【法律上の結論】きょうだい児は結婚できないという決まりはない
「障害のある兄弟姉妹がいると、法律上結婚できないのではないか」という疑問に対する答えは明確だ。兄弟姉妹に障害があることを理由に、本人の婚姻を禁止する法律は存在しない。
日本の民法では、婚姻に関する条件が定められている。主な規定は次のとおりだ。
- 民法第731条:婚姻できる年齢は男女とも18歳以上。
- 民法第732条:重婚の禁止。
- 民法第734条:直系血族や三親等内の傍系血族との婚姻の禁止。
- 民法第739条:婚姻届の提出による婚姻の成立。
これらの規定に、結婚する本人の兄弟姉妹が障害者である場合の婚姻制限は含まれていない。したがって、本人が婚姻の要件を満たしていれば、通常どおり結婚できる。
親の反対によって結婚できなくなることもない
もう一つ押さえておきたいのが、親の同意に関する問題だ。
2022年4月の成年年齢引き下げに伴い、婚姻できる年齢は男女とも18歳となった。成人した本人が結婚する場合、親の承諾は婚姻成立の要件ではない。
つまり、本人の親が「障害のある兄弟姉妹を残して結婚するべきではない」と反対しても、それだけで婚姻届が受理されなくなるわけではない。
結婚相手の親が反対する場合も同様で、相手の親に婚姻を決定する法的な権限があるわけではない。
兄弟姉妹に対する扶養義務には注意が必要
ただし、法律上の婚姻制限がないことと、兄弟姉妹に対する扶養義務がないことは別問題だ。
民法第877条第1項では、直系血族と兄弟姉妹が互いに扶養する義務を負うと定めている。
一方、民法第879条では、扶養の程度や方法について、扶養を受ける側の必要性、扶養する側の資力、その他の事情を考慮するとしている。
そのため、扶養義務があるからといって、必ず同居して介護をする、仕事を辞める、結婚を諦めるといった結論になるわけではない。具体的な内容は個々の事情によって異なる。
法律上の誤解を整理すると、次のようになる。
- きょうだいに障害があるから結婚できない:誤り。
- 親が反対したら婚姻届を出せない:誤り。
- 兄弟姉妹には扶養義務が一切ない:誤り。
- 扶養義務があるから必ず自分が介護する:誤り。
婚姻の自由と、家族間の扶養・生活支援の問題は切り分けて考える必要がある。
【結婚の実態】きょうだい児が反対される理由と公的統計の実情
法律上は結婚できても、実際の結婚生活に向けて周囲の理解を得ることは簡単ではない。
特に問題になりやすいのが、結婚相手本人や相手の親が抱く将来への不安だ。
結婚相手や親が不安を感じる主な理由
きょうだい児の結婚に関する悩みは、大きく4つに分けられる。
1. 将来自分が介護を担うのではないか
親が高齢になったり、病気になったりした場合、障害のある兄弟姉妹の生活を自分が支えることになるのではないかという不安だ。
結婚後も実家への訪問や通院の付き添い、生活費の援助などが続く可能性を考え、結婚相手が負担を心配するケースもある。
2. 自分の子どもにも障害が遺伝するのではないか
兄弟姉妹に知的障害や発達障害がある場合、結婚相手の親が子どもへの遺伝を心配することがある。
ただし、障害の原因は一つではなく、家族に障害のある人がいるという情報だけで、子どもの発症リスクを判断することはできない。
3. 結婚後も実家との関係が続くのではないか
結婚後の住まいや生活費、親の介護、兄弟姉妹の支援など、実家との関係がどの程度続くのか見通せないことも不安につながる。
4. 家族の問題を自分たちも背負うのではないか
結婚相手の親が、障害のある親族との付き合いや将来の親族間の調整に不安を感じることもある。
ここで重要なのは、相手が心配している内容を具体的に把握することだ。漠然とした不安なのか、実際に発生する可能性が高い生活上の問題なのかによって、必要な対応は変わってくる。
きょうだい児の結婚に関する調査と実態
きょうだい児の悩みを知るうえで参考になるのが、障害者の兄弟姉妹を支援するウェブサイト「Sibkoto(シブコト)」の活動だ。
2018年に立ち上げられた同サイトは、きょうだい同士が経験や気持ちを共有できる場を目指している。
2024年3月時点で会員登録者は2,000人を超えていた。
同サイトの共同運営者が公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会の情報誌「新ノーマライゼーション」2024年4月号で紹介した内容によると、2022年9月には会員を対象にアンケートを実施している。
当時の会員1,553人のうち、回答者は123人だった。
調査では、20~30代の回答者に「恋愛・結婚」や「親や親族との関係」に関する悩みが比較的多い傾向が確認された。また、30~50代では障害のある兄弟姉妹との関係や親族関係に関する悩みが目立っていた。
