【ストローレスリッドの仕組み】新しいフタはどうやって飲む?
ストローレスリッドとは、ストローを差し込まず、フタに設けられた飲み口から直接ドリンクを飲めるようにしたフタです。

見た目は通常のドリンクカップに透明なフタを取り付けた形状ですが、飲み口部分を開けて、そのまま口をつけて飲める構造になっています。
ストローレスリッドの3つの特徴
1.ストローを使わずに直接飲める
飲み口を開けるだけで飲めるため、ストローを取り出したり、カップに差し込んだりする必要がありません。通常のストローで飲む場合とは異なり、カップを傾けて飲むスタイルです。
2.持ち帰り時にこぼれにくい設計
飲み口は簡単に開けられる一方、持ち運び中に不用意に開いて中身が漏れないように設計されています。テイクアウトやデリバリー、ドライブスルーにも対応することを想定しています。
3.炭酸飲料の噴き出しにも配慮
炭酸飲料は、配送時の振動などによって容器内部の圧力が変化し、開封時に中身が噴き出すことがあります。新しいフタは、こうした炭酸ガスによる噴き出しが起こりにくいようデザインされています。
日本マクドナルドによると、このフタの開発には3年以上を要しました。単にストローをなくすだけでなく、店舗での飲みやすさ、持ち運びやすさ、配送時の使いやすさまで考慮した設計です。
リサイクルPET100%とは何?
新しいフタの素材は、使用済みPETボトルを回収し、粉砕・洗浄・消毒したリサイクル素材です。
ここで重要なのは、リサイクルPET100%という表示は、再生素材を100%使用しているという意味であり、プラスチックを一切使っていないという意味ではないことです。
つまり、今回の変更はプラスチックそのものを完全に排除する施策ではなく、新たに化石資源から製造するバージンプラスチックを減らし、再生素材を活用する取り組みです。
使用後はペットボトルと一緒に捨てていい?
ここは間違えやすいポイントです。
ストローレスリッドはPETボトル由来の素材を使っていますが、使用後のフタをPETボトルと同じ回収ルートに入れてよいわけではありません。
マクドナルド公式FAQでは、店舗ではプラスチックごみとして廃棄するよう案内しています。家庭で処分する場合は、プラマークの表示を確認し、各自治体の分別ルールに従う必要があります。
「原料がPETボトルだから、使用後もPETボトルとしてリサイクルできる」という理解は誤りです。素材の由来と、使用後の適切な回収方法は分けて考えましょう。
【紙ストロー廃止の理由】使い心地の評判とプラスチックとの違い
紙ストローは、プラスチック使用量を減らすための環境対策として導入されました。しかし、実際の使用感については賛否が分かれていました。
今回の変更を理解するには、環境への配慮だけでなく、飲みやすさや消費者の利便性も考える必要があります。
紙ストローの使い心地に不満が出た理由
紙ストローに対する代表的な不満として報道されてきたのは、次のような問題です。
- ふやけやすい:長時間ドリンクに浸していると、紙が水分を含んで柔らかくなる。
- 口当たりが異なる:プラスチック製とは異なる紙特有の質感が気になる。
- 飲み物の風味への影響:紙のにおいや味が気になるという声がある。
- 耐久性への不満:飲み続けるうちに折れたり、曲がったりする場合がある。
2022年の紙ストロー導入時点で、日本マクドナルドも公式発表の注意事項として、長時間使用したり、飲み物をかき回したりすると、紙ストローに折れや曲がりが生じる場合があると説明していました。
また、2024年のJ-CASTニュースでは、紙ストローの飲み心地に対する不満や、ストローなしで飲めるフタを歓迎する反応が紹介されています。一方、子どもに飲ませる場合やドライブ中など、ストローを必要とする利用者の意見も取り上げられました。
紙ストローとプラスチックストロー、新しいフタを比較
それぞれの特徴を整理すると、環境配慮と使い勝手の両立が簡単ではないことが分かります。
- 紙ストロー:プラスチック使用量を減らせる一方、水分による劣化や口当たりが課題。
- 従来のプラスチックストロー:耐久性や使いやすさに優れる一方、石油由来の新品プラスチック使用が課題。
- ストローレスリッド:ストローそのものを使わず、再生PET100%のフタから直接飲める。
- Green Planet素材のストロー:ストローが必要な商品について、バイオマス由来素材を活用する選択肢。
この比較で注目したいのは、マクドナルドが従来のプラスチックストローに単純に戻したわけではないことです。
ストローを使わなくても飲める商品にはストローレスリッドを採用し、ストローが必要な商品には素材を見直したストローを使う。用途ごとに異なる解決方法を選んでいます。
紙ストロー廃止は消費者の不満だけが理由?
