【2026年最新統計】暴力団構成員1万7,600人、検挙7,335人の実態
警察庁が2026年4月に公表した「令和7年における組織犯罪の情勢」は、国内の暴力団をめぐる状況を把握するための基礎資料となる。
注目すべきなのは、構成員等の減少と、犯罪収益を得る手段の変化が同時に進んでいる点だ。
構成員等は21年にわたり減少
2025年末の暴力団構成員等は約1万7,600人。その内訳は次のとおりだ。
- 暴力団構成員:約9,400人
- 準構成員等:約8,200人
- 合計:約1万7,600人
前年末の約1万8,800人から約1,200人減少した。
ここで注意したいのは、「構成員」と「準構成員等」が別の区分であることだ。
準構成員等には、暴力団員ではないものの、組織の威力を背景に不法行為を行うおそれがある者や、資金・武器の供給などを通じて組織の維持運営に協力する者が含まれる。
したがって、構成員だけを数えても、暴力団の実質的な影響力は把握できない。
警察庁は、全国警察による集中的な取締りや暴力団排除活動の進展が、構成員の離脱につながったと分析している。
暴力団検挙人員は前年比11.1%減
2025年中の暴力団構成員等の検挙人員は7,335人だった。
| 統計項目 | 2024年 | 2025年 |
|---|---|---|
| 構成員等の検挙人員 | 8,249人 | 7,335人 |
| 前年比 | ― | 914人減 |
| 減少率 | ― | 11.1%減 |
検挙人員も減少しているが、これを犯罪リスクそのものの低下と直結させることはできない。
警察庁の分析では、平成7年以降、恐喝や賭博、ノミ行為等の検挙人員に占める割合が減少傾向にある一方、詐欺の割合は増加傾向にある。
従来型の威力を利用した資金獲得だけでなく、一般の経済活動に紛れ込む犯罪への対応が課題になっている。
2025年の数字から見える3つの変化
1. 組織の縮小:構成員等の総数は過去最少となり、主要団体の傘下組織でも解散・壊滅が進んだ。
2. 犯罪手法の変化:恐喝など従来型の犯罪に加え、詐欺や特殊詐欺が資金獲得手段として問題になっている。
3. 周辺組織との連携:匿名・流動型犯罪グループや外国人犯罪組織との接点が警察の重点的な分析対象となっている。
特に2025年には、70組織の暴力団が解散・壊滅し、所属していた構成員は119人だった。うち51組織は主要団体等の傘下組織である。
【主要団体の現在】六代目山口組・神戸山口組・池田組・絆會の勢力図
暴力団ニュースを理解するには、全国の構成員数だけでなく、主要団体の勢力関係を把握する必要がある。
警察庁が主要団体等として扱うのは、六代目山口組、神戸山口組、絆會、池田組、住吉会、稲川会の6団体だ。
2025年末の主要6団体の構成員等は約1万2,500人で、全国の約71%を占めている。
つまり、全国的な勢力縮小が進んでも、主要団体への集中は続いている。
主要6団体の構成員数・準構成員数
以下は2025年末の警察庁統計を基にした団体別の概数だ。
単位:人。前年比は構成員・準構成員それぞれの増減。
出典:警察庁の統計を基にしたnippon.comの集計。概数のため、合計値に端数差が生じる場合がある。
六代目山口組の現在
構成員約3,100人、準構成員約3,200人で、合計は約6,300人。全国の暴力団構成員等の約36%に相当する規模だ。
2015年8月末の分裂によって神戸山口組が結成され、その後、神戸山口組から絆會や池田組が分かれた。
分裂後の対立は、単なる組織名称の変更ではなく、組織の継承や勢力関係をめぐる問題として警察の重点的な監視対象になっている。
神戸山口組の現状
2025年末の構成員は約110人、準構成員等は約170人。合計約280人となり、六代目山口組との規模の差は大きい。
ただし、構成員数が少なくなったことだけで、対立関係や地域社会への影響が消えたわけではない。
池田組と絆會の動向
2025年末の構成員等は約70人。
一方、