この結果から見えてくるのは、きょうだい児の悩みが年齢とともに変化することだ。
若い時期には恋愛や結婚、進路の問題が前面に出やすく、親の高齢化が進むと、生活支援や親亡き後の問題が現実味を帯びてくる。
2026年の調査で分かった親亡き後への不安
さらに注目したいのが、2026年2月10日に日本財団が公表した「障害者の『親なきあと』に関する意識・実態調査」だ。
全国の障害のある人の家族を対象に、2,500人から回答を集めたオンライン調査で、2025年10月16日から21日に実施された。
主な結果は次のとおり。
障害のある人の家族が抱える将来への不安
親なきあとに不安を感じている家族
57.0%
何らかの準備をしている
30.5%
兄弟姉妹を将来のキーパーソンと想定
14.5%
福祉関係者をキーパーソンと想定
36.7%
制度や選択肢が分からないことが準備の障壁
特に注目すべきなのは、将来のキーパーソンとして兄弟姉妹を想定している家族が30.5%に達したことだ。
一方で、相談支援専門員などの福祉関係者を想定している家族は14.5%だった。
また、約4割の家族は親亡き後に向けた準備に着手できていない。準備が進まない理由には、将来必要になる生活費の見通しが立たないことや、利用できる制度が分からないことが挙げられている。
この調査は、きょうだい児本人の婚姻率を調べたものではない。しかし、結婚相手が心配する将来の支援負担が、実際に家族の間で大きな課題になっていることを示している。
きょうだい児の結婚率を示す公的統計はある?
ここは検索ユーザーが誤解しやすいポイントだ。
厚生労働省の人口動態統計では、婚姻件数や婚姻年齢、初婚・再婚などが集計されている。しかし、結婚する人の兄弟姉妹に障害があるかどうかを区分した全国的な婚姻率は示されていない。
そのため、きょうだい児の結婚率が一般の人より何%低いといった数字を、公的統計から導くことはできない。
Sibkotoのアンケートも、会員を対象とした123人の回答であり、全国のきょうだい児を代表する婚姻統計ではない。
調査結果を読む際には、次の違いを意識したい。
【遺伝の不安】障害のある兄弟姉妹がいると子どもにも遺伝する?
きょうだい児の結婚で、特に深刻な問題になりやすいのが遺伝に対する不安だ。
結婚相手の親から「障害が遺伝する可能性があるのではないか」と言われ、結婚そのものを反対されるケースもある。
しかし、障害の遺伝については、診断名だけで一律に判断することはできない。
障害には遺伝性のものとそうでないものがある
障害の原因は多様だ。
例えば、知的障害には染色体や特定の遺伝子の変化が関係するものもあれば、出生前後の病気や脳の損傷など、遺伝以外の要因が関係するものもある。
発達障害についても、遺伝的な要因と環境的な要因など、複数の要素が関係する場合がある。
さらに、同じ診断名でも原因や遺伝形式が異なることがある。
遺伝に関する評価では、次のような情報が重要になる。
- 兄弟姉妹の正確な診断名
- 障害の原因が特定されているか
- 染色体検査や遺伝学的検査を受けているか
- 家族内に同じ疾患の人がいるか
- 親から受け継いだものか、新たに生じた変化なのか
例えば、特定の遺伝子変化が関係する疾患でも、優性遺伝、劣性遺伝など遺伝形式によって次世代への影響は異なる。
一方、遺伝とは関係しない原因で生じた障害であれば、兄弟姉妹に同じ障害があることだけを理由に、本人の子どもにも同じ障害が起こると考える根拠はない。
兄弟姉妹に障害があるという事実だけでは、本人の子どもの遺伝的リスクは判断できない。
遺伝カウンセリングで確認できること
遺伝への不安を解消するために利用できるのが、遺伝カウンセリングだ。
日本遺伝カウンセリング学会によると、遺伝カウンセリングでは、遺伝に関する医学的な情報だけでなく、心理面や社会面も含めた支援を行っている。
相談対象は患者本人に限らず、家族も含まれる。
具体的には、次のような内容を相談できる。
1. 兄弟姉妹の障害が遺伝性疾患に該当するのか。
2. 自分自身が同じ遺伝的要因を持つ可能性はあるのか。
3. 将来の子どもに影響する可能性はどの程度なのか。
4. 遺伝学的検査を受ける必要があるのか。
5. 検査を受ける場合、どのような選択肢があるのか。
相談を担当する専門職には、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーがいる。
また、同学会は遺伝カウンセリングで扱う情報について、厳重に秘密が守られる医療情報であると説明している。
結婚相手の親から遺伝について質問されたら?
