「どげんかせんといかん」の意味と由来は?東国原英夫と宮崎弁の地域差、2026年の現在地を徹底解説
「どげんかせんといかん」とは、標準語で「どうにかしなければならない」「何とかしないといけない」という意味を持つ宮崎県南西部の方言です。2007年、当時の宮崎県知事だった東国原英夫氏が県議会での所信表明演説などを通じて全国に広め、同年の「ユーキャン新語・流行語大賞」で年間大賞に選ばれました。
実は、この言葉には宮崎県内でも地域による違いがあります。東国原氏の出身地である都城市周辺では「どげんか」が使われる一方、宮崎市などでは「どんげか」という表現が一般的です。また、2026年には東国原氏が宮崎県知事選への再挑戦を表明し、「どげんかせんといかんリターンズ」というキャッチフレーズの候補にも言及しました。誕生から約19年を経た今、この言葉は再び政治の場で注目されています。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 意味:「どうにかしなければならない」という意味の宮崎県南西部などで使われる方言。
- 由来:2007年2月15日の東国原英夫氏による宮崎県議会での所信表明演説をきっかけに全国へ広まった。
- 流行語大賞:2007年12月3日、「ハニカミ王子」とともに年間大賞を受賞。
- 地域差:都城・小林・えびの周辺では「どげんか」、宮崎市などでは「どんげか」が使われる傾向がある。
- 2026年の動向:東国原氏の宮崎県知事選への再挑戦に伴い、フレーズが再び政治的な文脈で登場している。
【意味を解説】「どげんかせんといかん」は標準語で何という?
「どげんかせんといかん」を標準語に直すと、「どうにかしなければならない」「何とかしないといけない」という意味になります。
単に困っている状況を説明するだけではなく、現状を変える必要性や、問題を解決しようとする意思を表現する言葉です。個人の生活から地域社会、行政の課題まで、幅広い場面で使える表現です。
「どげん」「せんと」「いかん」の意味を分解
言葉を構成する部分に分けると、意味がより分かりやすくなります。
- どげん:どう、どのように。
- か:何らかの方法で、どうにか。
- せんと:しないと。
- いかん:いけない、だめだ。
つまり、「どげんかせんといかん」は「どうにかすることをしないといけない」という構造です。自然な標準語に置き換えれば、「何とかしなければならない」となります。
「どげん」の意味は「どう」だけではない?
「どげん」は、物事の状態や方法を尋ねたり説明したりするときに使われる方言です。標準語の「どう」「どのように」に相当します。
例えば、「どげんすっと?」なら「どうするの?」、「どげんしたと?」なら「どうしたの?」という意味になります。
このように、「どげん」は単独でも使える言葉です。「どげんかせんといかん」という有名なフレーズだけを覚えるよりも、基本となる意味を理解すると、宮崎弁の会話が分かりやすくなります。

【2007年の歴史】東国原英夫氏の県議会演説から流行語大賞まで
「どげんかせんといかん」が全国的に知られるようになった背景には、2007年の宮崎県政の大きな転換がありました。
当時の宮崎県では、前知事が官製談合事件を受けて辞職し、県政への信頼回復が重要な課題になっていました。その状況で知事選に立候補したのが、タレントの「そのまんま東」として知られていた東国原英夫氏です。
東国原英夫氏が宮崎県知事に就任
2007年1月21日、宮崎県知事選挙で東国原氏が当選しました。そして、同月23日に第52代宮崎県知事に就任します。
当時、芸能界で知名度のあった人物が地方自治体のトップに就いたことは大きな話題となりました。東国原氏は知事就任後、宮崎県の知名度向上や県産品の販売促進にも積極的に取り組みました。
2007年2月15日の県議会所信表明演説
大きな転機となったのが、2007年2月15日に開かれた宮崎県議会2月定例会です。東国原氏は知事就任後、初めての定例県議会に臨み、所信表明演説を行いました。
この演説では、県政への信頼回復や県民参加型の行政運営を掲げ、「県民総力戦による県づくり」を基本理念として説明しました。
具体的には、次の3つが県政運営の柱として示されています。
- 県民との協働
- 意識改革と新たな発想
- 宮崎の潜在能力の発揮と情報発信
