による妊娠・出産に関する言動によって、働く人の就業環境が害されることも、妊娠・出産等に関するハラスメントとして問題になる。
厚生労働省が紹介する典型例には、妊娠を報告した際に早期退職を求められるケースや、妊婦健診のための休暇を取得しようとした際に否定的な対応をされるケースなどがある。
マークを外すことと職場のマタハラはつながっている
妊娠を公表していない人にとって、マタニティマークは意図せず周囲に妊娠を知らせてしまう可能性がある。
2015年のカラダノート調査で、マークを外す場所として職場を挙げた人が34%いたことは、この問題を考えるうえで重要だ。
妊娠を知られることで仕事上の評価が変わるのではないか、周囲から負担をかける人だと思われるのではないか。そうした不安があれば、マークを外すという選択につながる。
マタニティマークの普及だけでは解決できない、職場環境そのものの課題が存在する。
2026年現在の法律と会社の義務
男女雇用機会均等法などに基づき、事業主には妊娠・出産等に関するハラスメントを防止する措置が義務づけられている。
事業主が講じるべき主な措置は次のとおりだ。
- 妊娠・出産等に関するハラスメントを許さない方針の明確化と周知。
- 相談窓口の設置と適切な対応体制の整備。
- 問題が発生した場合の迅速かつ適切な対応。
- ハラスメントの原因や背景となる要因の解消。
- 相談者や関係者のプライバシー保護。
- 相談したことを理由とする不利益な取り扱いの禁止。
ただし、業務分担や安全配慮など、客観的に見て業務上必要な言動まで、すべてハラスメントに該当するわけではない。具体的な事情に基づいて判断する必要がある。
妊娠を理由に不当な扱いを受けた場合、本人だけで解決しようとする必要はない。社内の相談窓口に加え、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)も相談先になる。

【2026年最新情報】こども家庭庁のマタニティマーク普及と今後の課題
マタニティマークは、妊娠初期の女性が周囲から適切な配慮を受けられるようにする目的で生まれた。
2026年は、マタニティマークの誕生から20年という節目に当たる。普及活動の主体や公式デザインの展開にも変化が見られる。
マタニティマークは2006年に普及が始まった
マタニティマークは、妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保を目指す取り組みの一環として生まれた。
妊娠初期は、外見から妊婦だと分かりにくい一方、つわりや体調不良などが起こりやすい。そのため、周囲に妊娠していることを知らせ、配慮を受けやすくする仕組みが必要だった。
2026年3月には誕生20周年を迎えた。単にマークを配布するだけでなく、社会全体で妊産婦への理解を深めることが、引き続き求められている。
2024年11月には双子・三つ子向けのマークも登場
マタニティマークの展開で注目されるのが、多胎妊娠に対応したデザインだ。
2024年11月には、双子・三つ子を妊娠している人向けのマタニティマークが新たに加わった。
妊娠中の身体的な負担や必要な配慮は一人ひとり異なる。多胎妊娠という状況も周囲に伝えやすくすることで、より幅広い妊産婦への支援につながる。
こども家庭庁が公式情報を案内
2023年4月以降、マタニティマークの使用管理などの運営は、こども家庭庁から「健やか親子21」事務局に委託されている。
現在は、こども家庭庁が関連情報を案内する「健やか親子21」の公式サイトで、マタニティマークのデザインや使用ガイド、普及啓発ポスターなどを確認できる。
ポスターは公共施設だけでなく、職場や店舗などでも活用できる。妊産婦に配慮する環境をつくるため、企業や施設側が取り組むことも想定されている。
国土交通省と鉄道事業者による優先席の周知
妊婦への配慮は、母子保健行政だけでなく、交通機関のバリアフリー施策とも関係している。
国土交通省は、鉄道などの優先席を含め、高齢者や障害のある人、妊娠中の人などが必要とする施設の適正利用について周知している。
JR東日本や西武鉄道なども、妊娠中の人への配慮やマタニティマークに関する案内を公開している。
2026年に求められるのは、マークを見たことがあるという段階から、妊娠初期の体調変化や緊急時の必要な対応まで理解する段階への移行だ。
【妊婦への嫌がらせ対策】被害を受けたときの対応と相談先
マタニティマークを付けているときに暴言や嫌がらせを受けた場合、最も優先すべきなのは妊婦本人の安全と身体の保護だ。
相手に言い返したり、その場で無理に解決しようとしたりする必要はない。
電車内で暴言や嫌がらせを受けた場合
電車内で威圧的な言動や危険な行為を受けた場合は、次のような対応が考えられる。
- 相手から距離を取る:可能であれば別の車両や駅員のいる場所へ移動する。
- 駅員に伝える:駅構内や車内でのトラブルについて、駅員や乗務員に相談する。
- 危険が差し迫っている場合:警察に110番通報する。
- 身体的な被害があった場合:医療機関に相談し、必要な診察を受ける。
- 状況を記録する:発生日時、場所、車両、相手の特徴、目撃者などを可能な範囲で記録する。
お腹を押されたり、ぶつかられたりした場合は、外傷が見えなくても医療機関に相談することが大切だ。
職場でマタハラを受けた場合
職場で妊娠や出産を理由に嫌がらせを受けた場合は、問題となった言動を具体的に記録しておくと相談時に役立つ。
- 発生した日時と場所。
- 発言した人の氏名や役職。
- 実際に言われた内容や行われた対応。
- 同席していた人や目撃者。
- メールやチャットなどの記録。
- 勤務条件や業務内容に生じた変化。
会社の人事担当者や相談窓口、労働組合などに相談できるほか、会社が適切に対応しない場合は、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)に相談できる。
主な相談先一覧
- 都道府県労働局雇用環境・均等部(室):妊娠・出産を理由とする不利益取り扱いやマタハラについて相談できる。
- 総合労働相談コーナー:職場のトラブルや労働問題について相談できる。
- 会社の人事・相談窓口:社内での事実確認や対応を求める際の相談先。
- 駅員・鉄道会社:電車や駅構内での嫌がらせ、危険行為について相談できる。
- 警察:暴行や脅迫など、犯罪に当たる可能性のある行為や緊急の危険について相談できる。
厚生労働省によると、都道府県労働局の雇用環境・均等部(室)では、妊娠・出産等に関するハラスメントや不利益取り扱いについて、平日の8時30分から17時15分まで相談を受け付けている。相談は無料で、匿名での相談も可能と案内されている。
被害を受けた人が、自分だけで我慢したり、マークを外すことで問題を解決しようとしたりする必要はない。
【マタニティマーク嫌がらせ事件】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:マタニティマーク嫌がらせ事件とは、実際に起きた一つの事件ですか?
