カラスの肉は食べられる?味・食感と法律、食文化や食中毒リスクを2026年版で徹底解説
街中や公園で見かけるカラス。ゴミを荒らす鳥、農作物を食べる害鳥というイメージが強い一方、実は日本でも古くから食材として利用されてきた歴史がある。長野県の「カラス田楽」や、長野県産ハシボソガラスを使ったフランス料理など、食文化の中にカラス肉が登場する事例は実在する。では、カラスの肉は本当に食べられるのか。味は鶏肉に似ているのか、それとも独特の臭みがあるのか。
2026年11月5日現在、ハシブトガラスとハシボソガラスは、どちらも日本の狩猟鳥獣に指定されている。ただし、自由に捕獲して食べてよいわけではない。鳥獣保護管理法による捕獲規制に加え、食肉として利用する場合には衛生管理も欠かせない。実際の実食記録、地域に残る料理、環境省と厚生労働省の公的情報を照らし合わせながら、その実態を整理する。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 食べられるのか:合法的に捕獲され、適切な衛生処理が行われたカラスは食材として利用できる。
- 味と食感:赤身で筋肉質。鶏肉より弾力が強く、シカ肉に近いとする実食記録もある。
- 食文化:長野県上田市には、カラス肉を使った伝統料理「カラス田楽」の記録が残る。
- 法律:ハシブトガラスとハシボソガラスは狩猟鳥獣だが、狩猟免許や狩猟者登録、猟期などの条件がある。
- 衛生面:カラス肉の刺身や生食は非常に危険。野生鳥獣肉は中心部75℃で1分間以上の加熱が基本となる。
【結論】カラスの肉は食べられる!合法的な食用と野生個体の違い
結論からいえば、カラスの肉は食べられる。日本でも、合法的に捕獲されたカラスを食肉として利用した実例があり、フランス料理や地域の郷土料理に取り入れられてきた。
ただし、食用にできることと、道端や公園にいるカラスを自由に捕まえて食べられることはまったく別の話だ。カラスは野生鳥獣であり、捕獲には鳥獣保護管理法に基づく規制が適用される。
食材として利用する際には、少なくとも次の3つを区別する必要がある。
- 捕獲の合法性:狩猟制度または適法な捕獲許可に基づいて入手された個体であること。
- 食用としての適性:捕獲状況や個体の状態、衛生的な処理状況が確認できること。
- 調理の安全性:病原体による食中毒を防ぐため、十分な加熱と衛生管理が行われていること。
日本動物考古学会の2024年7月2日公開のコラムでは、合法的な業者から購入した狩猟鳥を実際に食べた経験が紹介されている。執筆者はハシブトガラスを実食しており、肉を薄く切って塩コショウで焼いたところ、鶏肉よりもシカ肉に近い赤身の味わいだったと報告した。
この記録は、カラス肉が単なる珍奇な食材ではなく、適法な流通経路を通じて実際に食べられていることを示す具体例だ。ただし、すべてのカラスが同じ品質や味になるという意味ではない。日本動物考古学会「鳥を食べる」(2024年7月2日)

【実食記録を検証】カラス肉の味・食感は?ハシブトとハシボソの違い
カラス肉の味を知るうえで参考になるのが、実際に食べた人や料理人による記録だ。複数の報告を比較すると、共通して浮かび上がるのは、カラス肉が赤身中心で筋肉質な肉だという特徴である。
ハシブトガラスの味はシカ肉に近い?
