【2025年のデスマッチ参戦】葛西純との9年越しの約束とは?
渡瀬瑞基のキャリアを語るうえで、2025年8月26日の試合は外せない。東京・後楽園ホールで開催されたデビュー10周年記念大会「サマーフィルムにのって2025」のメインイベントで、デスマッチの第一人者である葛西純と蛍光灯デスマッチを行った。
この対戦は、単なる記念試合ではない。約9年前に交わした約束を実現するための一戦だった。
2016年のハードコアマッチが原点
最初の接点は2016年9月30日。DDT系列のDNAの北沢タウンホール大会で、渡瀬は葛西純とハードコアマッチで対戦した。
当時の渡瀬はデビューから約1年の新人。デスマッチへの挑戦を希望していたものの、実績が十分ではなかったこともあり、実現したのはハードコアマッチだった。
試合では葛西に敗北。ところが、葛西からは「もっと強くなれ」といった趣旨の言葉とともに、将来挑戦するならデスマッチデビュー戦の相手を務めるという約束を受けたという。
渡瀬はこの言葉を忘れなかった。経験を積み、ガンバレ☆プロレスへ移籍し、チャンピオンにもなった。そして10周年の節目に、自ら葛西との対戦を実現させた。
2025年8月26日、初の蛍光灯デスマッチ
試合形式は蛍光灯デスマッチ。リングに蛍光灯が設置された過酷なルールの中、渡瀬は葛西と正面からぶつかった。
結果は葛西純の勝利。渡瀬は最後まで抵抗したものの、葛西のクロスアーム式リバースタイガードライバーで3カウントを奪われた。
しかし、この試合で注目されたのは勝敗だけではない。葛西は試合後、9年前の約束を覚えていた渡瀬を称賛し、デスマッチファイターとして認める言葉を贈った。
渡瀬自身もリング上で、デスマッチファイターとしてやれていたのかと葛西に問いかけた。葛西から認められたことで、渡瀬にとってこの試合は新しいキャリアの出発点になった。
ガンバレ☆プロレスの公式試合記録にも、試合後のやり取りや、渡瀬が次のデスマッチ大会への出場を希望した場面が残されている。
渡瀬瑞基はなぜデスマッチに挑むのか
興味深いのは、渡瀬が最初からデスマッチを恐れないタイプのレスラーではないことだ。
2026年に公開されたプロレスTODAYのインタビューで、渡瀬はデスマッチに対する恐怖心について率直に語っている。試合前には「やりたくない」と感じることもあり、入場曲が鳴るまでは気持ちが切り替わらないという。
「俺、デスマッチ怖いですよ。デスマッチファイターの中で、一番恐怖心を持ってるんじゃないですかね」
それでもリングに向かうときには覚悟を決め、恐怖を乗り越えて戦う。その姿こそが、渡瀬自身が考えるデスマッチの魅力につながっている。
2025年の初蛍光灯デスマッチで敗れたことは、デスマッチファイターとしての終わりではなかった。むしろ、翌2026年には葛西とのタッグでKING of FREEDOM WORLD TAG王座を獲得するまでに至っている。
【2026年最新の王座実績】葛西純との二冠と現在のタイトル状況
2026年の渡瀬瑞基は、タイトル戦線で大きな結果を残した。特に注目されたのが、葛西純とのタッグによるKING of FREEDOM WORLD TAG王座獲得と、SOG世界無差別級王座の奪還だ。
ただし、2026年11月5日時点では、獲得したタイトルをすべて保持しているわけではない。二冠だった時期と現在の王座状況を区別する必要がある。
1月23日:葛西純とのタッグで世界タッグ王座獲得
2026年1月23日、東京・新木場1stRINGで開催されたFREEDOMS大会「Reach for the Star 2026」で、渡瀬は葛西純と組み、KING of FREEDOM WORLD TAG王座に挑戦した。
相手は第26代王者の竹田誠志、伊東優作組。試合形式はヘルブリッジ蛍光灯デスマッチだった。
試合時間21分24秒、渡瀬がジャックナイフ式エビ固めで伊東を押さえ込み、葛西・渡瀬組が勝利。第27代王者組となった。
デスマッチの象徴的存在である葛西と、10周年記念試合でデスマッチファイターとして認められた渡瀬が、今度はタッグ王者として並び立ったのである。
