【自民党総裁選】次の総理大臣を決めるのは誰?選挙の仕組みと2027年の焦点
次の首相を考えるうえで、最も重要な政治イベントの一つが自民党総裁選だ。ただし、自民党総裁選と首相指名選挙は別の選挙である。この違いを理解しておくと、後継者をめぐるニュースが格段に読みやすくなる。

2025年の総裁選で高市早苗氏が勝利
2025年10月4日の自民党総裁選には、高市早苗氏、小泉進次郎氏、林芳正氏、小林鷹之氏、茂木敏充氏の5人が立候補した。
第1回投票では高市氏が183票、小泉氏が164票を獲得。過半数に届かなかったため、上位2人による決選投票に進んだ。
決選投票の結果は次のとおりだ。
- 高市早苗氏:185票(国会議員票149票、都道府県票36票)
- 小泉進次郎氏:156票(国会議員票145票、都道府県票11票)
高市氏は国会議員票で小泉氏をわずかに上回り、地方票でも大きく差をつけて勝利した。この結果は、国会議員の支持だけでなく、地方組織や党員の支持を集めることが総裁選で重要であることを示している。
自民党総裁選の仕組み
自民党総裁選は、自民党の代表を選ぶ党内選挙だ。基本的には国会議員による投票と、全国の党員・党友による投票を組み合わせて総裁を決める。
自民党が公表する総裁公選の仕組みでは、総裁の任期は原則3年。議員票と党員票を合算し、過半数を得た候補者が当選する。過半数に届く候補者がいなければ、上位2人による決選投票が行われる。
2026年9月のテレビ朝日の調査では、高市総裁の任期は残り1年と説明されていた。したがって、2027年を見据えた総裁選への関心が高まるのは自然な流れだ。ただし、具体的な投票日や候補者は別途正式に決まるものであり、現時点の世論調査だけで次期総裁を確定することはできない。
総裁になれば自動的に首相になれる?
答えはNOだ。
自民党総裁に選ばれても、その人物が自動的に内閣総理大臣になるわけではない。首相になるには、国会での首相指名選挙を経る必要がある。
自民党が衆議院で大きな議席を持っている場合、自民党総裁が首相に指名される可能性は高くなる。しかし、憲法上、首相を選ぶのは自民党ではなく国会だ。連立相手との関係や、衆参両院の議席構成も関係してくる。
【日本維新の会との連立】高市政権を支える議席と今後の政治力学
次の首相を予測するうえで、自民党内の人事と同じくらい重要なのが、日本維新の会との連立関係だ。
2025年10月20日、自民党と日本維新の会は連立政権の合意書に署名した。自民党の公式発表によれば、合意には12項目の政策が盛り込まれ、物価高対策、社会保障、外交・安全保障、エネルギー政策、食料安全保障、政治改革などが対象となった。
これまでの自公連立を中心とする政権運営から、自民党と日本維新の会を軸にする枠組みへ移行したことは、2026年の政局を理解する重要なポイントだ。
2026年衆議院選挙で与党は大幅に議席を拡大
2026年2月8日の衆議院選挙では、自民党が316議席、日本維新の会が36議席を獲得した。選挙結果に基づく与党合計は352議席で、定数465の衆議院における過半数233を大幅に超えた。
衆議院の9月28日現在の会派別議員数では、自民党・無所属の会が315人、日本維新の会が36人となっている。選挙結果とその後の会派構成は基準日が異なるため、数字を混同しないことも大切だ。
この議席構成は、高市政権にとって大きな強みである。野党が内閣不信任決議案を提出しても、与党側の議員が結束して反対すれば可決は難しい。もちろん、与党内部で意見が分かれれば状況は変わるが、現状の議席数だけを見ると政権交代のハードルは高い。
連立相手の維新が次の首相選びに与える影響
日本維新の会は、単なる選挙協力の相手ではない。政策合意を通じて政権運営に関与するパートナーであり、次の首相が誕生する場合にも重要な存在となる。
仮に自民党総裁が交代した場合、維新側が新しい総裁の政策方針をどこまで受け入れるかが焦点になる。現行の連立合意を維持するのか、条件の再調整を求めるのかによって、次の内閣の政策や国会運営は変わる。
とりわけ、政治改革や社会保障、憲法改正、外交・安全保障といった分野では、両党の政策的な一致と相違が政権の安定性を左右する。
つまり、次の首相候補を評価するときは、自民党内でどれだけ支持されているかだけでなく、日本維新の会との信頼関係を築けるかも確認したい。
【日本国憲法第67条】首相指名選挙で次の総理大臣が決まる仕組み
次の首相を最終的に決めるのは、国会で実施される首相指名選挙だ。その根拠となるのが日本国憲法第67条である。
同条では、内閣総理大臣は国会議員の中から国会の議決によって指名すると定めている。つまり、国民が直接首相に投票する制度ではなく、国民が選んだ国会議員が首相を選ぶ議院内閣制を採用している。
首相指名選挙の基本的な流れ
- 内閣総辞職などが発生:首相交代に伴い、新しい首相を選ぶ必要が生じる。
- 衆議院で指名投票:衆議院議員が首相候補に投票する。
- 参議院でも指名投票:参議院も独自に候補者を指名する。
- 両院の結果を調整:異なる候補者が選ばれた場合は両院協議会を開く。