この演説で使われた「宮崎をどげんかせんといかん」というフレーズが報道を通じて広まり、東国原氏と宮崎県を象徴する言葉になりました。
2007年12月3日、新語・流行語大賞の年間大賞を受賞
同年12月3日、「現代用語の基礎知識選・ユーキャン新語・流行語大賞」の年間大賞が発表されました。
選ばれたのは「(宮崎を)どげんかせんといかん」と、プロゴルフ選手の石川遼氏の愛称「ハニカミ王子」です。東国原氏は表彰式にも出席し、方言が全国的に認知されたことへの喜びを語りました。
当時の日刊スポーツが伝えた選考理由には、次の評価が記されています。
「知事選で簡明に訴えたお国言葉のフレーズが、日本中の老若男女の琴線に触れた」
地域の言葉を使った短いメッセージが、地方の問題意識を全国に伝えたことが受賞の大きな理由でした。
2007年から2026年までの主な出来事
| 時期 | 人物・出来事 | 意味・関係性 |
|---|---|---|
| 2007年1月21日 | 東国原英夫氏が宮崎県知事選で当選 | 政治家としての新たなスタート |
| 2007年1月23日 | 第52代宮崎県知事に就任 | 県政改革と地域振興に着手 |
| 2007年2月15日 | 県議会で所信表明演説 | 「どげんかせんといかん」が全国的な話題になる契機 |
| 2007年12月3日 | 新語・流行語大賞の年間大賞 | 「ハニカミ王子」とともに受賞 |
| 2011年1月 | 知事の任期満了 | 1期4年の県政運営を終える |
| 2022年12月 | 宮崎県知事選に再出馬 | 現職の河野俊嗣氏に敗れる |
| 2026年4月9日 | 次期宮崎県知事選への出馬を正式表明 | 「どげんかせんといかんリターンズ」に言及 |
| 2026年12月27日 | 宮崎県知事選挙の投票予定日 | 県の今後を決める選挙として注目される |
この経緯から分かるのは、「どげんかせんといかん」が単なる芸能人の決めゼリフではなかったということです。県政の立て直し、地方の存在感、地域住民との協働という政治的なメッセージが込められていました。
【宮崎弁の地域差】「どげんか」と「どんげか」は何が違う?
「どげんかせんといかん」をめぐって、2008年には興味深い話題が持ち上がりました。宮崎県民の間で「どげんか」ではなく「どんげか」と言う地域があることが報じられたのです。
これは、どちらかが間違っているという話ではありません。宮崎県の方言には地域差があり、東国原氏が使った言葉も、その出身地に根差した表現だったのです。
都城市・小林市・えびの市では「どげんか」
東国原氏は宮崎県都城市の出身です。宮崎県南西部の都城市、小林市、えびの市などでは「どげんか」という表現が使われています。
この地域の言葉は「諸県方言」と呼ばれ、歴史的には旧薩摩藩の地域で話されていた薩隅方言系の特徴を持っています。隣接する鹿児島県の方言とも共通点があります。
そのため、東国原氏の「どげんかせんといかん」は、出身地の言葉を使って自分の考えを率直に表現したフレーズだったと理解できます。
宮崎市などでは「どんげか」が一般的
一方、宮崎市を含む県内の広い地域では「どんげか」という表現が使われます。
2008年2月20日付のJ-CASTニュースでは、この違いが取り上げられ、宮崎県の広報担当者も、宮崎市では「どんげ」という言い方が多く、都城や小林などでは「どげん」が使われることが多いと説明しています。
つまり、宮崎県内で「どげんか」と「どんげか」のどちらが正しいかを争う必要はありません。どちらも地域に根差した方言表現です。
宮崎県の方言は大きく2つの系統に分かれる
宮崎県の方言を理解するうえでは、「日向方言」と「諸県方言」という大きな区分が参考になります。
- 日向方言:宮崎県の広い範囲で使われる方言。豊日方言系に属する。
- 諸県方言:都城市、小林市、えびの市など県南西部を中心に使われる方言。薩隅方言系に属する。
宮崎大学の研究者による都城市の言語動態の研究でも、宮崎県方言を日向方言と諸県方言に大別する区分が説明されています。県内で異なる言い回しが存在するのは、歴史的な地域区分や周辺地域との言語的なつながりが背景にあるためです。
なお、方言の境界は行政区画と完全に一致するものではありません。市町村や世代、家庭環境によっても話し方は異なります。

【使い方と例文】「どげんかせんといかん」は日常会話でどう使う?