相手の親が遺伝を心配している場合、感情的な反論だけで解決しようとしないことが大切だ。
まず、兄弟姉妹の障害について分かっている医学的情報を整理する。そのうえで、必要に応じて専門家に相談し、医学的な説明を受ける方法がある。
ただし、兄弟姉妹本人の検査結果や病歴は、その人自身の大切な個人情報だ。本人の同意なく、詳細な医療情報を相手の家族に開示することは避けたい。
また、遺伝カウンセリングは結婚相手や親を説得するためだけのものではない。本人が自分の将来について納得して考えるための支援でもある。
【親亡き後の問題】きょうだい児は結婚後も介護を背負うのか
結婚相手が不安を抱くもう一つの大きな理由が、親亡き後の生活だ。
子どもの頃から障害のある兄弟姉妹と暮らしてきた人にとって、親が亡くなった後の生活は決して他人事ではない。
親が担ってきた支援が兄弟姉妹に集中する可能性
障害のある人の生活を親が長年支えている家庭では、親の高齢化によって支援体制が不安定になることがある。
例えば、次のような問題が考えられる。
- 日常生活の介助を誰が担当するのか。
- 通院や服薬管理を誰が支えるのか。
- 生活費や医療費をどう確保するのか。
- 住居をどうするのか。
- 財産管理や各種契約を誰が支援するのか。
- 緊急時に誰が対応するのか。
これらを具体的に決めないまま親が亡くなると、兄弟姉妹が突然、複数の役割を引き受けることになりかねない。
日本財団の2026年調査では、親亡き後に向けて何らかの準備をしている家族は57.0%だった。
準備内容としては預貯金や生命保険、信託などの資金面が35.9%で、遺言書や住まい、生活支援体制などの具体的な準備には課題が残っていた。
この結果は、経済的な準備だけでは親亡き後の問題を解決できないことを示している。
兄弟姉妹に法律上の扶養義務があることは事実
前述した民法第877条により、兄弟姉妹には互いに扶養義務がある。
ただし、ここで誤解してはいけないのが、扶養義務と日常的な介護義務は同じではないということだ。
例えば、兄弟姉妹が結婚して別の家庭を築き、仕事や子育てをしている場合、その生活状況や収入、扶養を必要とする側の事情なども考慮される。
扶養の程度や方法について話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所が判断する仕組みもある。
したがって、親が亡くなった後に兄弟姉妹の生活を支える必要が生じたとしても、必ずしも同居や直接介護だけが選択肢ではない。
親が元気なうちに決めておきたいこと
結婚後の生活を守るためにも、親が元気なうちに家族で将来の支援体制を話し合っておきたい。
特に大切なのは、次の4点だ。
① 兄弟姉妹本人の希望を確認する
どこで暮らしたいのか、どのような支援を受けたいのかを本人の意思や希望に沿って考える。
② 親が担っている支援内容を整理する
通院、金銭管理、食事、移動、服薬など、現在どのような支援が必要なのかを把握する。
③ 家族以外の支援者を確保する
相談支援専門員や福祉事業者、医療機関などとつながり、親や兄弟姉妹だけに負担が集中しない体制を考える。
④ 住まいや資産管理の準備をする
グループホームや自立生活、成年後見制度、遺言書などを必要に応じて検討する。
大切なのは、親が亡くなった後に初めて考えるのではなく、元気なうちから少しずつ準備することだ。
【支援制度】グループホームや相談窓口を活用して家族の負担を減らす
障害のある兄弟姉妹の将来を考える際、家族だけで問題を解決する必要はない。
日本には障害のある人の地域生活を支える障害福祉サービスがあり、生活状況や障害の程度などに応じて利用できる。
グループホームで地域生活を続ける
障害福祉サービスの一つが、共同生活援助、いわゆるグループホームだ。
厚生労働省によると、グループホームでは共同生活を営む住居において、主に夜間の相談、入浴、排せつ、食事の介護など、必要な日常生活上の援助を提供する。
グループホームを利用すれば、家族と離れて地域で生活する選択肢が生まれる。
ただし、利用できるかどうかは本人の状況やサービスの支給決定などによって異なる。また、地域によって受け入れ状況にも差があるため、早めに情報収集しておきたい。
自立生活援助で一人暮らしを支える
もう一つの選択肢が自立生活援助だ。
このサービスでは、定期的な訪問や相談対応を通じて、障害のある人が地域で自立した生活を続けるために必要な助言や支援を行う。
厚生労働省は、家族と同居していても、同居家族の障害や病気などによって十分な支援を受けられない場合を対象例として挙げている。
つまり、親や兄弟姉妹が常にそばにいなければ生活できないという前提ではなく、外部の支援を組み合わせて暮らす方法も考えられる。
相談支援専門員に生活設計を相談する