日本動物考古学会の2024年の実食記録では、ハシブトガラスの胸肉を焼いて食べた経験が紹介されている。
その感想は、鶏肉というよりもシカ肉に近い赤身の味わいだったというもの。実食した個体については、特にゴミのような臭いも感じなかったと記されている。
興味深いのは、同じカラスでも、生前に何を食べていたかによって味に当たり外れがあるという指摘だ。都市部でゴミを食べる個体と、自然環境で木の実や果実などを食べる個体では、肉の風味に違いが生じる可能性がある。
ただし、これは実食者の経験に基づく観察であり、ハシブトガラス全体の味を科学的に比較した研究結果ではない。日本動物考古学会「鳥を食べる」
ハシボソガラスは弾力の強い赤身肉
ハシボソガラスについては、2013年12月17日公開の日刊SPA!の記事に、長野県茅野市のフランス料理店「オーベルジュ・エスポワール」での実食記録がある。
同店のオーナーシェフである藤木徳彦氏が提供したのは、「信州産ハシボソカラス胸肉のポワレとモモ肉とフォアグラのパイ包み焼き」。胸肉とモモ肉を使い、フランス料理として仕立てた一皿だった。
同記事では、カラス肉について、鶏肉と比べてかなり弾力があり、想像していたほど臭みやクセがなく食べやすかったという実食感想が掲載されている。
藤木シェフは、カラス肉が赤身で筋肉質であり、焼きすぎると硬くなって特有の獣臭さが出やすいという調理上の特徴も説明している。
ここで重要なのは、柔らかく仕上げるための火加減と、食中毒を防ぐための十分な加熱は別の問題だという点だ。野生鳥獣肉では衛生上の加熱基準を優先しなければならない。日刊SPA!「カラスの肉は美味しいのか? 実際に食べてみた」(2013年12月17日)
カラス肉の味と食感を整理
| 比較項目 | ハシブトガラス | ハシボソガラス |
|---|---|---|
| 食用の実例 | 2024年の実食記録 | 2013年の料理店での実食記録 |
| 肉の特徴 | 赤身中心 | 赤身で筋肉質 |
| 味の感想 | シカ肉に近いという報告 | 臭みが少なく食べやすいという報告 |
| 食感 | 個体による違いが考えられる | 鶏肉より弾力が強いという報告 |
| 料理の例 | 塩コショウで焼いた料理 | 胸肉のポワレ、モモ肉のパイ包み焼き |
| 注意点 | 食性や衛生状態を確認する必要がある | 加熱不足を避ける必要がある |
なお、この比較は限られた実食記録を整理したものであり、2種類のカラスの味を同一条件で比較した試験ではない。ハシブトガラスのほうが必ず臭い、ハシボソガラスのほうがおいしいといった単純な優劣は判断できない。
味を左右するのは鳥の種類だけではなく、個体の食性、状態、処理方法、調理方法など複数の要素である。
【日本の食文化】カラス田楽とは?刺身や郷土料理に残る意外な歴史
カラス肉の食文化を語るうえで見逃せないのが、長野県上田市に残る「カラス田楽」だ。現在では珍しい料理だが、上田市が公表している2024年度から2029年度までの第3次食育推進計画にも、地域独特の食べ物として記録されている。
長野県上田市のカラス田楽
上田市の食育推進計画によると、カラス田楽は昭和20年頃までは地域に店があったとされる料理だ。
その調理方法は、カラスの肉を骨ごとつぶし、おからや小麦粉を加えてまとめ、五平餅のように串に刺して焼き、山椒味噌を塗って食べるというもの。
肉だけを焼く料理とは異なり、骨ごとつぶして素材をまとめる点が特徴的だ。山椒味噌を組み合わせることで、独特の風味を持つ野生鳥獣肉を地域の食文化に取り入れていたことがうかがえる。
上田市の資料は、こうした料理が地域の暮らしや食材利用の歴史の一部だったことを示す公的な記録である。上田市「第3次上田市食育推進計画」(2024年3月)
現在のカラス田楽は豚肉で再現されている
JAグループのレシピ紹介では、JAながの女性部ちくま地区による「ろうそく焼き(カラス田楽)」が掲載されている。
この料理は、かつて上田の一部地域で作られていたもので、ろうそくの形に似ていることから「ろうそく焼き」と呼ばれたという。ショウガや山椒を使って肉の臭みを抑える工夫も紹介されている。
ただし、掲載されている現代のレシピでは、カラス肉ではなく豚ひき肉を代用している。豚ひき肉に豆腐や小麦粉、味噌などを加えて竹串に成形し、焼いて味噌だれをかける作り方だ。
つまり、現在のJAレシピは、昔のカラス田楽そのものを再現したものではなく、地域の料理文化を家庭でも作りやすい形で継承したものと理解できる。JAグループ「長野県『ろうそく焼き(カラス田楽)』」
カラス肉の刺身は本当に地域の伝統なのか
カラス肉の食文化をめぐっては、2023年3月にも大きな議論が起きた。
きっかけは、2023年3月7日に掲載された東京新聞の記者コラム「カラス肉の生食文化 究極のジビエに挑戦」。茨城県ひたちなか市の住民宅に集まった十数人が、狩猟したとみられるカラス13羽を調理して食べたという内容だった。
記事では、醤油漬けにした胸肉の刺身について、レバーのような赤身で、臭みがなくさっぱりしていたという実食感想が紹介された。
一方、J-CASTニュースが同年3月9日に報じた検証記事では、茨城県の生活衛生課が生食の食中毒リスクを指摘したことや、地域の伝統と呼べるほど広く知られた習慣なのかについて疑問が示されていたことも紹介されている。
この事例から分かるのは、カラス肉を生で食べる人や食事会の記録が存在することと、それが地域全体に定着した伝統料理であることは同じではないという点だ。さらに、食文化として記録されていることは、衛生面で安全であることを意味しない。東京新聞(2023年3月7日掲載)、J-CASTニュース(2023年3月9日)

【2026年最新の法律】ハシブトガラス・ハシボソガラスは狩猟鳥獣?