「どげんかせんといかん」は、何か問題が起きたときや、改善が必要な状況で使える表現です。基本的には「このままではいけない」「何とかしなければ」という気持ちを伝えます。
日常生活での宮崎弁の例文
例文1:部屋が散らかっているとき
「この部屋の散らかり、どげんかせんといかんね」
標準語:「この部屋の散らかり、何とかしないといけないね」
例文2:仕事が予定どおり進まないとき
「このままじゃ納期に間に合わん。どげんかせんといかん」
標準語:「このままでは納期に間に合わない。何とかしなければならない」
例文3:地域の問題について話すとき
「若い人が減っちょる。この地域の将来をどげんかせんといかん」
標準語:「若い人が減っている。この地域の将来を何とかしなければならない」
仕事やビジネスの場面でも使える?
意味そのものはビジネス上の課題にも当てはまります。ただし、方言なので、相手や場面によって使い分けることが大切です。
宮崎出身者同士の会話や親しい関係であれば自然に使えます。一方、正式な会議資料や行政文書では「改善策を講じる必要がある」「早急な対応が求められる」といった標準語のほうが適切です。
また、宮崎県出身ではない人が冗談として使う場合には、相手によっては方言をからかっているように受け取られる可能性もあります。言葉の意味だけでなく、地域への敬意も意識したいところです。
【2026年の現在】「どげんかせんといかん」は今も使われている?
2007年の流行語大賞から約19年。現在、この言葉は当時のような全国的な流行の中心ではありませんが、宮崎県を象徴するフレーズとして認知されています。
使われ方は大きく分けて2つあります。1つは宮崎県南西部などで使われる地域の方言としての用法。もう1つは、全国的に知られた政治的なキャッチフレーズや引用表現としての用法です。
2026年、東国原氏が「リターンズ」に言及
2026年4月9日、東国原英夫氏は宮崎市内で記者会見を開き、次期宮崎県知事選への立候補を正式に表明しました。
MRT宮崎放送の報道によると、会見ではキャッチフレーズの候補として「どげんかせんといかんリターンズ」という言葉に言及しています。
東国原氏は、宮崎県の衰退を出馬理由に挙げ、農林水産業や観光産業に加えて製造業を新たな基幹産業として育て、県内経済の底上げを目指す考えを説明しました。
今回の発言は、2007年に知事として掲げたメッセージを、再び県政への挑戦と結び付けたものとして興味深い動きです。
2026年12月27日の宮崎県知事選にも注目
宮崎県選挙管理委員会は、2026年12月27日を知事選挙の投票日と決定しています。告示日は12月10日です。
今回の選挙では、現職の河野俊嗣氏が5選を目指すほか、東国原氏や元県議の右松隆央氏も立候補を表明しています。
2007年の「どげんかせんといかん」が県政の立て直しを訴える言葉だったのに対し、2026年の東国原氏は産業構造の転換や経済活性化を課題として掲げています。同じフレーズでも、時代によって訴える政策課題が変化している点は見逃せません。
現在の使われ方から見える言葉の変化
このフレーズの特徴は、政治的な意味と日常的な意味を両立していることです。
全国の人にとっては、東国原氏や2007年の流行語大賞を思い出す言葉です。一方、宮崎県内では地域の方言としての背景があります。
また、何かを改善したいときに、少し親しみやすく、ユーモアを交えて「どげんかせんといかん」と表現することもできます。
流行語としてのブームが終わっても、地域の言葉と政治的な記憶が結び付いているため、単純に過去の流行語として片付けられない表現なのです。

【プロの結論】「どげんかせんといかん」が今も記憶に残る3つの理由
「どげんかせんといかん」が約19年にわたって記憶されている理由は、単に語感が面白かったからではありません。言葉の構造、発信者の知名度、地方の課題を伝える力という3つの要素が重なっています。
1. 短い言葉に問題意識と行動の意思が詰まっている
「どうにかしなければならない」という意味は、誰もが理解できる普遍的なものです。しかも、短いフレーズの中に現状への危機感と改善への意思が含まれています。
