【小栗旬の信長役の起用理由】制作統括が評価した人間臭さと迫力
なぜ2026年の大河ドラマで、再び小栗旬が織田信長に選ばれたのか。キャスティングの背景を理解するには、制作統括の松川博敬チーフプロデューサーの説明が重要になる。

2026年2月のシネマトゥデイの取材で、松川プロデューサーは、小栗を起用した理由について、信長の苦い過去に由来する人間的な弱さと、武将としての迫力や覚悟を同時に表現できる点を挙げた。
本作では、信長と弟・信勝の悲しい兄弟関係が描かれる。その対照として、秀吉と秀長の結びつきが物語の中心に置かれている。つまり、単に威厳のある有名俳優を信長役に配するのではなく、兄弟というテーマを立体的に表現できる俳優が必要だったのだ。
制作統括が評価したのは、怖さだけではない。人を寄せ付けないほどの迫力がありながら、弱さや親しみやすさも感じさせる小栗の持ち味だった。
小栗旬自身が考える2026年版の信長像
小栗自身も、今回の信長を単純な冷酷な天下人として捉えていない。
2026年1月18日公開のNHK関連メディア「ステラnet」のインタビューでは、信長を「きわめて合理的な人」と解釈している。目的に最短距離で到達する方法を探し、従来の仕組みを大胆に変えようとする人物像だ。
「きわめて合理的な人」
小栗旬が『豊臣兄弟!』の信長像について語った言葉。ステラnetのインタビューより。
合理的で先進的な考え方を持っていても、周囲が理解してくれるとは限らない。小栗は、その孤独や悔しさが積み重なり、信長が人を遠ざけるようになったのではないかと考えている。
さらに、信長が自分自身に「織田信長らしくあること」を求め、当主としての役割を演じ続けていたという解釈も示した。これは、サブローが周囲に自然体で接していた『信長協奏曲』とは対照的な人物造形だ。
仲野太賀と池松壮亮との関係が信長の人物像を深めた
今回の役作りでは、共演者との関係も大きな意味を持っていた。
2026年7月12日のMANTANWEBのインタビューで、小栗は、仲野太賀と池松壮亮が信長を慕ってくれる姿に支えられたと振り返っている。特に、二人が信長を愛してくれていると感じられたことが、演じるうえで大きな助けになったという。
これは、劇中の信長と豊臣兄弟の関係にも重なる。信長は恐れられる主君である一方、秀吉と秀長という二人の人物との関係を通して、自分の存在意義や人間的な部分を見いだしていく。
小栗の信長が単なる恐怖の象徴にとどまらなかった理由には、こうした共演者との相互作用もあった。
【小栗旬の織田信長役の評判】視聴者が注目した演技と過去作との違い
2026年の『豊臣兄弟!』で小栗旬の信長が話題になったポイントの一つが、立ち姿や表情による人物表現だ。
シネマトゥデイは2026年7月5日の記事で、小栗の首を傾けた姿勢が視聴者の間で話題になったことを紹介している。小栗自身も、以前の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』での演技をきっかけに、姿勢が注目されるようになったと振り返った。
興味深いのは、視聴者の期待に応えるだけでなく、あえてその期待を裏切ろうとしたことだ。共同通信社のインタビューでは、後半は首を傾ける姿勢を控えたと説明している。
こうした細かな演技の変化は、信長の人物像を作り込むうえでの工夫といえる。大きな声や威圧的な表情だけでなく、姿勢や視線によって権力者の心理を伝える方法だ。
『信長協奏曲』と『豊臣兄弟!』の評価ポイント
二作品を比較する際には、同じ俳優が演じているという共通点だけでなく、作品が視聴者に求める感情の違いを見ると理解しやすい。
- 『信長協奏曲』: 現代人のサブローが戦国時代で奮闘する面白さと、本物の信長との対比を楽しみたい人向け。
- 『豊臣兄弟!』: 歴史上の権力者としての信長と、秀吉・秀長との複雑な人間関係を楽しみたい人向け。
前者では、同じ顔をした二人の人物を小栗が演じ分ける技術が見どころになる。後者では、孤独や葛藤を抱えながら権力者として振る舞う信長の内面が見どころだ。
よくある誤解を整理
小栗旬の信長役については、作品の公開年や登場人物の設定が混同されやすい。特に押さえておきたいのは次の3点だ。
誤解1:『信長協奏曲』のドラマと映画は別設定の作品?