カラス肉を食べること自体と、野生のカラスを捕獲することは別の法律問題だ。日本では「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」、通称・鳥獣保護管理法によって、野生鳥獣の捕獲が原則として規制されている。
環境省の狩猟制度の概要によると、日本では約700種類の鳥獣の中から46種類が狩猟鳥獣に指定されている。そのうち鳥類は26種類であり、ハシブトガラスとハシボソガラスも対象に含まれる。
2種類のカラスはどちらも狩猟鳥獣
環境省が公表する狩猟鳥獣の一覧には、次の2種類が明記されている。
- ハシブトガラス:狩猟鳥獣に指定されている。
- ハシボソガラス:同じく狩猟鳥獣に指定されている。
そのため、適切な狩猟免許と登録、区域、期間、猟法などの条件を満たしていれば、両種とも狩猟による捕獲の対象になり得る。
ただし、狩猟鳥獣に指定されているからといって、どこでも捕獲できるわけではない。都道府県によって捕獲禁止や捕獲数の制限が設けられている場合もある。環境省「狩猟制度の概要」
2026年度の狩猟期間はいつからいつまで?
2026年11月5日時点で、通常の狩猟期間は地域によって異なる。
- 北海道以外:原則として2026年11月15日から2027年2月15日まで。
- 北海道:原則として2026年10月1日から2027年1月31日まで。
猟区内では別の期間が設定されているほか、対象となる鳥獣や都道府県によって期間が延長・短縮される場合もある。実際の狩猟では、登録先の都道府県が定める最新情報を確認する必要がある。環境省「狩猟制度の概要」
狩猟免許と狩猟者登録が必要
通常の狩猟制度を利用する場合、狩猟免許を取得するだけでは不十分だ。狩猟を行う都道府県で、事前に狩猟者登録を行う必要がある。
さらに、狩猟できる区域、期間、法定猟法などの規制を守らなければならない。鳥獣保護区など、狩猟が禁止されている区域も存在する。
一方、農林業被害や生活環境への被害を防ぐ目的などで行われる許可捕獲は、通常の狩猟とは異なる制度だ。環境大臣または都道府県知事などの許可を受け、対象となる鳥獣、捕獲数、期間、区域、方法など、許可条件に従って実施する必要がある。
したがって、有害鳥獣として捕獲されたカラスだからといって、捕獲の経緯や許可条件を確認せずに食用へ転用できるわけではない。環境省「捕獲許可制度の概要」「狩猟制度の概要」
合法的な捕獲と食肉としての流通は別問題
もう一つ見落とされやすいのが食品衛生法だ。
厚生労働省は、事業として野生鳥獣肉の食肉加工を行う場合、基準に適合した食肉処理施設を設け、必要な営業許可を受けて衛生的に処理することを求めている。
飲食店や販売店がジビエを調理・販売する場合も、食肉処理業の営業許可を受けた施設で処理された肉を仕入れる必要がある。インターネット販売でも、食肉処理業や食肉販売業などに関する許可・届出が問題になる。
つまり、カラスを合法的に捕獲できたことだけでは、商業的に食肉として販売・提供できる条件を満たしたことにはならない。厚生労働省「そのジビエ、営業許可施設で処理されていますか?」
【食中毒リスク】カラス肉の刺身は危険!75℃・1分の加熱基準を確認
カラス肉を食べる際に、最も注意すべきなのが衛生面だ。野生鳥獣は家畜のように飼料や健康状態が管理されているわけではなく、人に感染する病原体を保有している可能性がある。
厚生労働省は、2023年3月8日にジビエの生食について注意喚起した際、シカやイノシシなどの野獣だけでなく、カモやカラスなどの野鳥も病原体を保有している可能性があり、肉や内臓を生で食べることは非常に危険だと説明している。
カラス肉の生食で注意すべき食中毒
野生鳥獣肉に関連する代表的な食中毒の原因には、次のようなものがある。
- 細菌:サルモネラ属菌や腸管出血性大腸菌など。
- ウイルス:野生鳥獣肉の生食に関連して注意が必要なE型肝炎ウイルスなど。
- 寄生虫:動物の種類や感染状況によって、食中毒や健康被害を引き起こす寄生虫。
これらすべてがカラス肉から必ず検出されるという意味ではない。しかし、見た目や臭いが正常だからといって、病原体が存在しないとは判断できない。
特に、醤油や酒に漬ける、塩を振る、冷凍するなどの処理だけで、あらゆる病原体のリスクをなくせるわけではない。厚生労働省「ジビエ(野生鳥獣の肉)の衛生管理」「食肉や内臓の生食は食中毒のリスクがあります」
野生鳥獣肉の基本は中心温度75℃で1分間以上
厚生労働省の「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針」では、食中毒を防ぐための加熱条件として、肉の中心部を75℃で1分間以上、またはこれと同等以上の効力を持つ方法で十分に加熱することを示している。
この条件は、自家消費や譲渡された野生鳥獣肉を食べる場合にも重要な基準だ。