両団体とも、六代目山口組との関係を含めた動向が注目されている。
主要団体の関係を理解するための整理
| 関係する団体 | 成立・変遷 | 2026年時点の注目点 |
|---|---|---|
| 六代目山口組 | 2015年の分裂前の母体 | 国内最大の勢力を維持 |
| 神戸山口組 | 2015年に分裂して結成 | 構成員の減少と対立関係 |
| 絆會 | 任侠山口組から改称 | 独立後の組織動向 |
| 池田組 | 2020年に神戸山口組から離脱を表明 | 独立団体としての活動 |
| 住吉会 | 関東を代表する主要団体 | 全国第2位の構成員規模 |
| 稲川会 | 関東を代表する主要団体 | 薬物事犯などの資金獲得犯罪 |
この関係図で重要なのは、分裂後の各団体を一括りにしないことだ。成立の経緯、現在の勢力、警察による指定の状況は、それぞれ区別して把握する必要がある。
【暴力団事件一覧・2026年最新速報】注目事件の経緯と捜査状況
2026年の暴力団関連ニュースでは、薬物事件、恐喝事件、特殊詐欺をめぐる民事訴訟、過去の重大事件の裁判など、異なる性質のニュースが相次いでいる。
ここでは、2026年11月6日までに報道された主な事例を整理する。
2026年11月6日:稲川会傘下幹部を覚醒剤使用容疑で逮捕
東海テレビの2026年11月6日の報道によると、愛知県警は、指定暴力団・稲川会傘下組織の幹部である55歳の男を覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕した。
事件の発覚につながったのは、11月5日未明に愛知県日進市の住居で発生したボヤ騒ぎだった。
駆け付けた警察官が室内を確認したところ、覚醒剤の使用器具とみられるストローや注射器などが見つかった。その後の尿検査で陽性反応が確認されたと報じられている。
警察は覚醒剤の入手経路などを調べている。
この事件は、暴力団の薬物問題が2026年も継続していることを示す直近の逮捕事例だ。なお、逮捕は有罪判決を意味しない。
2026年11月5日:工藤會幹部の借金600万円をめぐる恐喝事件
福岡県警は11月5日、特定危険指定暴力団・工藤會の幹部である塩見直之容疑者(59)を、知人男性からの借金600万円の返済をめぐる恐喝などの疑いで逮捕した事件について、身柄を送検した。
FNNプライムオンラインの報道によると、問題となったのは2021年12月の出来事だ。
知人男性が600万円の返済を求めた際、容疑者が暴力団での立場を示すなどして相手を怖がらせ、返済を断念させた疑いが持たれている。
警察は、ほかにも同様の行為がなかったか、余罪を含めて捜査している。
この事件で注目されるのは、暴力団の威力が組織外の個人的な金銭トラブルにも利用された疑いがある点だ。
2026年11月3日:特殊詐欺被害者が六代目山口組組長らを提訴
北海道HTBの報道によると、特殊詐欺の被害に遭った女性3人が、六代目山口組組長の司忍こと篠田建市氏や、当時の若頭だった高山清司氏ら幹部3人に対して損害賠償を求める訴訟を起こした。
被害者は、約4年前に発生したオレオレ詐欺で、合計約1,650万円の被害を受けたとされる。
原告側は、詐欺グループ内で暴力団員が組織的な統率に関わっていたとして、暴力団対策法に基づく幹部の責任を主張。約2,000万円の賠償を求めている。
これは、実行犯だけでなく、組織上層部の民事責任を問う動きとして注目される。
ただし、提訴は原告側の主張を司法が認定したことを意味しない。今後の審理が焦点となる。
2026年10月29日:餃子の王将社長射殺事件で検察側が控訴
2013年に発生した「餃子の王将」社長射殺事件では、2026年10月16日に京都地裁が工藤會系組幹部の田中幸雄被告(60)に無罪判決を言い渡した。
京都地検は10月29日、この判決を不服として大阪高裁に控訴した。
検察側は現場付近で見つかったたばこの吸い殻のDNA型などを状況証拠として主張していたが、京都地裁は被告が実行犯であることについて合理的な疑いが残ると判断した。
