【食べても大丈夫?】白い筋を食べるメリットと苦味の理由
みかんの白い筋は、基本的に食べても問題ありません。農林水産省も、白い筋には食物繊維やビタミンPなどの栄養素が含まれることを紹介しています。

むしろ、栄養をできるだけ無駄なく摂取したいなら、白い筋を残して食べる方法にはメリットがあります。
白い筋を食べる3つのメリット
メリット1:食物繊維を摂取できる
白い筋や薄皮には食物繊維が含まれています。果肉だけを食べるよりも、周辺の組織を一緒に食べることで、みかんに含まれる食物繊維を幅広く摂取できます。
メリット2:ヘスペリジンを摂取できる
ヘスペリジンは果肉よりもアルベドやじょうのう膜などに多く含まれる成分です。白い部分を残せば、果肉だけでは摂取しにくい成分も取り入れられます。
メリット3:食べられる部分を無駄にしない
白い筋は食用に適した組織です。取り除かなければ、皮をむいた後の手間も減り、食べられる部分をそのまま活用できます。
白い筋が苦いのはなぜ?
白い筋については「苦いから取り除く」という人もいます。しかし、苦味の原因をヘスペリジンだけで説明するのは正確ではありません。
農研機構が紹介する柑橘類の苦味成分に関する研究では、温州みかんに含まれるヘスペリジンやナリルチンは、苦味のないフラバノン類として分類されています。一方、ナリンギンやリモニンは苦味を示す成分として知られています。
また、1985年の温州ミカンのヘスペリジン研究でも、ヘスペリジン自体は無味無臭と説明されています。
つまり、白い筋を口にしたときの違和感や食べにくさを、すべてヘスペリジンの苦味と考える必要はありません。筋の繊維質な食感や、品種・果実の状態なども食べたときの印象に関係します。
特に温州みかんと、八朔や甘夏などのほかの柑橘類では、含まれる苦味成分が異なります。柑橘類全体を同じ基準で考えないこともポイントです。
白い筋を食べると健康になれる?
白い筋には食物繊維やヘスペリジンなどの成分が含まれていますが、食べるだけで血圧が下がる、血管の病気を防げる、体重が減るといった効果が保証されるわけではありません。
ヘスペリジンについては血管機能などに関する研究がありますが、成分単独の研究結果を、みかんを食べた場合の健康効果にそのまま置き換えることはできません。
白い筋は薬ではなく、栄養を含む果実の一部です。健康効果を過度に期待するより、普段の食事で果物をおいしく食べるための選択肢として捉えるのが適切です。
【実践編】みかんの白い筋は取るべき?きれいな取り方も紹介
白い筋を食べるか、取り除くかについて、栄養面と食べやすさの両方から考えてみましょう。
栄養を優先するなら取らずに食べる
栄養をできるだけ残したい人には、白い筋を取らずに食べる方法がおすすめです。
特に、次のような人には白い筋を残す食べ方が向いています。
- 食物繊維を意識して摂取したい人
- ヘスペリジンなど柑橘類の成分を取り入れたい人
- 薄皮ごと果物を食べることに抵抗がない人
- みかんをむく手間をできるだけ減らしたい人
一方、筋のもそもそした食感が苦手な人や、口当たりを優先したい人は、取り除いても問題ありません。筋を食べないからといって、みかんの栄養がすべて失われるわけではありません。
白い筋をきれいに取る方法
白い筋を取り除きたい場合は、皮のむき方を工夫すると作業が簡単になります。
方法1:ヘタ側から皮をむく
農林水産省の食べ方の紹介でも、ヘタ側から皮をむく方法が取り上げられています。白い部分が外皮に付着して剥がれやすくなるため、筋をまとめて取り除きたいときに便利です。
方法2:手で軽く取り除く
皮をむいた後、房の表面に残った白い筋を指先でつまんで取り除きます。果肉を強く引っ張ると果汁が出てしまうため、優しく作業するのがコツです。
方法3:房を分けてから処理する
みかんを一房ずつに分けてから筋を取ると、細かい部分まで確認しやすくなります。来客時や盛り付けをきれいにしたい場合にも向いています。
なお、白い筋を取りやすくすることと、栄養を残すことは必ずしも同じではありません。どちらを優先するかでむき方を変えるとよいでしょう。
白い筋を取る人・取らない人の判断基準
| 食べ方 | 向いている人 | 注意点 |
|---|---|---|
| 筋を残す | 栄養を幅広く摂りたい人 | 食感が残る |
| 筋を一部取る | 食べやすさと栄養の両方を重視する人 | 取り除いた分の栄養は摂取できない |
| 筋を全部取る | 口当たりを優先する人 | 薄皮にも栄養があることを覚えておく |
どの食べ方が正解というわけではありません。みかんを継続しておいしく食べられる方法を選ぶことが大切です。
【よくある質問】みかんの白い筋に関するFAQ
Q1:みかんの白い筋は食べても大丈夫ですか?
A1:はい。一般的な温州みかんの白い筋は食べられます。維管束という植物の組織で、食物繊維やヘスペリジンなどを含んでいます。特別な理由がなければ、取り除かずに食べても問題ありません。
Q2:みかんの白い筋とアルベドは同じものですか?
A2:厳密には異なります。アルベドは外皮の内側にある白い綿状の中果皮で、維管束は房の表面に網目状に広がる水分や養分の通路です。両者は関連する組織ですが、植物学的な名称としては区別されます。
Q3:みかんの白い筋にはヘスペリジンがどれくらい含まれていますか?
A3:1985年の温州ミカンの分析研究では、アルベドに100g当たり3,800mg、じょうのう膜に900mgのヘスペリジンが報告されています。ただし、これは特定の試料を用いた研究値であり、白い筋一本の含有量や現在のみかんすべてに共通する数値ではありません。
Q4:みかんの白い筋を取ると栄養はなくなりますか?
A4:なくなるわけではありません。果肉にもビタミンCやカリウムなどの栄養素が含まれています。ただし、筋や薄皮に多い食物繊維やヘスペリジンなどを摂取する機会は減ります。
Q5:みかんの白い筋が苦いのはヘスペリジンのせいですか?
A5:必ずしもそうではありません。温州みかんのヘスペリジンは、研究上、苦味のない成分として扱われています。繊維質の食感や柑橘の種類による成分の違いなども関係します。
まとめ:【プロの結論】みかんの白い筋は無理に取らず、おいしく食べるのが合理的
みかんの白い筋は、植物の水分や養分を果肉へ運ぶ維管束です。果実の成長に欠かせない組織であり、単なる不要な繊維ではありません。
さらに、周辺の白い組織や薄皮には食物繊維、ペクチン、ヘスペリジンなどが含まれています。特にヘスペリジンはアルベドやじょうのう膜に多いことが、温州ミカンの研究でも示されています。
今回のポイントを整理すると、次の3つです。
- 正体:白い筋は維管束で、果実に水分や養分を届ける。
- 栄養:白い部分や薄皮には食物繊維やヘスペリジンなどが含まれる。
- 食べ方:栄養を幅広く摂りたいなら残し、食感が苦手なら取り除いてもよい。
大切なのは、白い筋を食べることを義務のように考えないことです。栄養面では残すメリットがありますが、無理に食べる必要はありません。
農林水産省が紹介するみかんの構造を知れば、今まで何気なく捨てていた白い筋にも、植物が果実を育てるための大切な役割があることが分かります。
次にみかんを食べるときは、白い筋を少し観察してみてください。小さな果実の中に広がる、植物の精巧な仕組みを感じられるはずです。 (出典: みかん の 白い 筋(Yahoo!ニュース))