2月22日:望月成晃を破りSOG世界無差別級王座を奪還
続く大きな成果が、ガンバレ☆プロレスの至宝ともいえるSOG世界無差別級王座の奪還だ。
2026年2月22日、東京・高島平区民館で開催された「スキャナー・ダークリー2026」で、渡瀬は当時の王者・望月成晃に挑戦した。
望月は2025年8月26日に今成夢人を破って王座を獲得し、その後も勝村周一朗、まなせゆうな、大家健、石井慧介、冨永真一郎らの挑戦を退けていた。
その強敵を相手に渡瀬は粘り強く戦い、最後はベアエルボーで3カウントを奪取。約2年8カ月ぶりに同王座を取り戻し、第10代王者となった。
試合後には、ガンバレ☆プロレスのリングをさらに大きくするという決意も示した。
8月12日:KING of FREEDOM WORLD TAG王座から陥落
葛西とのタッグは、その後も王座を防衛した。FREEDOMS公式の王者遍歴によれば、1月の戴冠後、2月、3月、5月と防衛を重ねている。
しかし、2026年8月12日の新木場1stRING大会で転機が訪れた。
葛西・渡瀬組は、挑戦者の杉浦透・最上九組と蛍光灯持ち込みタッグデスマッチで対戦。24分32秒、最上の勝利につながる攻撃を受け、王座を失った。杉浦・最上組が第28代王者となった。
したがって、葛西とのKING of FREEDOM WORLD TAG王座は2026年1月23日から8月12日までの戴冠歴であり、11月現在の保持タイトルではない。
9月から10月:シングル王座の防衛を継続
一方、SOG世界無差別級王座は保持し続けている。
2026年9月6日のFREEDOMS横浜武道館大会では葛西純を相手に6度目の防衛に成功。9月22日のガンバレ☆プロレス「キムズビデオ2026」では今成夢人を破り、7度目の防衛を果たした。
そして10月31日、後楽園ホールで開催された「モータル・コンバット2026」では、勝村周一朗との2試合連続タイトルマッチに臨んだ。
まずセミファイナルで、葛西とのタッグにより勝村周一朗・進祐哉組のSOG世界タッグ王座に挑戦。しかし25分25秒、勝村にフォールを奪われ、王座獲得はならなかった。
その直後のメインイベントでは、渡瀬が勝村を相手にSOG世界無差別級王座を防衛。25分25秒、デッドインジャーマニーで勝利し、8度目の防衛を達成した。
2試合の合計時間は50分50秒。タッグ王座こそ獲得できなかったが、連続試合の最後にシングル王座を守り抜いた。
2026年11月5日時点のタイトル状況
SOG世界無差別級王座
第10代王者・2026年10月31日に8度目の防衛成功
KING of FREEDOM WORLD TAG王座
葛西純との第27代王者組。2026年8月12日に陥落。
SOG世界タッグ王座
2026年10月31日、葛西純とのコンビで挑戦するも敗北。
ここは検索情報を読む際に注意したい点だ。ガンバレ☆プロレスの選手プロフィールには「現在2冠王」との記載が残っている。しかし、同団体やFREEDOMSの最新試合記録を照合すると、KING of FREEDOM WORLD TAG王座は8月に陥落しており、10月31日のSOG世界タッグ王座戦も敗北している。
したがって、2026年11月5日現在の最新戦績に基づけば、渡瀬はSOG世界無差別級王座を保持する第10代王者であり、二冠王者という表現は過去の戴冠期間について使うのが正確だ。
【渡瀬瑞基のファイトスタイルと人物像】なぜ遅咲きの実力派と評価されるのか
渡瀬の魅力は、単に激しい試合をすることだけではない。通常のプロレスを土台に、身体能力、打撃、投げ技、そしてデスマッチという異なる要素を組み合わせている点にある。
得意技と試合での特徴
ガンバレ☆プロレスの公式プロフィールでは、次の技が得意技として紹介されている。
- ヴェネチアン:渡瀬を代表するフィニッシュ技の一つ。
- デッドインジャーマニー:2026年10月31日のSOG王座防衛戦でも勝利を決めた技。
- バックドロップ:相手を後方へ投げる基本的な大技。
- 顔面ウォッシュ:相手の顔面を狙う攻撃技。