この事件は、暴力団関連の重大事件であっても、刑事裁判では個人の犯行を証明する証拠が不可欠であることを示している。
2026年11月6日時点では控訴審に移行する段階であり、無罪判決と検察側の控訴を分けて理解する必要がある。
2026年9月30日:神戸市内で発生した連続発砲事件
2026年9月30日、神戸市中央区と兵庫区で男性2人が相次いで銃撃され、1人が死亡、もう1人が重傷を負った。
兵庫県警は、元暴力団員の亀谷直人容疑者(79)を殺人未遂容疑で逮捕。その後、中央区で死亡した男性に対する殺人容疑でも再逮捕した。
神戸新聞や関西テレビの報道では、捜査当局は不動産取引をめぐるトラブルが背景にあった可能性を調べている。
この事件で特に重要なのは、元暴力団員が関係する事件と、暴力団組織同士の対立抗争は同じではないという点だ。
警察は、事件について暴力団同士の抗争を示す情報はないとの見方を示している。
暴力団関連ニュースを読む際には、容疑者の過去の所属だけで事件を「抗争」と分類しないことが大切だ。
【犯罪傾向を徹底分析】特殊詐欺・薬物・資金獲得活動の実態
暴力団の犯罪構造を理解するうえで、重要なのが資金の流れだ。
警察庁の2026年版資料では、暴力団が従来から行ってきた覚醒剤の密売やみかじめ料の徴収に加え、特殊詐欺、給付制度を悪用した詐欺、違法な貸金業など、多様な方法で資金を獲得している実態が説明されている。
特殊詐欺が暴力団の資金源となる背景
特殊詐欺は、電話やインターネットなどを利用して被害者をだまし、金銭を取得する犯罪だ。
警察庁は、暴力団構成員等が主導的な立場で特殊詐欺に深く関与し、組織の有力な資金源の一つになっている実態を指摘している。
ただし、特殊詐欺のすべてが暴力団によるものではない。
匿名・流動型犯罪グループ、いわゆるトクリュウなども関与しており、個別事件で暴力団との関係が立証されているかどうかが重要になる。
国家公安委員会委員長代理の2026年4月2日の会見では、2025年の特殊詐欺被害額が全国で3,241億円に達し、過去最悪だったことも説明された。
この金額は特殊詐欺全体の被害額であり、暴力団による被害額ではない。両者を混同してはならない。
匿名・流動型犯罪グループとの関係
2026年4月公表の警察庁資料では、匿名・流動型犯罪グループの中核的人物として、暴力団構成員や元暴力団構成員などが確認されている。
また、暴力団がこうしたグループを配下に置いたり、逆にグループ側から資金提供を受けたりする関係も指摘されている。
2025年に匿名・流動型犯罪グループによるものとみられる主な資金獲得犯罪で検挙された人員は、合計6,679人だった。
内訳は次のとおり。
- 詐欺:3,075人
- 薬物事犯:1,887人
- 窃盗:1,020人
- 化学物質関連の法令違反:393人
- 風営適正化法違反:304人
これはトクリュウ関連とみられる犯罪の検挙人員であり、暴力団構成員等の7,335人とは別の統計だ。
この区別は非常に重要である。
警察庁が注視しているのは、従来の組織構造にとらわれず、暴力団、外国人犯罪組織、周辺グループなどが連携することで、犯罪の実行主体と収益の管理主体が分離する構造だ。
暴力団の資金獲得活動はどう変わったのか
警察庁が挙げる主な資金獲得活動を整理すると、次のようになる。
| 犯罪・活動 | 概要 | 社会への影響 |
|---|---|---|
| 覚醒剤の密売 | 規制薬物の不正取引 | 薬物被害と資金流入 |
| 特殊詐欺 | 電話やネットを利用した詐欺 | 高齢者などの財産被害 |
| みかじめ料 | 飲食店等への不当な金銭要求 | 地域経済への圧力 |
| 恐喝・強要 | 威力を利用した金品要求 | 個人・企業への被害 |
| 公的給付制度を悪用した詐欺 | 制度を不正利用した金銭取得 | 公的資金の損失 |