障害福祉サービスの利用を検討するときは、市区町村の障害福祉担当窓口や相談支援事業者に相談できる。
相談支援では、本人の生活上の課題を把握し、適切なサービス利用につなげるための計画作成や調整を行う。
例えば、次のような相談が可能だ。
- グループホームを利用できるか。
- 一人暮らしに必要な支援は何か。
- 親が亡くなった後の生活をどう設計するか。
- 緊急時に対応してくれる支援先はあるか。
- 成年後見制度を利用する必要があるか。
成年後見制度についても、本人の判断能力や財産管理の状況に応じて検討できる。誰にでも必要な制度というわけではないため、専門家に相談して判断することが望ましい。
2026年に知っておきたい相談先
| 相談先 | 主な相談内容 |
|---|---|
| 市区町村の障害福祉窓口 | 障害福祉サービス、支給申請 |
| 基幹相談支援センター | 地域生活、福祉制度、権利擁護 |
| 指定特定相談支援事業者 | サービス等利用計画の作成 |
| 医療機関の遺伝外来 | 遺伝的な不安、検査や医学的評価 |
| きょうだい支援団体 | 家族関係、結婚、親亡き後の悩み |
2026年3月31日に示された厚生労働省の基本指針でも、障害のある本人だけでなく、家族が抱える複合的な課題を把握し、保健・医療・福祉サービスにつなげる相談支援体制の充実が示されている。
きょうだい児本人が相談できる場所もある
障害のある兄弟姉妹を支える人自身にも、相談できる場所が必要だ。
代表的なものが、Sibkoto(シブコト)などのきょうだい支援活動である。
きょうだい同士がつながり、恋愛や結婚、家族との関係、親亡き後の不安などを共有できる。
身近な人には話しにくい悩みでも、同じような立場の人と交流することで、自分だけが問題を抱えているわけではないと気づけることがある。
支援を求めることは、障害のある兄弟姉妹を大切に思う気持ちと矛盾しない。
【結婚相手への伝え方】障害のある兄弟姉妹についていつ話すべき?
結婚を考えている相手がいる場合、避けて通れないのが家族についての話し合いだ。
ただし、交際の初期段階からすべての家庭事情を説明する必要があるわけではない。
結婚を具体的に考えるようになった段階で、将来の生活に関わる情報を少しずつ共有する方法がある。
最初に伝えたいのは障害の診断名だけではない
兄弟姉妹に障害があることを伝えるとき、診断名だけを説明して終わらせると、相手が必要以上に不安を抱く可能性がある。
大切なのは、現在の生活状況と将来の支援体制を具体的に説明することだ。
例えば、次の内容を整理しておくとよい。
- 兄弟姉妹の現在の生活状況。
- 日常生活で必要な支援の内容。
- 親が現在担当している役割。
- 自分が現在どの程度関わっているか。
- 親亡き後に考えている生活設計。
- 福祉サービスや外部支援の利用状況。
こうした情報があれば、相手も漠然としたイメージではなく、現実の生活を踏まえて考えられる。
結婚相手に伝えるときの具体的な言い方
例えば、次のような伝え方が考えられる。
伝え方の例
「私には障害のある兄弟がいるんだ。今は親が中心になって生活を支えているけれど、将来のことは家族でも考えているよ。
私自身も必要な範囲で関わっていきたいと思っている。ただ、結婚後に私たちの生活をすべて犠牲にして介護するという考えではないんだ。
福祉サービスや住まいの選択肢も含めて、親が元気なうちから準備していきたいと思っている。
将来のことについては、一緒に話し合って理解を深めていけたらうれしい」
もちろん、家庭の状況によって適切な伝え方は異なる。まだ決まっていないことまで確約する必要はない。
特に、将来の介護を必ず引き受ける、経済的な負担をすべて担うといった約束を、相手を安心させるためだけにするのは避けたい。
結婚を反対されたときに確認したいこと
相手や相手の親から反対された場合は、まず反対の理由を具体的に聞くことが大切だ。
例えば、次のように整理できる。
- 遺伝への不安:医学的な情報を専門家に確認する。
- 介護への不安:福祉サービスを含む生活設計を共有する。
- 経済的な不安:現在の支援費用と将来の負担を整理する。
- 家族関係への不安:結婚後の関わり方や距離感を話し合う。
一方で、医学的な説明や将来の計画を共有しても、障害のある兄弟姉妹の存在そのものを否定するような対応が続く場合は注意したい。
結婚生活では、家族の事情を含めてお互いを尊重できるかどうかが重要になる。
相手に理解してもらう努力は必要だが、自分の人生を諦めることまで求められるわけではない。
【きょうだい児の結婚できない問題】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:きょうだい児は結婚できないという法律があるのですか?