A1:特定の一件を指す正式な事件名ではない。2014年以降の妊婦アンケートや電車内の暴言、座席の横取り、妊婦への暴力など、複数の事例や社会問題をまとめて検索する際に使われる表現だ。
Q2:2015年のカラダノート調査では、嫌がらせを受けた妊婦は何%ですか?
A2:855人を対象にした2015年の調査では、実際に嫌がらせを受けた経験がある人は4%だった。なお、2014年の調査では「困った経験」がある人は9.3%であり、質問内容が異なるため単純比較はできない。
Q3:マタニティマークを付けない妊婦がいるのはなぜですか?
A3:嫌がらせを受ける不安、妊娠をまだ周囲に知らせたくない事情、席を譲ってほしいと主張しているように思われることへの抵抗感などがある。千葉県の2020年度調査でも、未使用者の32.3%が嫌がらせのうわさへの恐怖を理由に挙げた。
Q4:マタニティマークを付けていれば必ず席を譲ってもらえますか?
A4:マタニティマークは妊娠中であることを周囲に知らせ、必要な配慮を受けやすくするためのものだ。席を譲ることを強制する権利証ではないが、優先席の対象には妊娠中の人も含まれており、体調や状況に応じた配慮が望まれる。
Q5:妊婦への嫌がらせやマタハラはどこに相談すればよいですか?
A5:電車内の危険行為は駅員や警察、職場のマタハラは会社の相談窓口や都道府県労働局雇用環境・均等部(室)が主な相談先となる。暴行や差し迫った危険がある場合は110番通報も選択肢だ。
Q6:2026年現在、マタニティマークの制度に変更はありますか?
A6:2026年3月に誕生20周年を迎えた。2024年11月には双子・三つ子向けのデザインも加わっており、こども家庭庁が関連情報を案内する「健やか親子21」の公式サイトで使用ガイドや啓発ポスターを確認できる。
まとめ:マタニティマークを安心して使える社会に向けて
「マタニティマーク嫌がらせ事件」と呼ばれる問題の本質は、マークそのものにあるのではない。妊娠している人が必要な配慮を求めることに対して、暴言や威圧的な態度、時には身体的な暴力まで向けられてしまう社会的な問題にある。
2015年のカラダノート調査では、実際に嫌がらせを受けた経験がある妊婦は4%だった。一方、千葉県の2020年度調査では、マタニティマークを使わなかった人の32.3%が嫌がらせのうわさを聞いて怖かったと回答している。
この二つの数字が示すのは、実際の被害だけでなく、被害に遭うかもしれないという不安も、妊婦の行動を制限しているという現実だ。
2026年はマタニティマークの誕生20周年に当たる。こども家庭庁による普及啓発や鉄道事業者による優先席の周知は続いているが、マークの認知度を高めるだけでは十分ではない。
妊娠初期のつわりや体調不良は、外見だけでは判断できない。席を譲る、困っている様子があれば声をかける、妊婦の近くで喫煙を控える。そうした一つひとつの行動が、安心して外出できる環境につながる。
また、妊婦自身にマークの着用を強制したり、着用していないことを理由に配慮を控えたりするべきではない。妊娠中の事情は一人ひとり異なるからだ。
マタニティマークは、妊婦だけが周囲に理解を求めるためのものではない。周囲の人が妊娠という身体的な変化を理解し、互いに支え合うためのサインである。
2026年以降に問われるのは、マークを知っている人の数ではなく、妊婦がマークを付けても付けなくても安心して生活できる社会を実現できるかどうかだ。
主な参照資料・報道
- カラダノート「マタニティマークに関する調査2015」
- 千葉県「令和2年度健やか親子21実態調査」
- 厚生労働省「妊娠・出産等に関するハラスメントの防止」
- こども家庭庁「マタニティマーク公式サイト」
- Business Insider Japan「マタニティマークへの嫌がらせ『なんか文句あんのかよ』を浴びせられて考えたこと」
- J-CASTニュース「妊娠7か月を告げるも51歳男は腹を蹴った」
(出典: マタニティ マーク 嫌がらせ 事件(Yahoo!ニュース))