また、野生鳥獣肉は外見に異常がない場合でも微生物や寄生虫に汚染されている可能性がある。包丁やまな板をほかの食材と使い分け、使用後には十分に洗浄・消毒することも求められる。
2026年現在、厚生労働省が公開する衛生管理ガイドライン本文の最終改正は2023年6月26日、関連するカラーアトラスの最終改正は2025年3月19日となっている。厚生労働省「野生鳥獣肉の衛生管理に関する指針(ガイドライン)」
カラス肉の刺身は食べないこと
2023年の東京新聞のコラムでは、カラス肉の刺身を実際に食べた体験が紹介された。しかし、その後、厚生労働省はカラスを含む野鳥の肉や内臓の生食について危険性を明確に注意喚起している。
食べた直後に体調不良が起きなかったという経験談は、安全性を証明するものではない。食中毒は摂取後すぐに症状が出るとは限らず、病原体によって潜伏期間も異なる。
カラス肉を食材として考えるなら、刺身ではなく、衛生的に処理された肉を十分に加熱することが基本となる。鮮度が高いことと生食が安全であることを混同してはいけない。厚生労働省、ITmedia NEWS(2023年3月8日)
【プロの結論】カラス肉の料理と食用に向いている条件・避けるべき条件
カラス肉の食材としての価値を判断する際には、珍しさや話題性よりも、個体の由来、処理工程、衛生管理、調理方法を重視する必要がある。
カラス肉に使われてきた料理
これまでの実食記録や食文化から、カラス肉には複数の料理への利用例がある。
- ポワレ:ハシボソガラスの胸肉を使ったフランス料理の実例がある。
- パイ包み焼き:モモ肉とフォアグラを組み合わせた料理が紹介されている。
- カラス田楽:長野県上田市に伝わる、肉を骨ごとつぶして串に成形し、山椒味噌を塗って焼く郷土料理。
- ろうそく焼き:カラス田楽に関連する地域料理で、現在のJAレシピでは豚ひき肉を代用している。
これらの事例に共通するのは、単に珍しい肉を食べるという発想ではなく、肉の特徴や風味に合わせて調理法や調味料を工夫している点だ。
特にカラス肉は筋肉質で弾力が強いという実食報告があるため、料理人が肉の状態を見極めることが大切になる。ただし、柔らかさを追求する場合でも、中心部の十分な加熱を省略してはいけない。
食用として検討する際の判断基準
| 確認項目 | 適切な状態 | 避けるべき状態 |
|---|---|---|
| 捕獲の経緯 | 適法な狩猟・許可捕獲 | 捕獲方法や由来が不明 |
| 個体の状態 | 捕獲時から状態が確認されている | 拾得した死骸や死因不明の個体 |
| 食肉処理 | 衛生管理された処理施設での処理 | 処理環境や衛生状態が不明 |
| 流通・販売 | 必要な営業許可を満たした事業者 | 無許可の処理・販売 |
| 調理 | 中心部まで十分に加熱 | 刺身、生焼け、加熱不足 |
| 衛生管理 | 器具の使い分けと洗浄・消毒 | 生肉と調理済み食品の交差汚染 |
ここで特に重要なのは、合法性と安全性を別々に確認することだ。合法的に捕獲された個体であっても、食用として適切に処理されていなければ安全な食材とはいえない。
カラス肉をおすすめできるケースと避けるべきケース
食材としてのカラス肉に興味がある場合、検討できるのは、捕獲履歴や処理工程が明確で、食品衛生法に基づく必要な管理を満たした食肉を扱う専門店などである。
一方、次のようなケースでは食用にしない判断が必要だ。
- 道路や公園などで死んでいるカラスを拾った場合。
- 捕獲した人物や捕獲方法が分からない場合。
- 食肉としての処理履歴が確認できない場合。
- 臭いや色などに異常がある場合。
- 生食や加熱不足で食べようとしている場合。
カラス肉をジビエとして利用する考え方には、農作物への被害を減らすために捕獲された野生鳥獣の資源活用という側面もある。ただし、すべての捕獲個体を食肉にできるわけではない。食用に適さない個体を無理に利用しないことも、適切なジビエ利用の一部だ。
【プロの結論】カラス肉の価値は珍しさよりも管理体制にある
カラス肉の実食記録を見ると、赤身で弾力があり、シカ肉に似た風味を持つ個体や、フランス料理として成立するほど食材としての可能性を持つ個体が存在することが分かる。
また、長野県上田市のカラス田楽のように、地域の食文化として受け継がれてきた歴史もある。
しかし、カラス肉を食べることの本質は、珍しいものを口にすることではない。捕獲の合法性、食肉処理の適正さ、流通経路の透明性、十分な加熱という4つの条件がそろって初めて、食材として適切に評価できる。
2026年のジビエ利用では、単に食べられるかどうかだけでなく、誰が、どのような経緯で捕獲し、どこで処理し、どのような衛生管理を経て食卓に届くのかという視点が欠かせない。
カラスの肉に関するよくある質問(FAQ)
Q1:カラスの肉はスーパーで購入できますか?