違う。映画はテレビドラマの物語を引き継ぐ最終章であり、サブローの物語はつながっている。
誤解2:小栗旬は明智光秀という別人物も独立して演じた?
作品内では本物の信長が明智光秀を名乗っている。サブローと本物の信長という一人二役の設定が基本だ。
誤解3:2026年版は『信長協奏曲』の続編?
違う。『豊臣兄弟!』は豊臣秀長を主人公とする独立した大河ドラマであり、過去作のストーリーを引き継いだ作品ではない。
【プロの結論】小栗旬の信長役を比較するなら3つの視点が重要
小栗旬の織田信長を理解するには、次の3つの視点から比較するのがおすすめだ。
1. 人物の立場が違う。 『信長協奏曲』では信長の名前を引き継いだ現代人が主人公。『豊臣兄弟!』では歴史上の信長が豊臣兄弟の主君として登場する。
2. 信長の内面の描き方が違う。 前者では本物の信長とサブローの対照が中心。後者では、信長自身が権力者としての役割を背負い、孤独になっていく過程が描かれる。
3. 作品の視点が違う。 『信長協奏曲』はSF要素を交えた戦国エンターテインメント。『豊臣兄弟!』は秀長の目線を軸にした戦国群像劇だ。
特に、2014年版のサブロー信長を知っている人ほど、2026年版の信長の変化を楽しめる。過去作の演技を単純に再現したのではなく、作品ごとに異なる人物の立場や心理に合わせて演技を組み立てているからだ。
【小栗旬と織田信長】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:小栗旬が織田信長を演じるのは何回目ですか?
A1:『信長協奏曲』に続いて、2026年のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で2度目の別作品での信長役です。『信長協奏曲』は2014年のドラマと2016年の映画で同じ物語が続いています。
Q2:『信長協奏曲』で小栗旬は明智光秀も演じていますか?
A2:本物の織田信長が明智光秀を名乗る設定です。小栗旬はサブローと本物の信長を一人二役で演じています。
Q3:2026年の『豊臣兄弟!』で小栗旬はどんな信長を演じていますか?
A3:合理的で先進的な考えを持ちながら、弟との悲しい過去や周囲から理解されない孤独を抱える信長です。豊臣秀長役の仲野太賀、豊臣秀吉役の池松壮亮との関係も見どころです。
Q4:『豊臣兄弟!』で小栗旬の信長が最期を迎えるのは何話ですか?
A4:2026年7月12日放送の第27回「本能寺の変」です。
Q5:小栗旬が信長役に再び起用された理由は何ですか?
A5:制作統括は、迫力や覚悟だけでなく、人間臭さや弱さも表現できる点を評価しています。また、小栗自身も以前から本物の織田信長を演じたいという思いを持っていました。
まとめ:小栗旬の信長役は再演ではなく、新しい人物像への挑戦
小栗旬が演じた織田信長は、2014年の『信長協奏曲』と2026年の『豊臣兄弟!』で大きく異なる。
『信長協奏曲』では、サブローと本物の信長という二人の人物を演じ分け、明智光秀を名乗る本物の信長という複雑な設定にも挑戦した。2016年の映画版では、本能寺の変を軸に物語を完結させている。
一方、2026年の『豊臣兄弟!』では、豊臣秀長と秀吉の主君として、合理性、孤独、弱さ、権力者としての覚悟を持つ信長を表現した。制作統括が評価した人間的な弱さと迫力、小栗自身が語った「信長を演じ続ける人物」という解釈が、今回の役作りの核になっている。
2014年から2026年まで、同じ俳優が同じ歴史上の人物を異なる視点で表現したことは、俳優としての経験と表現の幅を考えるうえでも興味深い。二作品を続けて視聴すれば、小栗旬が描く織田信長の変化だけでなく、時代劇における人物描写の面白さもより深く味わえるはずだ。 (出典: 小栗 旬 織田 信長(Yahoo!ニュース))