【国別イメージ徹底比較】ワースト5と好感度上位5カ国の違い
ネガティブ評価の上位だけを見ると、国際社会に対する不信感が強い国ばかりが目立つ。しかし、同じ調査には好意的な評価を集めた国々も掲載されている。
2026年の国別評価で最もポジティブな印象を持たれたのはスイスだった。続いてカナダ、日本、スウェーデン、イタリアが上位に入った。
| 区分・順位 | 国名 | 調査上の評価 | 関連する国際的な論点 |
|---|---|---|---|
| ワースト1位 | イスラエル | 最もネガティブ | ガザ情勢、パレスチナ問題 |
| ワースト2位 | 北朝鮮 | 2番目にネガティブ | 核・ミサイル開発、国際制裁 |
| ワースト3位 | アフガニスタン | 3番目にネガティブ | タリバン統治、女性の権利 |
| ワースト4位 | イラン | 4番目にネガティブ | 人権問題、軍事的緊張 |
| ワースト5位 | アメリカ | 5番目にネガティブ | 外交政策、国際的な信頼の低下 |
| 好感度1位 | スイス | 最もポジティブ | 国際的に高い好感度 |
| 好感度2位 | カナダ | 2番目にポジティブ | 国際的に高い好感度 |
| 好感度3位 | 日本 | 3番目にポジティブ | 国際的に高い好感度 |
| 好感度4位 | スウェーデン | 4番目にポジティブ | 国際的に高い好感度 |
| 好感度5位 | イタリア | 5番目にポジティブ | 国際的に高い好感度 |
出典:Nira Data・Alliance of Democracies、2026年版報告書。順位は報告書に記載された順序。各国の背景は関連する国際情勢を整理したもので、調査が評価理由を直接特定したものではない。
特に興味深いのは、日本が世界で最もポジティブに評価された国の一つに入っている点だ。
ただし、好感度ランキングで上位だからといって、すべての国や地域で同じように支持されているわけではない。国際世論は地域、歴史的関係、経済的な結びつき、外交政策などによって変化する。
また、スイスやカナダ、日本などの上位国について、調査報告書は順位を示しているものの、各国の好感度を高めた要因を一つに特定してはいない。
【なぜ嫌われるのか】ワースト5カ国の国際評価を徹底分析
ランキングの順位だけを見ても、各国がなぜ厳しい評価を受けているのかは分からない。
ここでは2026年の国際情勢と国際機関の報告を照らし合わせながら、それぞれの国の評価につながる背景を整理する。
1位・イスラエル:ガザ情勢とパレスチナ問題が国際世論を左右
イスラエル
主な論点:ガザ、パレスチナ、軍事行動
イスラエルが最も厳しい国際評価を受けた背景として、大きな論点となっているのがガザ地区をめぐる紛争だ。
2026年版調査では、イスラエルとパレスチナのどちらにより賛同するかを尋ねた設問で、98カ国中51カ国がパレスチナ側、17カ国がイスラエル側により賛同した。
この数字は、国際社会におけるパレスチナ問題への関心と、イスラエルの軍事行動に対する批判の広がりを考える手掛かりになる。
さらに、2026年10月14日に公表された国連の調査委員会報告書は、2025年10月の停戦後もガザで攻撃が続いたと指摘している。
同報告書によると、2026年9月30日までに、少なくとも1,431人が死亡し、その中には子ども300人以上、女性130人以上が含まれていた。
こうした人道状況は、イスラエル政府の政策や軍事行動に対する国際的な批判を理解するうえで重要な背景となる。
ただし、イスラエル政府への批判と、イスラエルに暮らす一般市民やユダヤ人全体への評価は別の問題だ。国際世論を読む際には、この区別を失ってはならない。
2位・北朝鮮:核・ミサイル開発と国際社会との対立
北朝鮮
主な論点:核兵器、弾道ミサイル、制裁
北朝鮮の国際評価を考えるうえで欠かせないのが、核兵器と弾道ミサイルの開発問題である。
北朝鮮は長年にわたり核・ミサイル能力を拡大しており、アメリカ、日本、韓国など周辺国の安全保障上の懸念となっている。
2026年5月29日付の米議会調査局(CRS)の資料でも、北朝鮮の核戦力とミサイル能力の高度化が、アメリカや東アジアの同盟国に対する脅威として取り上げられた。
また、2026年10月12日にはEU理事会が、北朝鮮の核・ミサイル関連活動やロシアとの軍事協力などに関連して、3人と4団体を追加制裁の対象とした。
こうした軍事的な緊張や国際制裁が、北朝鮮の国家イメージを形成する要素になっている。
一方、北朝鮮の一般市民は政府の外交・軍事政策を自由に決定できる立場にはない。国家の国際評価を、そのまま国民への評価に置き換えることは適切ではない。
3位・アフガニスタン:女性と少女の権利をめぐる深刻な問題
アフガニスタン
主な論点:タリバン統治、教育、人権
