【2026年シーズン総括】広島カープは61勝78敗4分で4位、何が足りなかったのか
2026年のセ・リーグは全143試合が終了し、広島は4位でシーズンを終えた。上位3球団との差は大きく、勝率も.439にとどまった。
NPB公式の最終順位は次のとおり。
- 1位:阪神タイガース(79勝62敗2分、勝率.560)
- 2位:読売ジャイアンツ(76勝64敗3分、勝率.543)
- 3位:横浜DeNAベイスターズ(71勝69敗3分、勝率.507)
- 4位:広島東洋カープ(61勝78敗4分、勝率.439)
- 5位:東京ヤクルトスワローズ(61勝80敗2分、勝率.433)
- 6位:中日ドラゴンズ(60勝81敗2分、勝率.426)
広島は5位ヤクルトと勝利数では並んだものの、勝率の差で4位となった。首位阪神とのゲーム差は17.0。上位争いに加われなかったことは、来季のチームづくりに重い課題を残している。
MAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島でも苦戦
本拠地のMAZDA Zoom-Zoomスタジアム広島での成績は34勝36敗1分。ロードでは27勝42敗3分だった。
ホームでも勝ち越せず、遠征先ではさらに苦しい数字となった。特にロードでの戦い方は、来季の改善ポイントの一つだ。
2026年のレギュラーシーズン最終戦は10月7日の阪神戦。延長11回の末に1対2でサヨナラ負けを喫し、143試合の戦いを終えた。
現在は公式戦のないオフシーズンに入っており、試合結果速報で追うべき中心テーマも、選手のFA、契約更改、秋季キャンプへと移っている。
【チーム成績を徹底分析】打率.223、防御率3.39が示す投打の問題
順位だけでは、2026年のカープが抱えていた問題の全体像は見えてこない。
NPBの公式チーム成績を確認すると、特に打撃面の苦戦が目立つ。
チーム打率はセ・リーグ最下位
広島の2026年チーム打率は.223。143試合で1058安打、431得点、91本塁打という成績だった。
いずれもリーグ内で最も厳しい数字となっている。
| 指標 | 2026年広島の成績 |
|---|---|
| チーム打率 | .223 |
| 安打 | 1,058 |
| 得点 | 431 |
| 本塁打 | 91 |
| 打点 | 406 |
| 盗塁 | 73 |
| 出塁率 | .288 |
問題は単純な安打数だけではない。
得点が431にとどまったことからも、走者を出した後に得点へ結び付ける力が不足していたことがうかがえる。
本塁打も91本にとどまり、長打によって試合の流れを変える攻撃力にも課題が残った。
坂倉将吾は15本塁打、74打点を記録し、打点ではチームトップだった。こうした中軸の打撃を、ほかの打者がどれだけ支えられるかが来季の焦点になる。
投手陣は防御率3.39、先発の再編が焦点
投手成績は防御率3.39。リーグでは中日を下回る5番目の数字だった。
一方、奪三振は1083。143試合で一定の三振を奪う力は示している。
ただし、失点は520。打線の援護が少ない試合では、投手陣がわずかな失点を防ぎ続けなければならない展開も生まれる。
来季は先発投手の質と層を維持しながら、救援陣も含めた投手運用を見直す必要がある。
特に森下暢仁と床田寛樹がFA宣言したことは、投手編成に直接影響する問題だ。両投手が残留するかどうかによって、補強の優先順位も変わってくる。
【2026年オフ最大の焦点】森下暢仁・坂倉将吾・床田寛樹のFA問題
11月6日現在、カープのオフシーズンを最も大きく揺さぶっているのが、国内FA権をめぐる動きだ。
今季、新たに国内FA権を取得した森下暢仁、坂倉将吾、床田寛樹の3選手が、全員権利を行使することになった。
同一球団から同一年に3選手がFA宣言するのは、広島では球団史上初の事態だ。
FA宣言した3選手の成績と現状
| 選手 | 2026年の主な成績 | FAの動き | チームへの影響 |
|---|---|---|---|
| 森下暢仁 | 7勝11敗、防御率3.60 | 11月4日行使表明 | 先発ローテーションの柱 |
| 坂倉将吾 | 打率.251、15本塁打、74打点 | 11月5日行使 | 中軸打者、捕手・内野の戦力 |
| 床田寛樹 | 8勝6敗、防御率2.76 | 11月6日行使 | チーム最多勝の先発投手 |
森下暢仁:残留か移籍か、本人も決断を保留
背番号18・投手