A1:一般的なスーパーで広く販売されている食材ではありません。ジビエ専門店などで取り扱われる可能性はありますが、常時入手できるとは限りません。購入する場合は、合法的な捕獲と食肉処理業の営業許可を受けた施設での処理を確認することが大切です。
Q2:ハシブトガラスとハシボソガラスはどちらがおいしいですか?
A2:一概には判断できません。実食記録では、ハシブトガラスはシカ肉に近い赤身の味、ハシボソガラスは弾力が強く、臭みが少ない肉として紹介されています。ただし、個体の食性や処理状態によって味は変わるため、種類だけでおいしさを決めることはできません。
Q3:カラス肉の刺身は法律で禁止されていますか?
A3:鳥獣保護管理法は主に野生鳥獣の捕獲などを規制する法律であり、食べ方そのものを定める法律ではありません。ただし、カラスを含む野鳥の生食について、厚生労働省は病原体による健康被害の危険性を注意喚起しています。法的な扱いと食品衛生上の安全性は別問題であり、生食は避けるべきです。
Q4:カラス田楽は現在も食べられますか?
A4:長野県上田市に歴史的な記録が残っています。JAながの女性部ちくま地区のレシピでも紹介されていますが、現在掲載されているレシピは豚ひき肉を使った再現料理です。実際のカラス肉を使った料理が一般的に販売されているわけではありません。
Q5:カラス肉はどのくらい加熱すれば安全ですか?
A5:野生鳥獣肉の衛生管理指針では、肉の中心部を75℃で1分間以上、または同等以上の効力がある方法で加熱することが基本です。表面だけ焼いても中心部まで十分に加熱できているとは限らないため、中心温度を確認することが大切です。
まとめ:カラスの肉は食べられるが合法性と衛生管理が絶対条件
カラスの肉は、適法に捕獲され、衛生的に処理された個体であれば食材として利用できる。実際にハシブトガラスやハシボソガラスを食べた記録があり、赤身で筋肉質、鶏肉より弾力が強いという特徴も報告されている。
長野県上田市のカラス田楽や、フランス料理店で提供されたカラス肉のポワレなど、日本には食材としての利用実績も残っている。一方、カラス肉の刺身については、2023年の報道をきっかけに食中毒リスクが改めて問題となり、厚生労働省も野鳥の生食に警告を発している。
2026年現在、カラスを食用にする際に押さえておきたいのは、次の4点だ。
- ハシブトガラスとハシボソガラスは狩猟鳥獣だが、捕獲には法律上の条件がある。
- 許可捕獲と通常の狩猟は異なる制度であり、捕獲許可の条件も確認する必要がある。
- 商業的な食肉処理・販売・提供には食品衛生法に基づく許可や衛生管理が必要となる。
- 野生鳥獣肉は生食せず、中心部75℃で1分間以上を基本に十分加熱する。
カラス肉は、単なる珍味でも危険な食材と決めつけるべきものでもない。日本の地域文化やジビエ利用の歴史を知るうえで興味深い食材である一方、適法な捕獲と科学的な衛生管理が欠かせない野生鳥獣肉でもある。食文化を正しく受け継ぐためにも、珍しさより安全性と適正な管理を優先する姿勢が求められる。 (出典: カラス の 肉(Yahoo!ニュース))