アフガニスタンの国際評価に大きな影響を与えているのが、2021年にタリバンが実権を掌握して以降の政治・社会状況だ。
特に問題視されているのは、女性と少女に対する教育、就労、社会参加の制限である。
2026年8月12日、国連女性機関(UN Women)は、タリバン当局が女性と少女の権利に関する100を超える規則や命令を発出してきたと報告した。
少女はおおむね13歳ごろから学校教育を受けられず、女性も大学や多くの職業、政治活動から排除されている。地域によっては、男性の付き添いなしで外出することも難しい。
国際社会からの批判は、アフガニスタンの人々そのものというより、タリバン当局の政策や統治体制に向けられている側面が強い。
アフガニスタンの女性や少女たち自身が、こうした制限によって大きな影響を受けていることも忘れてはならない。
4位・イラン:国内の人権問題と軍事的緊張
イラン
主な論点:人権、抗議活動、対外関係
イランでは、政治的な自由や人権をめぐる問題が国際社会の批判を集めている。
2025年末から2026年にかけて発生した抗議活動に対して、イラン当局が強硬な対応を取ったことも、国際的な懸念を強める要因となった。
国連人権理事会の独立調査団は2026年9月17日、抗議活動への弾圧において、殺傷力のある武力行使や大規模な拘束などが行われたと報告した。
同時に、2026年に発生したアメリカ・イスラエルとの軍事衝突も、イラン国内の一般市民に深刻な影響を及ぼしている。
この問題を考える際に重要なのは、イラン政府の政策とイラン国民の意思を同一視しないことだ。
イラン国内にも多様な政治的立場や価値観が存在する。国家の外交姿勢に対する国際的な批判が、イラン人全体への評価を意味するわけではない。
5位・アメリカ:かつての国際的な信頼に変化
アメリカ
主な論点:外交政策、国際秩序、同盟関係
今回のランキングで特に注目したいのが、世界的な影響力を持つアメリカがワースト5に入ったことだ。
2026年版報告書によると、アメリカの国際的な評価は2年連続で低下している。
そのネット認識スコアは、2025年のマイナス5ポイントから、2026年にはマイナス16ポイントまで下がった。2024年から2026年までの低下幅は約40ポイントに達する。
また、アメリカとイランの対立をめぐる設問では、98カ国中28カ国だけがイランよりアメリカに賛同した。アメリカとグリーンランド・デンマークの対立では、アメリカ側への賛同が多かったのはわずか2カ国だった。
この傾向は、別の国際世論調査にも表れている。
2026年6月23日に公表されたPew Research Centerの36カ国調査では、アメリカを信頼できるパートナーとみなす人の割合が、多くの国で2022年と比べて低下していた。
また、アメリカが世界の平和と安定に貢献していると答えた人の割合は、36カ国の中央値で35%だった。
アメリカの評価低下は、単一の外交問題だけでは説明できない。関税政策、ガザ情勢、イラン問題、グリーンランドをめぐる問題、ロシア・ウクライナ戦争への対応など、複数の外交課題が国際的な印象に影響している。
【国別ネット認識スコア】ランキングの数字を正しく読む方法
世界の国別イメージを比較するときに重要なのが、ネット認識スコアという考え方だ。
2026年版の調査では、回答者に各国や国際機関への総合的な印象を尋ね、次の5段階で回答してもらっている。
- 非常にポジティブ
- ややポジティブ
- どちらでもない
- ややネガティブ
- 非常にネガティブ
ネット認識スコアは、ポジティブな回答の割合からネガティブな回答の割合を引いて算出する。
\[
\text{ネット認識スコア}
=
\text{ポジティブ評価率}
-
\text{ネガティブ評価率}
\]
例えば、ポジティブ評価が30%、ネガティブ評価が55%なら、ネット認識スコアはマイナス25ポイントとなる。
この指標では、どちらでもないという回答は、ポジティブ・ネガティブのいずれにも加算されない。
スコアの見方と注意点
| スコア | 読み方 |
|---|---|
| プラス | ポジティブ評価がネガティブ評価を上回る |
| 0 | ポジティブとネガティブが同程度 |
| マイナス | ネガティブ評価がポジティブ評価を上回る |
また、Nira Dataの報告書では、国際的な平均値を計算する際に、各国が自国自身を評価した結果を除外している。これにより、自国民の評価が国際的なイメージを過度に押し上げることを避けている。
一方、調査はオンライン方式で実施されており、政府による世論形成や言論の制限がある国では、回答に影響が出る可能性も報告書自体が指摘している。
したがって、ネット認識スコアは世界の人々の印象を比較するための有用な指標ではあるが、各国の客観的な価値や国民性を数値化したものではない。
【誤解に注意】国への評価と国民への印象はまったく別物