| 違法な貸金業・労働者派遣 | 一般の経済活動を装った犯罪 | 資金の流れの不透明化 |
特に警戒されているのが、暴力団関係企業や共生者を利用する手法だ。
共生者とは、暴力団に利益を供与することで、その威力や情報力、資金力を利用して自らの利益拡大を図る者を指す。
警察庁は、一般の経済取引を装って違法な貸金業や労働者派遣事業などを行う実態も指摘している。
【プロの分析】構成員の減少と犯罪リスクは別々に見る
暴力団構成員が減少していることは、長年の取締りや暴力団排除活動の成果を示す重要な指標だ。
しかし、組織の人数が減れば、犯罪被害も同じ割合で減少するとは限らない。
むしろ、組織の実態が見えにくくなることで、捜査や資金の追跡が難しくなる可能性がある。
2026年の組織犯罪対策では、単に構成員を検挙するだけでなく、資金の流れを解明し、犯罪収益を生み出す仕組みそのものを断つ視点が欠かせない。
【対立抗争と法律】指定暴力団一覧・暴力団対策法・排除条例の仕組み
暴力団対策には、刑法による個別犯罪の取締りだけでなく、組織の活動そのものを規制する制度がある。
中心となるのが、暴力団対策法と各都道府県の暴力団排除条例だ。
指定暴力団とは何か
指定暴力団とは、暴力団対策法に基づいて都道府県公安委員会が指定した団体をいう。
指定には、組織の実態や構成員による不法行為の状況など、法律に定められた要件が関係する。
警察庁の2026年版警察白書によると、2026年6月1日時点で指定暴力団は全国24団体となっている。
指定団体には、六代目山口組、神戸山口組、稲川会、住吉会、工藤會、池田組、絆會などが含まれる。
なお、指定暴力団の数は指定の有効期間や更新状況によって変わる。2025年10月時点の25団体という数字と、2026年6月時点の24団体という数字は、基準日が異なる。
暴力団対策法の指定制度と中止命令
同法では、指定暴力団員が所属する組織の威力を示して不当な金品要求などを行った場合、都道府県公安委員会が中止命令などを発出できる。
これは、被害が拡大する前に暴力団の不当な要求を抑止するための制度だ。
警察庁の2026年版資料では、2025年5月に松葉会傘下組織の構成員が、性風俗店の経営者に対して毎月の金銭を要求した事例が紹介されている。
公安委員会は同月、暴力的要求行為をしてはならない旨の中止命令を発出した。
こうした事例からも、暴力団対策法が過去の抗争事件だけでなく、現在の不当要求にも適用されていることが分かる。
特定抗争指定暴力団等とは
山口組分裂後の対立抗争を受けて導入・運用されているのが、特定抗争指定暴力団等の制度だ。
六代目山口組と神戸山口組の対立では、2019年以降、拳銃を使用した殺人事件などが相次いだ。
2020年1月には、関係府県の公安委員会が両団体を特定抗争指定暴力団等に指定した。
2025年末時点では、警戒区域が9府県17市町に設定されている。
この指定を受けると、警戒区域内での組事務所への立入りや、新たな事務所の設置、一定人数以上での集合などに厳しい規制が適用される。
目的は、組織同士の接触機会を制限し、住民や事業者が巻き込まれる危険を抑えることにある。
暴力団対立抗争の経緯
山口組分裂以降の主な動きを整理すると、次のようになる。
- 2015年8月:六代目山口組が分裂し、神戸山口組が結成される。
- 2017年:神戸山口組傘下組織の一部が任侠山口組の結成を明らかにする。
- 2018年3月:任侠山口組が指定暴力団となる。
- 2020年2月:任侠山口組が絆會に改称する。
- 2020年7月:池田組が神戸山口組からの離脱を表明する。
- 2021年11月:池田組が指定暴力団となる。
- 2025年:対立抗争に起因するとみられる事件は1件発生する。
2025年の抗争関連事件は、過去の激しい対立と比較すれば大きく減少している。
しかし、警戒体制の解除と抗争リスクの消滅は同じ意味ではない。警察による継続的な情勢判断が必要になる。
暴力団排除条例が社会に与える影響