森下は2019年度ドラフト1位で明治大学から広島に入団。2020年には10勝を挙げて新人王を獲得し、東京五輪でも侍ジャパンの一員として金メダル獲得に貢献した。
2026年は23試合に登板し、7勝11敗、防御率3.60。数字だけを見れば苦しいシーズンだったが、これまで3度の2桁勝利を記録している実績ある先発投手だ。
11月4日、球団は森下のFA権行使を公式発表した。
本人は球団から残留を求められていることを明かしつつ、自分の中でも結論は出ていないと説明している。
ここで重要なのは、FA宣言がそのまま退団を意味するわけではないことだ。
広島はFA宣言後の残留を認める方針を示している。森下が他球団の評価を聞いたうえで、広島に残る可能性もある。
坂倉将吾:打点チームトップの主力捕手がFA行使
背番号31・捕手
坂倉は2026年に140試合へ出場し、打率.251、15本塁打、74打点を記録した。
特に74打点はチームトップ。打線の中核を担った選手であり、打撃面での存在感は大きかった。
一方、今季は捕手だけでなく一塁や三塁での起用も増えた。スポーツ報道によると、一塁で56試合、三塁で65試合に先発出場している。
11月5日、坂倉は国内FA権を行使。本人は、これまで頑張ってきたことがどのように評価されるのかを知りたいという趣旨の説明をしている。
今回のFA問題では、移籍先の球団だけでなく、本人がどのようなポジションと役割を求めているかも重要になる。
坂倉が残留すれば打線の中核を維持できる。一方、移籍となれば、74打点を記録した打者の穴をどう埋めるかが編成上の大きな課題となる。
床田寛樹:チーム最多勝投手もFA権を行使
背番号19・投手
当初は森下、坂倉とともに権利行使を熟考していた床田も、11月6日に国内FA権を行使すると球団が発表した。
2026年は8勝6敗、防御率2.76。チーム最多勝を記録し、4年連続で規定投球回に到達した。
本人はFA行使について、他球団の話を聞いてから決めたいという意向を示している。
床田が移籍すれば、森下と合わせて先発ローテーションの再構築が必要になる。特に防御率2点台の先発投手を補うことは簡単ではない。
FA宣言後のスケジュールは?
2026年のFA手続きは、11月9日までが申請期間。11月10日にFA宣言選手が公示され、11月11日から他球団との契約交渉が解禁される。
つまり、11月6日の時点では3選手とも移籍先が決まったわけではない。
カープ側も宣言残留を認める方針であり、今後の交渉内容が来季のチーム編成を大きく左右する。
【新井貴浩監督の最新情報】11月5日開始の秋季キャンプで若手強化へ
監督・2027年も続投予定
新井貴浩監督は2027年も指揮を執る方針となっており、来季は就任5年目を迎える。
2023年の監督就任1年目には2位となったものの、その後はBクラスが続いた。2026年も4位に終わり、チーム再建を求められる状況だ。
10月9日のオーナー報告後、新井監督は若手選手の成長に期待を示し、秋季練習や秋季キャンプでさらなる強化を図る考えを明らかにした。
また、外国人選手の補強やドラフトについても球団側と話し合ったことが報じられている。
秋季キャンプは宮崎県日南市の天福球場
広島の2026年度秋季キャンプは、11月5日から11月21日まで宮崎県日南市の天福球場で開催される。
球団公式発表によると、参加選手は28人。内訳は次のとおりだ。
- 投手:12人
- 捕手:2人
- 内野手:11人
- 外野手:3人
投手では黒原拓未、玉村昇悟、岡本駿、斉藤優汰らが参加。野手では林晃汰、仲田侑仁、勝田成、中村奨成らが名を連ねている。
休養日は11月9日、13日、17日。11月8日には侍ジャパンとの練習試合も予定されている。
秋季キャンプで注目したい3つのポイント
1. 若手投手の先発候補育成
森下、床田のFA問題があるため、若手投手が先発ローテーションに食い込めるかが重要だ。
特に玉村昇悟、斉藤優汰、岡本駿らがどのような成長を見せるかに注目したい。
2. 林晃汰ら野手の打撃強化
チーム打率.223という結果を受け、打撃面の改善は避けられない。
若手野手が単打を重ねるだけでなく、長打や得点圏での打撃を伸ばせるかがポイントになる。
3. 守備とポジション争い
坂倉のFA問題もあり、捕手を含めたポジションの再編が必要になる可能性がある。
若手捕手の持丸泰輝、小林結太にとっても、実戦経験を積む機会として重要なキャンプになる。
【契約更改・退団情報】2027年に向けたカープの編成はどう変わる?