A1:ありません。兄弟姉妹に障害があることは、民法上の婚姻禁止事由ではありません。本人が婚姻に必要な条件を満たしていれば、通常どおり結婚できます。
Q2:障害のある兄弟姉妹がいると結婚相手の親に反対されますか?
A2:遺伝や将来の介護負担を心配して反対するケースはあります。ただし、すべての家庭が反対するわけではありません。医学的な情報や親亡き後の生活設計を具体的に共有することが、理解を得るための一つの方法です。
Q3:きょうだい児の子どもにも障害は遺伝しますか?
A3:一概には判断できません。障害の原因や遺伝形式によって次世代への影響は異なります。遺伝が心配な場合は、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーに相談する方法があります。
Q4:きょうだい児の結婚率を示す公的統計はありますか?
A4:きょうだいに障害がある人だけを対象とした全国的な婚姻率の公的統計は確認できません。一般の婚姻統計と、きょうだい支援団体の会員アンケートは区別して読む必要があります。
Q5:親が亡くなったら、障害のある兄弟姉妹と同居しなければなりませんか?
A5:必ずしも同居する必要はありません。民法上の扶養義務と、直接同居して介護することは別の問題です。グループホーム、自立生活援助、相談支援などを組み合わせた生活設計が考えられます。
Q6:結婚相手にはいつ兄弟姉妹の障害を伝えるべきですか?
A6:一律の決まりはありませんが、結婚を具体的に考える段階で、将来の生活に関わる事情を話し合っておくことが望ましいでしょう。相手の不安に配慮しながら、現在の状況と今後の支援計画を伝えることが大切です。
まとめ:きょうだい児が結婚を諦める必要はない
「きょうだい児は結婚できない」という考え方は、法律上の事実ではない。兄弟姉妹に障害があることは、本人の婚姻を制限する理由にはならず、結婚相手の親に婚姻を決定する権限があるわけでもない。

一方で、遺伝への不安や親亡き後の生活、将来の介護負担といった問題が存在することも事実だ。2026年に公表された日本財団の調査で、障害のある人の家族の85.5%が親亡き後に不安を感じていたことは、家族だけで将来を支える仕組みに限界があることを示している。
だからこそ、結婚を考える際には、次の3点を大切にしたい。
1. 医学的な不安は専門家に相談する。 障害の原因を確認し、遺伝リスクを正しく理解する。
2. 将来の介護を家族だけで抱え込まない。 グループホームや相談支援など、公的制度を活用する。
3. 結婚相手と現実的な生活設計を共有する。 自分が担えることと、福祉サービスなどに任せることを整理する。
【プロの結論】大切なのは家族の事情ではなく、結婚後の生活をどう築くか
きょうだい児にとって、障害のある兄弟姉妹は簡単に切り離せる存在ではない。大切に思う気持ちがある一方で、自分自身の人生や幸せも守りたいと考えるのは自然なことだ。
兄弟姉妹を大切にすることと、自分が結婚して新しい家庭を築くことは、決して矛盾しない。
結婚を諦める前に、遺伝の不安は医学的に確認し、将来の生活支援は福祉制度を活用し、結婚相手とは現実的な役割分担を話し合う。そうした準備によって、家族全員の生活を守る道を探すことができる。
自分の人生を生きる権利と、兄弟姉妹を大切に思う気持ち。その両方を尊重できる結婚の形を考えることが、きょうだい児にとって大切な一歩となる。 (出典: きょう だい 児 結婚 できない(Yahoo!ニュース))