- 衆議院の優越を適用:協議がまとまらない場合など、憲法の条件に従って衆議院の議決が国会の議決となる。
- 内閣総理大臣に任命:国会の指名を受けた人物が天皇によって任命される。
衆議院と参議院で異なる人物が指名された場合、両院協議会でも意見が一致しないとき、または衆議院の議決後、国会休会中の期間を除いて10日以内に参議院が指名の議決をしないときは、衆議院の議決が国会の議決となる。
このため、衆議院で安定した多数を確保している政党や連立与党は、首相指名選挙で大きな影響力を持つ。
首相指名選挙で重要なのは衆議院の議席数
2026年の衆議院選挙で自民党が316議席を獲得したことは、次の首相選びにも影響する。
自民党内で総裁が交代しても、衆議院の多数派が新しい総裁を支持すれば、その人物が首相に指名される可能性が高い。逆に、党内で総裁を選んでも、国会で十分な支持を確保できなければ、首相指名をめぐって調整が必要になる。
ただし、衆議院の議席数だけで全てが決まるわけではない。参議院の勢力図や連立相手の意向、国会議員個人の投票行動も無視できない。
首相は国民投票で直接選ばれるのか?
日本では首相を直接選ぶ国民投票は実施されない。衆議院選挙や参議院選挙で選出された国会議員が、国会の場で首相を指名する。
したがって、衆議院選挙で与党が大勝した場合でも、選挙の投票用紙に書かれた候補者がそのまま首相になるわけではない。国会での指名という手続きが必ず必要になる。
【首相交代の条件】高市早苗首相が退任するのはどんなとき?
高市首相から次の総理大臣へ交代するには、いくつかの政治的・憲法上の経路がある。ニュースで「退陣論」「総裁選前倒し」「内閣不信任案」といった言葉が出た場合、それが実際の交代につながるのかを見極めたい。
条件1:高市首相が自ら辞任する
首相本人が辞任を決断すれば、内閣総辞職を経て、新しい首相を選ぶ手続きに進む。
政治的な責任、健康上の事情、政権運営の判断など、辞任の理由はさまざまだ。首相が辞任を表明しただけで次の首相が自動的に決まるわけではなく、国会での首相指名選挙が必要となる。
条件2:自民党総裁選で別の人物が勝利する
高市首相が総裁を退く場合や、任期満了に伴って総裁選が実施される場合、新しい自民党総裁が選ばれる可能性がある。
ただし、自民党総裁が変わっただけで首相の地位が自動的に移るわけではない。新総裁が首相になるには、国会の指名を受けなければならない。
この仕組みを理解しておくことは重要だ。「次の自民党総裁」と「次の総理大臣」は政治的には重なることが多いが、制度上は別の役職・手続きである。
条件3:衆議院で内閣不信任決議案が可決される
日本国憲法第69条は、衆議院で内閣不信任決議案が可決された場合、または内閣信任決議案が否決された場合の対応を定めている。
この場合、内閣は10日以内に衆議院を解散するか、内閣総辞職するかを選ばなければならない。
したがって、不信任決議案が可決されても、その瞬間に首相が交代するわけではない。衆議院解散という選択肢が残されているからだ。
なお、内閣不信任決議案を提出することと、実際に可決されることは別問題である。与党が衆議院の多数を占める状況では、与党内部から相当数の造反が出ない限り可決は難しい。
条件4:衆議院選挙後に新しい国会が召集される
日本国憲法第70条では、衆議院議員総選挙後、初めて国会が召集されたときには内閣が総辞職しなければならないと定めている。
これは、選挙を通じて新しい衆議院の構成が決まった以上、新しい国会で改めて首相を指名するための制度だ。
選挙で与党が勝利し、従来の首相が再び指名される場合でも総辞職の手続きは必要になる。つまり、衆議院選挙は必ずしも政権交代を意味するわけではない。
条件5:首相が欠ける事態が発生する
首相が死亡するなどして職務を続けられなくなった場合も、憲法第70条に基づき内閣は総辞職する。
その後、新しい首相が任命されるまで、旧内閣は憲法第71条に基づいて引き続き職務を行う。行政の空白を避けるための仕組みだ。
次の首相を見極めるための5つの判断基準
政治ニュースを追う際は、次の5項目を確認すると、実際の政局の変化を把握しやすい。
- 自民党内の動き:総裁選の前倒しや、主要議員による支持表明があるか。
- 世論調査:内閣支持率だけでなく、自民党支持率や次期総裁に関する調査も確認する。
- 連立関係:日本維新の会が現政権や次期候補への支持を維持するか。
- 国会の議席構成:衆議院・参議院で与党がどの程度の協力関係を維持できるか。
- 正式な手続き:首相の辞任表明、総裁選の実施決定、首相指名選挙の日程が公表されたか。
特に注目したいのは、支持率と実際の議席数を分けて考えることだ。支持率が下がっても、与党が国会で多数を維持していれば政権は続けられる。逆に、支持率が高くても、党内対立や連立崩壊によって政権運営が困難になることはあり得る。
【次の首相に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:2026年11月現在、次の首相は誰ですか?