紙ストローの使用感に対する不満は、今回の変更を理解するうえで重要な背景です。しかし、日本マクドナルドの公式発表が示している主な目的は、バージンプラスチックの削減と、さまざまな利用環境に対応できる飲みやすいフタの導入です。
公式発表では、テイクアウトやデリバリー、ドライブスルーなどの使い方と環境負荷低減を両立するために開発したと説明されています。
したがって、今回の変更は単純な「紙ストローへの苦情による撤回」ではありません。環境配慮を継続しながら、紙ストローとは異なる方法で使いやすさを改善する方向への転換と捉えるのが適切です。
【マクドナルドの環境配慮】紙ストロー廃止後も続く取り組み
マクドナルドの容器包装の変更は、ストローだけにとどまりません。
同社は2025年末までに、お客様に提供する容器包装類を再生可能素材、リサイクル素材、認証素材へ変更するという目標を掲げ、2022年から段階的に取り組んできました。
2022年から続くパッケージ変更
これまでの主な取り組みには、次のようなものがあります。
- 2022年:紙ストロー、木製スプーン・フォーク・ナイフ・マドラーへの変更。
- 2023年:サイドサラダ容器などの素材変更。
- 2024年:コールドドリンク用カップやフタ、マックフルーリーの容器などの見直し。
- 2025年:ストローレスリッドの導入、持ち帰り用レジ袋の素材変更など。
- 2026年:子ども向けや一部商品で使用するストローのバイオマス由来素材への変更。
特にレジ袋については、バイオマスプラスチックを95%使用したものへの変更が進められました。ストローだけでなく、持ち帰り時に使用する包装資材まで見直している点が特徴です。
年間約6,800トンのバージンプラスチック削減見込み
2025年10月の公式発表では、2022年から2025年までの容器包装類の変更によって、年間約6,600トンのバージンプラスチック削減を見込んでいました。
さらに、2026年3月24日に公開された「サステナビリティレポート2025」では、2025年のパッケージ使用数を基準とした削減推定量が年間約6,800トンに更新されています。
ここで注意したいのは、この6,800トンがストローレスリッド単独による削減量ではないということです。ストローを含めたお客様提供用パッケージ類の素材変更全体についての推定値です。
また、2025年末時点で、お客様提供用パッケージにおけるサステナブル素材の割合はほぼ100%に達したと報告されています。ただし、一部の容器包装類は対象外です。
環境に優しいならプラスチックでも問題ない?
リサイクルPETやバイオマス素材を使っているからといって、環境負荷が完全になくなるわけではありません。
リサイクルPETは新品の化石資源由来プラスチックの使用を抑えるための素材ですが、プラスチックであることに変わりはありません。回収・加工・輸送などにも資源やエネルギーが必要です。
同様に、バイオマス由来素材も、原料の調達や製造、使用後の処理まで含めて評価する必要があります。
今回のマクドナルドの取り組みを評価する際は、「紙かプラスチックか」という二択だけではなく、バージンプラスチックの削減、再生素材の利用、ストロー自体の使用削減、廃棄後の適切な分別という複数の観点から見ることが大切です。
【よくある質問】マック紙ストローに関するFAQ
Q1:マックの紙ストローは完全に廃止された?
A1:紙カップ用コールドドリンクについては、2025年11月19日からストローレスリッドへの切り替えが始まり、2026年の決算資料で導入完了が報告されています。ただし、マックシェイクなどストローを使う商品は残っています。
Q2:マックシェイクは現在もストローで飲める?
A2:はい。マクドナルド公式FAQでは、マックシェイクはストロー付きで提供する商品として案内されています。2026年には残存するストローについてもバイオマス由来素材への変更が進みました。
Q3:新しいストローレスリッドは本当に100%リサイクルPET?
A3:はい。日本マクドナルドの公式発表によると、使用済みPETボトルを回収・加工したリサイクルPETを100%使用しています。ただし、使用後はPETボトルと一緒に捨てず、自治体のプラスチック分別ルールに従ってください。
まとめ:マック紙ストロー廃止後の正しい理解と今後の注目点
マック紙ストローは、2025年11月19日から順次提供終了となり、2026年には対象となるコールドドリンク用フタのストローレスリッドへの切り替えが完了しました。
一方、マックシェイク、マックフィズ、マックフロート、フラッペ、スムージー、子ども向け商品などにはストローが引き続き使われています。2026年には、こうしたストローについてもGreen Planetを主原料とするバイオマス由来素材への変更が完了したと報告されています。
今回の変更で特に覚えておきたいのは、次の3点です。
- 紙ストロー廃止:対象は紙カップ用コールドドリンク。2025年11月19日から順次変更。
- 新しいフタ:リサイクルPET100%のストローレスリッドを採用。
- 2026年の新展開:ストローを使う商品についても、バイオマス由来素材への変更が進んだ。
紙ストローからストローレスリッドへの変更は、単にストローの素材を変えたという話ではありません。飲みやすさを維持しながら、新品プラスチックの使用を減らすため、商品ごとに包装のあり方を見直した取り組みです。
今後は、再生PETやバイオマス素材の利用だけでなく、使用後の回収やリサイクルまで含めた環境対策が注目されます。マクドナルドのストローをめぐる変化は、外食産業における利便性と環境配慮の両立を考えるうえでも、興味深い事例です。 (出典: マック 紙 ストロー(Yahoo!ニュース))