暴力団排除条例は、暴力団と一般市民・事業者との関係を遮断するため、全国の自治体で整備されてきた。
主な取り組みは次のとおりだ。
- 暴力団への不当な利益供与の禁止
- 公共工事や行政契約からの排除
- 暴力団事務所の開設・運営への規制
- 企業による取引先確認の促進
- 暴力団から離脱する人への社会復帰支援
例えば、東京都や大阪府の条例では、暴力団の威力を利用する目的で金銭を支払う行為や、暴力団の運営に資する利益供与などを規制している。
警察庁によれば、2025年の各都道府県における条例運用では、勧告36件、指導2件、中止命令2件、再発防止命令2件、検挙26件が実施された。
暴力団排除条例は、暴力団を単に犯罪組織として取り締まるだけでなく、資金の流入経路を社会全体で遮断する制度でもある。
【今後の展望】暴力団ニュースで注視すべき5つのポイント
2026年以降の組織犯罪を考えるうえで、注目すべきなのは構成員数だけではない。
警察庁の統計や最近の事件から、今後の重要な論点を5つに整理できる。
1. 暴力団とトクリュウの関係
暴力団と匿名・流動型犯罪グループの関係は、今後の捜査の大きな焦点になる。
警察庁は、暴力団構成員がトクリュウの中核的人物となるケースや、トクリュウから暴力団へ資金が流れるケースを確認している。
犯罪実行者と組織の中核が分離する構造では、個別の逮捕だけで全体像を把握することは難しい。
2. 特殊詐欺と犯罪収益の追跡
特殊詐欺の被害拡大は、暴力団対策にとどまらない全国的な治安課題だ。
被害金を受け取った実行犯だけでなく、その資金を管理・移転する人物や関係企業を追跡する必要がある。
2026年11月の山口組幹部らに対する損害賠償請求訴訟も、組織上層部の責任をどこまで問えるかという観点から注目される。
3. 組織の高齢化と離脱者の社会復帰
構成員の減少とともに、離脱を希望する人への支援も課題になっている。
暴力団からの離脱後に安定した仕事や住居を確保できなければ、再び犯罪組織に関わるリスクが残る。
警察庁も、関係機関と連携した離脱促進や就労支援、社会復帰のための環境整備を進めている。
4. 対立抗争の沈静化と地域の安全
2025年の抗争関連事件は1件だったが、過去には住宅街での襲撃や銃器使用事件も発生している。
神戸市の2026年9月の連続発砲事件のように、元暴力団員が関係する事件が発生することもある。
地域住民にとっては、抗争事件か個人的なトラブルかを問わず、銃器を使用した犯罪を防ぐことが重要だ。
5. 指定制度と企業のコンプライアンス
暴力団排除条例や暴力団対策法の運用に加え、企業の取引先確認や契約解除条項の整備も重要になる。
暴力団関係者が関わる企業との取引を放置すれば、知らないうちに組織犯罪を支えることになりかねない。
金融機関、不動産業者、建設会社、ホテルなど、幅広い事業者に反社会的勢力との関係遮断が求められる。
【プロの結論】暴力団ニュースは「人数」より「資金と関係性」を読む
2026年の暴力団情勢を評価する際、最も重要なのは、構成員数の減少だけをもって組織犯罪が弱体化したと判断しないことだ。
約1万7,600人という数字は、長期的な暴力団排除活動の成果を示す。一方で、詐欺の割合の増加、トクリュウとの接点、犯罪収益の不透明化は、従来の組織犯罪対策だけでは対応しきれない問題を示している。
ニュースを読み解く際には、次の3点を確認すると実態を把握しやすい。
- 組織との関係:容疑者が現役構成員なのか、元構成員なのか、周辺者なのか。
- 犯罪の性質:組織的な抗争なのか、資金獲得犯罪なのか、個人的なトラブルなのか。
- 捜査・司法の段階:逮捕、送検、起訴、判決、控訴のどの段階なのか。
この3つを分けて読むことが、事件報道を正確に理解するための判断基準になる。
【暴力団ニュース事件簿】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:2026年最新の暴力団構成員数は何人ですか?