FA問題と並んで見逃せないのが、既存選手の契約状況だ。
2026年10月以降、広島では複数選手の来季契約に関する発表が続いている。
10月1日:4選手に来季契約を結ばないと通告
球団公式発表では、次の4選手に対し、来季の契約を結ばないことが伝えられた。
- 矢野雅哉(内野手)
- 小園海斗(内野手)
- 前川誠太(内野手)
- 田村俊介(外野手)
特に小園海斗の名前は、内野陣の編成を考えるうえで大きな話題となる。
ここで注意したいのは、球団から来季契約を結ばないと通告されたことと、FA権行使による移籍は別の手続きだという点だ。
小園の件を森下、坂倉、床田のFA問題と同じものとして扱うことはできない。
10月24日:さらに6選手の契約終了
球団公式オンラインストアでは、契約終了となる選手の関連商品の販売終了が告知された。
対象となったのは次の6選手だ。
- ケムナ誠
- 長谷部銀次
- 松本竜也
- 日髙暖己
- 中村貴浩
- 辻大雅
育成選手についても10月26日に杉原望来、M.ラミレス、N.ロベルトの自由契約が球団から発表されている。
こうした動きを見ると、2027年に向けて選手の入れ替えが進んでいることが分かる。
ただし、契約終了と退団の公表、FA宣言、他球団への移籍決定は、それぞれ異なる段階にある。正式な移籍先が発表されるまでは、退団確定と混同しないことが大切だ。
来季の補強で優先すべきポジション
2026年の数字と現在のFA問題を踏まえると、広島が取り組むべき補強は大きく3つある。
先発投手の補強
森下、床田の残留が不透明な以上、先発陣の厚みを確保することが最優先課題となる。仮に両者が残留しても、シーズンを通じて安定して投げられる投手の確保は必要だ。
長打力のある野手の獲得
チーム本塁打91本、得点431という数字は、攻撃力の改善が急務であることを示している。
外国人選手の獲得やドラフトを通じて、打線の中核を担える選手を補強できるかが重要になる。
捕手と内野のポジション整理
坂倉の動向によって、捕手と内野の選手起用は大きく変わる。
単に代わりの選手を獲得するだけではなく、捕手としての守備力、打撃力、複数ポジションへの対応力を総合的に評価する必要がある。
【プロの結論】2027年の広島カープはFA残留と得点力改善が再建の分岐点
2026年の広島を振り返ると、順位低迷の背景には投手陣だけでなく、打線の得点力不足という明確な問題があった。
そして現在、そのチームを支えてきた3人の主力がFA権を行使している。
来季の巻き返しを考えるうえで、重要なのは次の4点だ。
1. 森下・床田の残留交渉: 先発ローテーションの中心をどこまで維持できるか。
2. 坂倉の去就: 74打点を記録した打者の穴をどう埋めるか。
3. 若手の成長: 秋季キャンプから春季キャンプにかけて、若手が一軍戦力になれるか。
4. 外国人・ドラフト補強: チーム打率と本塁打数を改善できる選手を獲得できるか。
特に注目したいのは、FA選手が全員移籍することを前提に補強を考えるのではなく、残留の可能性も含めて複数の編成シナリオを用意することだ。
FA宣言は選手が自分の市場価値を確認し、将来の選択肢を広げるための権利行使である。宣言した段階で移籍が決定したわけではない。
また、秋季キャンプでの若手育成は、即戦力補強と並ぶ重要な課題になる。補強だけでチームを再建するのではなく、既存戦力の底上げを同時に進めなければ、長いシーズンを戦い抜く戦力は整わない。
2027年のカープは、新井監督にとって就任5年目のシーズン。2026年の4位からどこまで順位を押し上げられるかは、11月のFA交渉と秋季キャンプの成果に大きく左右される。
【広島カープニュース】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:広島カープの2026年の最終順位は何位?
A1:セ・リーグ4位です。143試合で61勝78敗4分、勝率.439でした。
Q2:森下暢仁は2026年にFA権を行使した?
A2:はい。11月4日に国内FA権の行使を球団が発表しました。ただし、移籍先は決まっておらず、残留の可能性もあります。
Q3:坂倉将吾と床田寛樹もFA宣言した?
A3:はい。坂倉は11月5日、床田は11月6日に国内FA権の行使を表明しました。今季新たに国内FA権を取得した広島の3選手全員が権利を行使したことになります。
Q4:広島カープの秋季キャンプはいつから?
A4:2026年11月5日から21日まで、宮崎県日南市の天福球場で開催されます。参加メンバーは28人です。
Q5:新井貴浩監督は2027年も続投する?
A5:続投する方針となっており、2027年は就任5年目を迎えます。若手の強化と外国人選手・ドラフトを含めた補強が重要なテーマです。
Q6:広島カープの2026年のチーム打率と防御率は?
A6:チーム打率は.223、防御率は3.39です。打率はセ・リーグ最下位で、得点力の改善が来季の課題となっています。
Q7:2027年に向けた補強のポイントは?
A7:先発投手の確保、長打力のある野手の獲得、捕手・内野のポジション整理が主なポイントです。特に3選手のFA交渉結果が編成を左右します。
まとめ:広島カープの2027年はオフの決断が勝負を分ける
2026年の広島東洋カープは61勝78敗4分の4位でシーズンを終えた。チーム打率.223、チーム防御率3.39という数字からも、投打両面の改善が必要なことは明らかだ。

11月6日現在、森下暢仁、坂倉将吾、床田寛樹の3選手が国内FA権を行使。全員が残留する可能性も、他球団へ移籍する可能性も残されている。FA交渉の結果は、2027年のチーム構成を決める最大の要素になる。
一方、11月5日に始まった秋季キャンプでは、28人の選手が新シーズンに向けた強化に取り組んでいる。新井貴浩監督の5年目の挑戦は、若手の成長と効果的な補強を両立できるかにかかっている。
カープの巻き返しを判断するうえでは、FA選手の最終決断だけでなく、打線の長打力、先発陣の層、若手の一軍定着という3つの変化を継続的に追うことが重要だ。2027年のAクラス復帰、そして優勝争いへの再挑戦に向け、これからのオフシーズンの動きに注目したい。 (出典: 広島 カープ ニュース(Yahoo!ニュース))