特に2026年10月31日の勝村戦では、デッドインジャーマニーが決勝打となった。技の名前だけでなく、実際のタイトル防衛に結びついている点が注目される。
恩人として名前を挙げた入江茂弘
渡瀬の成長を語る際に重要な人物が、DDT時代からの先輩である入江茂弘だ。
2026年8月4日公開のプロレスTODAYのインタビューで、渡瀬は入江について、自分の成長を信じ続けてくれた存在だと説明している。
「一言で言えば、入江さんがいなかったら今の自分はいないです。」
特に注目したいのは、現在の渡瀬の武器であるエルボーにも入江の影響があることだ。渡瀬によれば、入江から力の伝え方や打ち方の基礎を教わり、自分に合ったフォームへ発展させていったという。
2026年8月15日には、その入江とSOG世界無差別級王座を懸けて対戦。渡瀬が勝利し、5度目の防衛を果たした。かつて成長を支えてくれた先輩を、今度は王者として迎え撃ったのである。
本人が語る「遅咲き」のキャリア
同じインタビューで、渡瀬はプロレスラーとしての現在地についても語っている。
「あと5年前にこの波に乗りたかったな」
これは、現在のような手応えをもっと早い時期に得たかったという率直な気持ちだ。
一方で、長い下積みを経たからこそ、周囲の選手から認められるようになったという実感も示している。勝利やベルトの数だけでは説明できない、キャリアの積み重ねが現在の渡瀬を形づくっている。
芸人として舞台に立ち、プロレスラーとしても長く活動し、所属団体を変えながら挑戦を続けてきた。その経歴は、短期間の話題性だけではなく、継続してリングに上がることの意味を伝えている。
【渡瀬瑞基に関するよくある質問(FAQ)】
Q1:渡瀬瑞基は芸人ですか?プロレスラーですか?
A1:両方です。吉本興業の公式プロフィールでは芸人として掲載されており、ガンバレ☆プロレスでは現役プロレスラーとして活動しています。かつてはお笑いコンビ「てのりタイガー」として活動していました。
Q2:渡瀬瑞基のプロレスデビューはいつですか?
A2:2015年8月23日です。DDTプロレスリングの両国国技館大会でデビューしました。2025年8月26日には後楽園ホールでデビュー10周年記念大会を開催しています。
Q3:渡瀬瑞基は2026年現在、二冠王者ですか?
A3:2026年11月5日時点では二冠王者ではありません。現在確認できる保持タイトルはSOG世界無差別級王座です。葛西純とのKING of FREEDOM WORLD TAG王座は2026年8月12日に陥落し、10月31日のSOG世界タッグ王座への挑戦も敗れています。SOG世界無差別級王座は同日の防衛戦に勝利し、V8を達成しました。
まとめ:渡瀬瑞基の現在は、芸人経験を持つSOG王者
渡瀬瑞基は、吉本興業所属の芸人として活動しながら、2015年にDDTでプロレスデビューした異色の経歴を持つ人物だ。
「てのりタイガー」のコンビ活動、2021年のガンバレ☆プロレス移籍、2025年の葛西純との蛍光灯デスマッチと、キャリアにはいくつもの転換点がある。
2026年には葛西純とのタッグでKING of FREEDOM WORLD TAG王座を獲得し、2月には望月成晃を破ってSOG世界無差別級王座を奪還した。8月にタッグ王座から陥落した後も、シングル王座を守り続け、10月31日には勝村周一朗を破って8度目の防衛に成功している。
今後の注目点は、SOG世界無差別級王座の防衛記録、葛西純とのタッグ再挑戦、そしてデスマッチ戦線でどこまで存在感を高めるかという3点だ。
渡瀬瑞基のキャリアを理解する際には、芸人としての知名度だけでなく、プロレスデビューから現在までの試合とタイトルの変遷を追うことが大切だ。長い下積みを経て現在の地位を築いた渡瀬は、2026年11月も現役王者としてリングに立ち続けている。
主な参照資料:吉本興業公式プロフィール、ガンバレ☆プロレス公式選手紹介・試合結果、DDTプロレスリング公式発表、FREEDOMS公式王者遍歴、バトル・ニュース、THE DIGEST、プロレスTODAY。 (出典: 渡瀬 瑞 基(Yahoo!ニュース))