「嫌われている国」という表現は、検索する側にとって分かりやすい一方で、国際世論を単純化してしまう危険もある。
実際には、国家に対する評価には少なくとも3つの異なる対象がある。
1. 政府・政治指導者への評価
外交政策、軍事行動、人権政策、政治体制など、政府の意思決定に対する評価だ。
2. 国家・国際社会における立場への評価
国際紛争への関与、経済的な影響力、同盟関係、国際法への対応などが関係する。
3. 一般市民・文化への印象
その国の人々の生活、文化、食事、観光、芸術、スポーツなどに対する印象だ。
これらは必ずしも一致しない。
例えば、アメリカの外交政策に批判的な人でも、アメリカの映画や音楽、大学、文化に好意を持つことはある。
北朝鮮の核開発を懸念する人が、北朝鮮に暮らす一般市民に敵意を抱いているとは限らない。
イスラエル政府の軍事政策に反対することと、イスラエル人やユダヤ人に対して差別的な態度を取ることも、まったく別の問題である。
また、アフガニスタンやイランでは、政府の政策によって生活に制約を受けている人々自身が存在する。
国家のイメージを、その国に暮らす一人ひとりの人格や価値に結びつけないこと。 これが国際世論を読み解くうえで欠かせない視点だ。
【世界で嫌われている国ランキング2026】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年に世界で最も嫌われている国はどこですか?
2026年版のNira Dataとアライアンス・オブ・デモクラシーズ財団の調査では、最もネガティブな国際評価を受けたのはイスラエルだった。続いて北朝鮮、アフガニスタン、イラン、アメリカの順となっている。
Q2:2026年の調査は85カ国・約4万6,000人が対象ですか?
正確には異なる。調査全体では98カ国の94,146人が回答している。85カ国は国別評価を行った回答国の数であり、その85カ国すべてから評価された68カ国・国際機関がランキングの比較対象となっている。
Q3:日本は世界で嫌われている国ですか?
2026年版の調査では、日本は最もポジティブに評価された国の第3位に入っている。少なくとも今回の国際世論調査では、ネガティブ評価の上位には入っていない。
Q4:民主主義認識指数が低い国ほど嫌われているのですか?
必ずしもそうではない。民主主義認識指数は自国の政治制度に対する市民の評価であり、国別好感度は外国の回答者などがその国に抱く印象を測るものだ。両者は異なる指標である。
Q5:アメリカが世界で嫌われている理由は何ですか?
2026年の調査では、外交政策や国際紛争への対応などを背景に、アメリカの国際的な評価が低下している。特に2025年から2026年にかけてネット認識スコアがマイナス5からマイナス16へ下がったことが注目される。
Q6:嫌われている国の国民も世界から嫌われているのですか?
そうとは限らない。国際的な国別評価は、主に国家のイメージや政治・外交上の立場を反映するものだ。政府への批判と一般市民への印象は区別して考える必要がある。
まとめ:世界で嫌われている国ランキングから見える国際世論の変化
2026年の国際世論調査では、イスラエル、北朝鮮、アフガニスタン、イラン、アメリカが、ネガティブな国際評価のワースト5に入った。
一方、好意的な評価を集めた国としては、スイス、カナダ、日本、スウェーデン、イタリアが上位に並んでいる。
今回の調査で特に注目すべきなのは、アメリカの国際的なイメージが大きく低下していること、そしてイスラエルとパレスチナをめぐる国際世論の分断が数字にも表れていることだ。
ただし、こうしたランキングは永続的な国家の序列ではない。戦争、外交政策、政治体制、人権状況、国際協力の変化によって、国の評価は変動する。
今後、世界の国別好感度を比較するときには、次の3点を意識したい。
- 調査対象と回答者数:何カ国の人が、何人回答した調査なのか。
- 評価の対象:民主主義、政府、外交政策、国家全体のどれを評価しているのか。
- 国民と政府の区別:国家への批判を一般市民への偏見に結びつけていないか。
世界で嫌われている国ランキングは、単なる不人気国の一覧ではない。各国の外交政策や国際社会との関係、そして世界の人々が何を重視しているのかを映し出す一つの資料でもある。
2026年の調査結果を読み解くうえで大切なのは、順位だけに注目するのではなく、その背後にある国際情勢と世論の変化を理解することだ。
主な参考資料:Nira Data「Democracy Perception Index 2026」、Alliance of Democracies Foundation、Pew Research Center、国連人権高等弁務官事務所、国連女性機関、米議会調査局。 (出典: 世界 で 嫌 われ て いる 国 ランキング(Yahoo!ニュース))