A1:2026年11月6日現在、次の首相は正式に決まっていない。現在の首相は第105代の高市早苗氏で、2026年2月18日に第2次高市内閣が発足している。小泉進次郎氏、林芳正氏、小林鷹之氏、茂木敏充氏らは後継候補として名前が挙がっているが、首相就任が決定した人物はいない。
Q2:次の総理大臣の最有力候補は小泉進次郎氏ですか?
A2:小泉氏は有力候補の一人だ。2026年9月のテレビ朝日の調査では、次の自民党総裁にふさわしい人物として21%を獲得した。ただし、同じ調査では高市氏が38%であり、質問も次期首相ではなく次期自民党総裁についてのものだった。小泉氏が最有力と確定したわけではない。
Q3:高市早苗首相はいつ交代する可能性がありますか?
A3:具体的な交代日は決まっていない。自民党総裁選、本人の辞任、内閣不信任決議案の可決、衆議院選挙後の国会召集などが交代につながる可能性がある。2026年9月の世論調査では総裁任期は残り1年と説明されており、2027年を見据えた総裁選が注目される。
Q4:自民党総裁選で勝てば、そのまま首相になれますか?
A4:自動的には首相になれない。総裁選は自民党の代表を選ぶ党内選挙であり、首相になるには日本国憲法第67条に基づく国会の指名が必要だ。
Q5:日本維新の会が連立を離脱したら首相は交代しますか?
A5:連立離脱だけで首相が自動的に交代するわけではない。自民党が衆議院で多数を維持できるか、ほかの政党と協力関係を築けるかによって政権の安定性が変わる。内閣不信任決議案が可決された場合には、憲法第69条に基づく対応が必要になる。
Q6:首相を決めるのは国民ですか、国会ですか?
A6:制度上、首相を指名するのは国会だ。国民は衆議院議員や参議院議員を選挙で選び、その国会議員が首相指名選挙を行う。日本では首相を直接選ぶ国民投票制度は採用されていない。
まとめ:次の首相を左右するのは総裁選・連立・国会の議席
2026年11月6日現在、次の首相は決まっておらず、高市早苗首相が引き続き政権を担っている。2026年2月の衆議院選挙で自民党が316議席を獲得し、日本維新の会と合わせて与党352議席となったことは、高市政権の大きな政治的基盤だ。
一方、次期総裁をめぐっては、小泉進次郎氏、林芳正氏、小林鷹之氏、茂木敏充氏らの名前が報道や世論調査で取り上げられている。2026年9月の調査では高市氏自身への続投支持も確認されており、後継者争いが決着したとはいえない。
今後の焦点は、2027年を見据えた自民党総裁選、内閣支持率の推移、日本維新の会との連立関係、そして国会での首相指名選挙だ。
歴代内閣総理大臣を振り返っても、首相交代は単なる人気投票ではなく、党内の勢力関係と国会の多数派形成によって実現してきた。次の首相を予測するときも、候補者の知名度だけではなく、誰が党内の支持を集め、連立相手と協力し、国会で指名を獲得できるかを見る必要がある。
現時点で最も確かな見方は、高市政権が直ちに交代する政治的必然性は見えておらず、次の首相をめぐる本格的な判断材料は、今後の総裁選と国会情勢にあるということだ。 (出典: 次 の 首相(Yahoo!ニュース))