政治的なメッセージとしても、長い政策説明より覚えやすく、報道や会話の中で繰り返し引用しやすい特徴があります。
2. 地方の言葉が全国に届く象徴的な出来事だった
当時の東国原氏は、宮崎県の知名度向上に力を入れていました。県産マンゴーや地鶏などのPRにも積極的に取り組み、知事自身が全国メディアに出演して地域の魅力を発信しました。
その活動の中で、宮崎の方言が全国的に認知されたことには大きな意味があります。標準語ではなく、地元の言葉だからこそ伝わる親近感や個性があったのです。
3. 地域の問題を自分自身の課題として考えさせる
「どげんかせんといかん」は、誰かに問題解決を押し付ける表現ではありません。自分たちが何とかしなければならないという当事者意識を感じさせます。
これは2007年の所信表明演説で掲げられた「県民総力戦による県づくり」という考え方とも重なります。
言葉の本質は、方言の珍しさではなく、地域の課題を自分たちの問題として捉え、行動につなげようとする姿勢にあります。
また、宮崎県の言葉を理解する際には、「どげんか」だけを宮崎弁の代表形と考えないことも大切です。都城周辺の諸県方言と宮崎市周辺の日向方言の違いを知ることで、同じ県内にも多様な言語文化があることが分かります。
【よくある質問】どげんかせんといかんに関するFAQ
Q1:「どげんかせんといかん」は標準語で何という意味ですか?
A1:「どうにかしなければならない」「何とかしないといけない」という意味です。問題を解決したいときや、現状を改善する必要があるときに使います。
Q2:「どげんかせんといかん」と「どんげかせんといかん」の違いは何ですか?
A2:主に地域による言い方の違いです。都城市、小林市、えびの市などの県南西部では「どげんか」、宮崎市などでは「どんげか」が使われる傾向があります。基本的な意味は同じです。
Q3:「どげんかせんといかん」は誰が言い始めたのですか?
A3:全国的に広めた人物は、元宮崎県知事の東国原英夫氏です。2007年2月15日の県議会での所信表明演説をきっかけに注目されました。ただし、言葉そのものは以前から地域で使われていた方言です。
Q4:2007年の流行語大賞では単独で受賞したのですか?
A4:単独ではありません。「(宮崎を)どげんかせんといかん」と「ハニカミ王子」の2つが年間大賞に選ばれています。
Q5:2026年現在も使われている言葉ですか?
A5:はい。地域の方言としての使用に加え、東国原氏の政治活動を象徴する表現としても知られています。2026年4月の宮崎県知事選への出馬表明では「どげんかせんといかんリターンズ」という表現にも言及しました。
まとめ:「どげんかせんといかん」は宮崎の言葉と地方の挑戦を象徴するフレーズ
「どげんかせんといかん」は、「どうにかしなければならない」という意味を持つ宮崎県南西部などの方言です。2007年、東国原英夫氏が宮崎県知事として県議会で所信表明演説を行ったことをきっかけに全国へ広まり、同年の新語・流行語大賞の年間大賞に選ばれました。
その背景には、都城市周辺で使われる「どげんか」と、宮崎市などで使われる「どんげか」という地域差もあります。どちらかが正しいというわけではなく、宮崎県の歴史や地域文化を反映した違いです。
そして2026年、東国原氏の知事選への再挑戦によって、このフレーズは再び注目を集めています。
言葉の意味を知るだけでなく、その背景にある地域の歴史、政治、文化を理解すると、「どげんかせんといかん」が長く記憶されている理由も見えてきます。地方の課題を自分たちの問題として捉え、何とかしようとする。その姿勢こそ、この言葉が今も持ち続けている本質的な意味です。
主な事実確認資料: 宮崎県議会関連資料、国立国語研究所の日本語ブックレット、宮崎大学の方言研究、三省堂「ことばのコラム」、日刊スポーツ、J-CASTニュース、MRT宮崎放送、宮崎県選挙管理委員会の公表資料。
(出典: ど げんか せん と いかん(Yahoo!ニュース))