2025年末時点で約1万7,600人です。内訳は暴力団構成員約9,400人、準構成員等約8,200人で、警察庁が2026年4月に公表した統計では過去最少となっています。
Q2:2025年の暴力団検挙人員は何人ですか?
7,335人です。前年の8,249人から914人、率にして11.1%減少しました。暴力団構成員と準構成員その他の周辺者を合わせた数字です。
Q3:2026年現在、六代目山口組はどうなっていますか?
2025年末時点の構成員等は約6,300人で、全国最大の勢力を維持しています。神戸山口組などとの分裂後の対立関係も、警察の監視対象となっています。
Q4:指定暴力団は全国に何団体ありますか?
2026年6月1日時点で24団体です。指定は公安委員会による制度であり、指定の有効期間や更新によって団体数は変動します。
Q5:暴力団関連の特殊詐欺は増えているのですか?
警察庁は、暴力団構成員等の検挙人員に占める詐欺の割合が長期的に増加傾向にあると説明しています。また、暴力団と匿名・流動型犯罪グループとの連携も確認されています。ただし、特殊詐欺全体を暴力団による犯罪とみなすことはできません。
Q6:暴力団対策法と暴力団排除条例の違いは何ですか?
暴力団対策法は、指定暴力団員による不当要求などを規制する国の法律です。一方、暴力団排除条例は、都道府県や自治体が住民・企業と連携し、暴力団への利益供与や取引などを防ぐための制度です。
まとめ:2026年の暴力団情勢は組織縮小と犯罪構造の変化が焦点
2026年の暴力団ニュースを理解するうえで、警察庁が公表した2025年末の統計は欠かせない。
全国の暴力団構成員等は約1万7,600人、検挙人員は7,335人。いずれも減少している一方、詐欺などの資金獲得犯罪や、匿名・流動型犯罪グループとの関係が新たな課題になっている。
六代目山口組、神戸山口組、池田組、絆會などの主要団体の動向に加え、工藤會関連事件や特殊詐欺をめぐる民事訴訟、2026年秋の神戸連続発砲事件なども、社会的な関心を集めている。
今後の暴力団対策で求められるのは、構成員の検挙だけでなく、犯罪収益の遮断、組織間の資金移動の解明、暴力団排除条例の実効性向上、離脱者の社会復帰支援を一体的に進めることだ。
暴力団の勢力が縮小していることと、組織犯罪の脅威がなくなったことは同じではない。 2026年のニュースを追う際には、統計の数字、事件の背景、警察の公式発表、裁判の判断を分けて捉えることが重要になる。
主な資料・報道:警察庁「令和7年における組織犯罪の情勢」「令和8年版警察白書」、国家公安委員会委員長記者会見、全国暴力追放運動推進センター、神戸新聞、FNNプライムオンライン、HTB北海道ニュース、東海テレビほか。 (出典: 暴力団 ニュース 事件 簿(Yahoo!ニュース))